エストスの谷 トレッカーもめげる暑い日が続く
年月日 2010年7月19日
天気 晴れ
タイム Camping Aneto(8:10)=Parking(8:15/8:23)…Cabana de Santa Ana(9:00/9:10) Cabana del Turmo(10:20/10:30)…Refuge De Estos(11:20/12:35)(1895m) …Parking(14:48)=Camping Aneto(14:55)

Estos(エストス)の谷から多くの岩峰が見上げられる
 昨日のトラブルで覇気が薄れAneto登山を1日延ばしたので今朝はゆっくりする。体もようやく慣れて夜も良く寝られるようになった。朝食はスーパーで調達したパン・コーヒー・ジュースにハムなどが定番メニューである。暑いので特にジュースは行動中の飲み物としても必需品で、1リットル紙パックをほぼ毎日購入。今朝も雲1つない快晴の空が広がっている。Informationで手書きの案内図をもらった別のお勧めウォーキング、Estos(エストス)の谷を歩くことにする。日本語Web SiteではAgulles de Perramo(ペラモ針峰群)(2553m)の途中にあるIbones d'Escarpinasa(エスカピノーサ湖)(2030m)からIbon Gran de Batisielles(バティシエレス湖)(2200m)を訪れた報告がある。私は忠実にGR-11コースをRefuge De Estos(エストス小屋)(1895m)へ向かうことにする。Camping Anetoから歩くこともできるが、車で入れる広い駐車場から歩き始める。暗い峡谷のダム湖の脇は標高低いのに大きな雪渓が残っていて驚く。道標に従って本格的な山道に入りこれも意外であったが、直ぐに上部の一般車が通れない林道に出て、その先は林道のなだらかなトレッキングコースが続く。
 Cabana de Santa Anaという小さな小屋で一服、街からそう遠くないのに時間も早いためか静寂の世界、森の中のさわやかな朝の空気を味わう。この先は開けた牧場に入って行き、カウベルの音と前方のフランス国境稜線であるPerdiguero(ペルディゲーロ)山域の峰々の眺めにつつまれる。ただし日当たりが良くなると暑さもやってくる。標高が低いこともあるが特に今日は異常な暑さだ。薄紫色の大きな5弁の花(フウロソウの仲間らしく日本の3倍の大きさ)が道脇に咲いている。谷の流れを眺めながら緩く登り、カキツバタに似た形の紫色のピレネーアイリスが目を楽しませてくれる。広い牧場内の林道歩きを続け暑さにはうんざりする頃、前方に牧童小屋という感じの小さなCabana del Turmo(コバーニャ・デル・トルモ)(1730m)が見えてくる。私設の小屋らしく閉鎖されて中には入れない。周辺の山々はAneto(アネト)の方が有名であまり紹介されていないが、A Happy Trail Websiteの報告にもあるように鋭い岩場を持つ峰々が並び山の景観としては他にヒケをとらない優れものだ。小屋周辺は日当たりが良くて早々に出発したものの、少し先で樹林帯の日陰があり、この程度のコースにもかかわらず暑さにめげて思わぬ昼寝の大休止と相成った。
眺めの良い台地に建つRefuge De Estos(エストス小屋)
 少しジグザグの登りとなって台地に上がっていくと前方にRefuge De Estos(エストス小屋)が見えてくる。Benesqueの街でも見られた石造りに赤窓の建物、2階建てのなかなか大きな小屋だ。ここまでコースタイムは2時間半のところを3時間かかって着いた。暑いせいもあるが歩行時間は日本の感覚よりきつめに感じ、思ったよりしんどかった。付近ではバックパックのトレッカー達が暑さにはうんざりという感じで昼寝中。小屋のピレネー犬2匹もぐったり。スペインの営業小屋は初めてなので、中に入って冷えたコーラを飲みながらまた大休止。1階の広い食堂はまだ宿泊客の到着には早く、滞在客なのか読書にふけっている男の人が1人居ただけで、ゆったりと使わせてもらう。小屋付近からはPico de Bardamina(3079m)などPosets(ポセッツ)前衛の山、草原状のEstos(エストス)の谷と両岸に続く山々を見渡せる。トレールはPuerto de Chistau(プエルト・デ・ティスタウ)(2577m)の峠を越えてSan Chan(サン・ホアン)の村へ続き、わずか先の分岐点では道標が左へPosets(ポセッツ)(3375m)へと記してある登山口を確認。長丁場であるが昨日に比べてトレールを示す指導標がある分登りやすいのだろう。谷から見上げる形になるので前衛の山に隠されて山頂は見えない、昨日バリビエルナの谷から見た雄大な山容を思い出すと食指がひかれる。
 帰りは右よりの斜面を登っていく枝道に入って、Ibonet de Batisiellesを経て元に戻ることもできるが、明日はいよいよAneto(アネト山)(3404m)へ挑戦であり体力温存の為にも素直に来た道を戻ることにした。この国の人たちは朝が遅いので、炎天下の暑い道を登ってくるグループが結構多かった。朝涼しいうちに登った方が絶対楽だと思うのだが。キャンプ場に戻ってから、午後のひと時を木陰でゴロゴロしながら地図やガイドブックなどを眺めた。Benesque(ベネスケ)の町では割とゆっくり滞在を楽しむことになったが、広大なピレネーにはこのような山間の村や山やトレールが無数に存在する。残された期間ではレンタカーを活用して少しでも多くの町や山を見て廻りたい。それから明日のAnetoはガイドブックのグレードはちょっと高くて、安全のためロープ持参が必要となっているのが気になる。

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