フィヨルドランドへ ミルフォードロードのパノラマとマリアン湖
年月日 201009年1月2日〜1月3日
天気 2 晴れ,3 雨、夕方曇り
タイム Wanaka(7:30)…Queenstown空港(9:00/9:25)=Te Anau DOC Vistor Center(11:25/13:20)
=Fiordland Great Views Holiday Park(13:30/13:50)=登山口(15:00/15:10)
…Marian Lake(700m)(16:22/17:00)=Greate Views Holiday Park(19:20//8:45)
=Te Anau Town(8:55/11:00)=Te Anau Down(11:20/11:40)=Milford Sound(13:10/14:20)
=The Chasm(14:35/14:55)=The Devide(532m)(15:20/15:50)

 Wanaka ConnectionのバスでQueenstown空港まで行って、後半のレンタカーでの南島を巡る旅が始まる。クリスマス休暇のあおりで空港以外では適当なレンタカーが見つからないためである。安いレンタカーはマニュアル車が多いみたいだが、この会社は日産サニーのオートマ車で8日間借りて1日当たり51NZ$(\3500強)で乗り捨ても可能。借りた車はかなり古くて10万km以上走った物であり一抹の不安を感じながら運転する。左側通行に距離もkm表示なので日本の感覚で違和感はほとんど無い。 ガソリン代は1.7NZ$/L(\120/L)でこれも日本と同じくらい。借りた古い車はシートベルトの収納がうまくいかずだらんと垂れてしまう程度で特に難は無かった。
 この日は素晴らしい快晴で、Lake Wakatipuが澄んだ青色に染まり周辺の山もくっきりと見える。このような移動日にはもったいない天気でもある。途中に人家や商店などはほとんどない、たまにある小さな町にも家が2〜3軒とガソリンスタンドか小さな商店がある程度。町の部分は制限速度50〜80km/hでそれ以外は100km/h、Fiordland(フィヨルドランド)観光の中心、Te Anau(テアナウ)まで距離168kmの所要は2時間で、道路事情は良いと言える。
Lake MarianからMt.Crosscut(2263m)方面を望む
 NZへ来てからガイドブック類を眺めるにつれ、当初は予定していなかったが、Greate Walks(グレート・ウォークス)として名の知れたコースでも、ガイド無しで山小屋泊まりで歩くFree Walkという形も設定でき、行ってみようかと考えた。世界一美しい散歩道とも言われる最も有名なMilford Track(ミルフォード・トラック)は完全一方通行で、Lake Te Anau(テアナウ湖)を横断する専用船でのアプローチが必要、レンタカーの活用はできず、人気があって相当前から予約しておく必要がある。Routeburn Track(ルートバーン・トラック)なら途中のMackenzie Hut(マッケンジー小屋)に2泊すれば、ピストン方式で主要部分を歩いてこれると判り、早速Te AnouのVisitor Centerを訪れて明日から2泊できないか訊いてみた。受付のお姉さんは親切にいろいろ教えてくれた。Mackenzie Hutはロケーションが良く人気があって、今月前半まで小屋もテント場も全て満員とのこと。テント場も人数が制限され、小屋より安いので人気のようだ。手前のHowden Hut(ハウデン小屋)なら空きが有るとのこと、ここは登山口から1時間の場所で効率が悪くトレッカーの利用は少ないようだ。ただGreenstone Track(グリーンストーン・トラック)の分岐点にあって、そちらやKey Summit(キーサミット)など多方面へ行けるのがメリットと勧められ、Howden Hutから空身で長距離のピストンを試みるしかないと考え、2泊申し込む。予約はPCの端末から自分でDOCホームページのGreat Walks専用予約サイトに入って行った。要はインターネットで海外からでも簡単に申し込めるというわけだ。素泊まりで1泊45NZ$(\3100強)は、NZの感覚ではちょっと高い。それでも初日は空きが1人のみで際どくセーフだった。
人跡未踏の地Fiordland National Parkの無数のピークが垣間見える
 市街地に近いHoliday Parkでテントサイトを尋ねるが満員とのこと。スーパーで食料を買出ししてから、天気も良いのでLake Marian(マリアン湖)(700m)へ半日ハイキングへ向かう。Milford Highwayを少し行くとFiordland Great ViewsというHoliday Parkがあり、こちらはOKだったのでキャンプサイトを申し込む。Lake Marianの登山口まで86kmを飛ばして走り、15時過ぎから歩き始める。Fiordlandに来ると、これまでの山とは雰囲気が一変し、道は非常にぬかるんでいて、深い樹林とシダやコケに覆われている。ふと日本の山を歩いているのと錯覚してしまう感じ。トレール終点のLake Marianから周囲の3つの氷河の山 Mt.Crosscut(2263m),Mt.Christina(2502m),Mt.Gunn(2044m)が望め、雲に見え隠れしているのを眺めながらしばし佇んでいた。この先は踏み跡らしきものは一切無い。見えているピークへ登った人はいるんだろうか。名前が付いているくらいだからきっと冒険家か誰かに登られているだろうが、登山者は年に1組も無いのではないか?
 帰り道は途中いくつかある湖の景勝地に立ち寄りながら戻る。所々にDOCのキャンプサイトがあるが、何も無い単なる空き地でトイレもほとんどが壊れたのか見当たらない。こういう所にもキャンピングカーを乗り入れて泊まっている人がいる。その他は沿道に商店と言えるものは皆無である。夕方は快晴の空が広がり、後方に氷河に削られたFiordland National Parkの雪山が無数に連なっているのが見えた。思わず車を止めては写真に写す。これだけの山があっても登山道は一切無く、ごく一部にトレッキングコースが作られているだけ。南島最大のLake Te Anauの周りも深い山で囲まれ、これらの人跡未踏の地を眼前にして自然の偉大さに感嘆。Holiday Parkにもどってインスタントのライスやパスタなどキッチンで自炊、眺めの良いテラスでたそがれ時の山と湖の景色もおかずにハム・チーズ・フルーツ・ワインと共に頂く。Visitor Centerのお姉さんが明日は雨だと言っていたが、そんな心配は全然感じさせない空模様であった。
Milford Roadから大雨でできた幾筋もの滝を見る
 しかし翌日は朝から大雨となった。トレッキングはゆっくりスタートすることにして、Te Anauの町でトレッキング用食料を買い足し。様子を見にDOC Visitor Centerへ行ってみるとMilford Trackは歩道が冠水していて通行止めのようであった。今日出発予定の人たちは気の毒で、別のコースへ変更を余儀なくされている。降りは次第に弱まってきているので、Milford Soundの観光で時間をつぶしてから、明日以降の天候回復を期待して夕方小屋に入ることにする。
 町を後に出発したとたんトラブル、後ろのパトカーが突然ランプ点滅し止まるように合図された。若い女性の警官がニコニコして出て来て、スピード13kmオーバーだと言って違反切符を切られた。あと数100mも行くと市内50km/h制限解除の場所である。外国人ということもあり良いカモにされたようだ。罰金は80NZ$(\5000強)で日本に比べれば安く、海外からCredit Cardでも払えるとか、不服の場合は法廷で調停に訴えられるとか細々と説明がある。これも授業料と思って諦める。その後気をつけてみるとたまにパトカーが潜伏してチェックをしていることがわかり、町中を通るときだけはSpeed Limitは厳守するよう気を使った。
 昨日と同じMilford Roadを走るが、この天気では山は全然見えない。Milford Trackへの船が発着するTe Anow Downに立ち寄ると、今日は人の気配無く一艘の連絡船が寂しく停泊していた。昨日訪れたHoliford Road分岐を直進すると、次第に道の両側は氷河で削られた岩壁が迫り、大雨の影響で幾筋もの滝が激しく岩壁を流れ落ち大変な迫力だ。これらの滝は雨天の時だけ現われるということ。片側交互通行のHomer Tunnel(ホーマートンネル)を抜けて、同じような無数の滝を見ながら進む。終点の駐車場から10分ほど歩いたところがMilford Soundのクルーズ船発着場、ほとんどが自然のままのFiordlandで唯一と言える観光拠点なので、観光バスが押し寄せて20分ぐらいの間隔で出発する船に吸い込まれていく。山は霧の中で見えず、ツアー客に混ざってクルーズする気にもならず、付近を少し散策する程度にした。Milford Sound最大のBowen Falls(ボーウェン滝)にクルーズ船が寄って行く様子が割と近くに見え、その水量のすごさには圧巻。帰りはThe Chasm(ザ・キャズム)の侵食された奇岩に立ち寄り、Routeburn Trackの登山口となるThe Devide(ディバイド峠)(532m)まで戻る。道路が南島の東西を分ける分水嶺を越える所である。広い駐車場と休憩所・コース案内板・トイレ以外に観光施設はなく、反対側から歩いてきたトレッカー数組が迎えのシャトルを待っているだけの所。早速この地にはびこる人を刺す虫、Sand Fly(サンドフライ)に迎えられ、大の苦手の私は虫除け(日本から持参)を多用することに。日本製のものは効かないと言うが、何もしないよりはずっとましだったと思う。

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