アスパイアリング〜フレンチ・リッジ下山
年月日 2009年12月29〜30日
天気 29 朝は雨、曇り一時晴れ間、夕方雨,30 雪のち晴れ
タイム Colin Todd Hut(9:20)…Quarterdeck(2306m)…French Ridge Hut(1480m)(13:30//8:30)
…Pearl Flat(10:30)…Aspiring Hut(460m)(12:00/12:45)…Rasberry Flat(380m)
(14:50/15:10)=Wanaka Guide Office(16:00)…Matterhorn South Backpackers(17:00)

Quarterdeckからの下りで通過したクレバス帯
 朝は雨で視界も無くFrench Ridgeは見合せようかという話もあった。しばらく様子を見ながらゆっくりして、雨もやみ時折晴れ間も出てきたので、ロープを付けてRechard親娘ともどもFrench Ridgeへ出発。平坦なBonar Glacierをたどり左右には時々雲の切れて岩峰のピークが望める。夜に雪が降ったため吹き溜まりでは少しラッセルとなる。昨日2名通ったはずだが所々踏み跡も消えてしまっている。ガスに覆われると方向がわからなくなりAritzaは地図を見て慎重にルートを選んでいる。少しずつ高度を上げていき500m登ったQuarterdeck(2306m)まで3時間ほどかかり、昨日の疲れと荷物の重みで結構しんどかった。ここで稜線を越えて反対側に出る。French Peak(2356m)が目と鼻の先なのだが、ここまで登ると一面ガスで何も見えず、風も結構強い。
 下り口はやや急で、途中クレバスがありビレーして慎重に通過。割れ目の底には大きな雪洞が掘ってあったが、後ほど小屋で登山者のビバーク用に作ったもので有料で提供されていると判る。先の尾根は広くなった雪の斜面で、視界も開けてきたので写真をとりながら行く。目指すFrench Ridge Hut(1480m)は一段下になって見えないが、こうなるとスピードは速く少し急な斜面を滑るように下ると小屋は目の前だった。下からここまではトレッキングコースであり、収容人数も多い小屋である。日帰りで往復する人やテント持参で氷河周辺の岩山へクライミングを行っている若者のグループなどが中で休んでいた。Rechardたちは後からのんびり歩いてやってきた。DOCからの管理人(眼鏡の女性)がいて、食堂で飲み物を沸かしながらしばし話す。稜線は雲に隠れてはいるが、氷河から高い落差で落ちる滝、Matukituki Valley(マツキツキ谷)を隔てて南側のMt. Edward(2620m)など山々の景観が楽しめる。小屋の周りは少し地面が出ている程度でかなり雪が残っており、例年に比べて雪解けはだいぶ遅れているそうだ。
French Ridge Hutも間近、正面はMt. Edward(2620m)付近の山
 我々は予備日を含め5日間の計画だったのが、順調に登頂が終了し達成したので今日は半日行程でこの小屋で泊まり。これまで同一行程で来たRechardとEsmeは、今日は下のAspiring Hutまで行くので、ここでお礼の挨拶をしてお別れとなった。夕方の食事の時間までゴロゴロと寝ていた。外の様子は相変わらず稜線上が曇って見えず、上空は雲が勢い良く流れて上部は風がかなり強そう。まだWanakaで仕入れたウイスキーが沢山残っているので、夕食後に自前のつまみで頂く。小屋には欧州やUSAなど各国のトレッカー・クライマーが20名ぐらい、外にテント泊のパーティも居る。Aritzaはお酒はやらないみたいだが、周りのお客と一緒に山談義や身の上話に花を咲かせた。彼は私より少し若く40台後半、ペルー人と結婚して子供もいるが、山ばかり行くためか離婚。ワラスではガイド業の合間に子供と山に行くこともあり、たまに兄弟に会いにスペインに帰るそうだ。
 夜には寒気が強まったようで、朝は小屋周辺も新たに積雪が見られた。この2日間はおそらくヘリは飛べない状況、はじめ2日間が晴れたのはとてもラッキーだった。雨具を付けてみぞれ模様の中を出発。登山道は潅木帯から樹林帯へ入っていき、かなり急坂で滑りやすく下りでも結構疲れる道だ。雨が上がって青空も覗くようになり、天気の変化が早い。谷に出たところは、Pearl Flatの草原になっていて、French Ridge Hutへの登り口を示す石碑がポツンと建っている。谷沿いの道は対岸についていて渡渉すればすぐであったが、正しく上流へ大回りするルートを行く。10分くらい上流へさかのぼるとつり橋があって対岸に渡ると、Liverpool Bivouacへのルートを示す標識がある。一帯から先はいずれも一般向けというより本格的登山の範疇だと言える。
Matukituki ValleyからRob Roy Peak(2644m)方面
 Matukituki River(マツキツキ川)沿いの下りは単調なトレッキング道で、岩の積み重なったモレーン、樹林帯、花の咲く草原帯、と過ぎていく。晴れ間が広がってきて、周辺の氷河の山々と氷河で削られた断崖を落ちる多くの滝の眺めも目を楽しませてくれる。日が照ると暑くて汗ばんでくるが、谷を渡る風が涼しさを運んでくる。広々して眺めの良いAspiring Hut(460m)でランチタイムとして、あと1時間半。次第に軽装ハイキングの人も見かけるようになり、Rob Roy Glacier(ロブロイ氷河)へのコースが分岐する吊り橋まで来れば、Rasberry Flat(ラズベリーフラット)(380m)の駐車場が見えてくる。終点は周辺の案内とトイレがあるだけの所、テントやキャンピングカーでの滞在客も見かける。谷を下りてくる風が強くて標高を下げた割りに結構寒い。
 Aspiring HutからGuide Officeへ連絡して、帰りは乗り合いのマイクロバスを予約してくれた。ダート道で増水した小さな川をいくつも横断、大雨でしばしば通行止めになるのもうなずける。Guide Officeで登頂の祝福を受ける。1日早い下山になり今晩の宿確保もOfficeお願いしていた。結局明日以降予約していたのと同じMatterhorn Southに3泊することになる。Aritzaは明日まで私のガイドとしてKeepしているので、明日Rock ClimbingでもHikingでも付き合うよと言ってくれたが、明日は休養日として軽い散策程度にしたいと思い、夕方待ち合わせて夕食に付き合ってもらうようお願いした。Matterhorn SouthはDormitory(2段ベッドの共同部屋)なので一泊25NZ$(\1700)ですむ。建物は平屋で古く、ベッドの上段しか開いてなくて荷物の置き場がちょっと狭かったが、夜はBASEよりずっと静かなのと、開放的でStuffはFrendly、またStuffにWorking Holidayの日本人の女の子も居て何かと便利だった。日本からInternetで見る限り他のBackpackesは完全に満室状態だったので、特別のはからいでベッドを空けてくれたんだと思う。スーパーでワインにつまみ類を仕入れ、近くのMuzza's Bar&Restaurantでステーキ・ポテト・野菜のSpecial Menuに地ビール2本(35NZ$ \2300程度)と久々に満足の食事ができた。

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