導入編 ヴェネチア観光、ボルツァーノからガルディーナ渓谷セルヴァへ
年月日 2013年7月6〜8日
天気 おおむね晴れ
タイム 成田空港(16:40)→KL864→アムステルダム(20:40/21:40)→KL1659→ヴェネチア・マルコポーロ空港(23:25/23:50) =[バス]=ローマ広場バスターミナル(0:10)…Hotel Marte(0:30//6:30)…北部〜駅周辺散策 …Hotel Marte(7:30/7:50)…リアルト橋…サンマルコ広場周辺観光(8:50/12:30)…アカデミア〜サンポーロ地区散策 …サンタルチア駅(16:00)=[水上バス]=ムラーノ島散策(16:30/17:30)=サンザッカリア=サンタルチア駅 …Hotel Marte(19:00//6:20)…サンタルチア駅(6:50)=[列車Frecciabianca]=ヴェローナ(7:58/8:42) =[列車]=ボルツァーノ(10:30/11:45)…市内散策…ボルツァーノ駅(13:40/14:05) =[市内バス]=Auto City AVISレンタカー(14:30/15:00)=セルヴァ(16:00/16:30)=Hotel Garni Eden(16:40)

鐘楼に上がってヴェネチアの全貌を眺める
 行きのKLM航空は成田空港出発が機体のトラブルとかで3時間も遅れた。幸いなことに私のアムステルダムの乗り継ぎ便は接続を待つという。他の便は順調に出発していて出だしから運が悪い。アムステルダムでの乗り継ぎが翌日便に振り替えられた人もいて係員に文句を言っている。\1400の食事券をくれたので、のんびりビールでも飲みながら待つ。機内アナウンスで通常より飛行高度を下げるとかで1時間取り戻し、KLM乗り継ぎ便は1時間遅れで深夜11時過ぎにヴェネチアに到着。ラグーン(潟)に入るリベルタ橋から、いろんな映像で登場する有名なヴェネチアの風景の中に突入だ。この時間にもかかわらずバスターミナルは深夜まで観光して本土へ戻る人でごった返している。迷いながらネット予約したサンタルチア駅にほど近いHotel Marte&Biasinを見つける。繁華街のようなリスタディスパーニャ通りから運河沿いにちょっと入った所で周辺は狭苦しさがなく悪くない。いかつい黒っぽい大男が出てきて、最初飛び込みかと思われ韓国人が居るので同室でも良いかと言われる。部屋は増築したてで新しいものの窓が閉め切りで開かず最初クーラーも無しで扇風機で何とかしてくれと言う始末だったが電話で確認してクーラーが動くようになった。夏のシーズンにヴェネチアのラグーン(潟)側で手頃な値段の宿泊は見つけにくいと言われ、予約は2泊で130Euro(前払いキャンセル不可)の条件だったが、シングルでこの値段はなかなか見つからず、とにかく寝る場所を確保できれば良いという覚悟が必要か。
 いつものように時差の影響であまり寝れず早起きして北東側の迷路のような街並みを散策、縦横に運河が走り通路は狭くて段差も多く輸送遮断は水運のみ、この辺り特に観光ポイントも無く、朝から船が往来する光景は、普段のヴェネチアの人々の生活の様子が感じられる。マドンナデッロルト教会あたりまで歩き、島々が浮かぶ海沿いからサンタルチア駅方面へ戻る。朝食は隣のバルでパンとコーヒーだけというお粗末なものであった。次は代表スポットのリアルト橋からサンマルコ広場へと歩いていく。駅前のスカルツィ橋で大運河を渡り迷路のような路地に入って行くと、多くの建物にお店に小運河と次々に現われ楽しい街歩きだ。行く手に迷うと、サンマルコと書かれた標識を探してそれに従う。結構距離も長くて1回で路地裏まで全て堪能することもできず、とても奥深い所も多くの人を引き付けるゆえんか。
ヴァポレット(水上バス)に乗ってムラーノ島へ
 ヴェネチアの中心となるサンマルコ広場にて、まずはエレベーターで鐘楼に上がって街全体の風景を眺める。天気も良く赤レンガに統一された屋根と教会のドームと海の青とラグーンの島々と、これでヴェネチアという街は大体理解したような気になってしまう。あの朝食はとても足りず腹ごしらえしたい。広場に並ぶ椅子には誰もいないし法外な席代を取られそうなので、テイクアウトのパニーニとジュース(やはり物価は高い)を買って、日差しを避けられるドゥカーレ宮殿脇のベンチに座って食べる。広場周辺の観光スポットは既に入場を待つ観光客の列長く伸びている。サンマルコ寺院ではリュックを背負っていると入場を断られ、無料の預かり所がとてもわかりにくい所にある。暑くなってくるとあちこち精力的に回る元気もなくなってくる。長蛇の列ができてきるのはドゥカーレ宮殿の特別展であることがわかり、通常の展示はそれほど長く待つこと無くフレスコ画で飾られた豪華な部屋から牢獄まで見学。そしてサンマルコ寺院屋根裏の展示見学とちょうど中でやっていた日曜の礼拝(無料)に参列。後ろの方の椅子に座っているのは便乗して休憩している観光客が多そう、イスタンブールを思い出す。休みながらのんびり見学していると時間が経つのも早い。
 昼になると観光客が増えてきて周辺の運河を次々とゴンドラが通過するヴェネチア独特の光景を眺める。自分はゴンドラという気分ではなくやはり街歩きだ。迷路のように続く小道を右に左に、アカデミア美術館からサンタマリア・デイフラーリ教会を通って行きと異なるルートでサンタルチア駅へ戻る。多くの教会や美術館など中まで見ずとも旧い街並みの散策を楽しめる。手頃なレストランでシーフードリゾット+ビールのランチタイム、イタリアンテイストが味わえるが量は少なかった。
山に囲まれた州都ボルツァーノの街並み
歩き疲れたし船にも乗りたいと思い、この後はヴァポレット(水上バス)でムラーノ島へ行ってみた。乗船券を買うにも長蛇の列で手間取りもう夕方4時だ。本数が少ない直行便にちょうど乗れたので20分ほどで島に到着。ベネチアングラスで有名な所だが、そぞろ歩きをしても運河沿いに工房や店が並ぶ他には特筆すべきものがあまり無い。ゆったり広々している所がヴェネチア本島と違う魅力か。帰りは各駅停車の船で時計回りに一周する形で、クルーズを楽しむながら戻ることに。サンマルコ広場近くで大運河方面の船に乗り換えると混雑していてデッキに立つしかない。ここでトラブル発生、混んできてラッシュ状態となりアカデミアで人が沢山降りた際に、ウェストバックのチャックが開けられていて国際免許が足元に落ちているのに気付く。調べるとユーロ札とヴェネチアで使ったチケットやレシート類を挟んでいた透明パスケースが巧みに抜きとらていた。周りの景色などに気を取られていたのが敗因。パスポートや両替前の現金などは無事で被害はユーロ現金だけだったのが不幸中の幸い、ヴェネチアで使った分を除いても2〜3万円はあったと思う。以前ローマでもスリに遭ったのでまたしてもだ。他の国に比べてもイタリアのスリの巧妙さは群を抜いているのか。
 混雑と物価高に追い打ちをかけるこの事件で嫌な印象となってしまったが、気を取り直して翌朝は日本で予約した朝のイタリア国鉄のミラノ行き高速列車に乗り込む。途中駅に結構止まるのでそれほど速い感じはしない。ビジネスマンなどでほぼ満席状態だ。ヴェローナで普通列車に乗り換えると地元の人の乗り降りも結構多い。特急に比べて運賃はかなり安く、途中駅も結構通過していくので普通列車としては早い方だ。両側はずっと岩山が続き、眺めを楽しみながらボルツアーノへ。レンタカーの予約時間は14時で、それまで街の様子を見に行くつもり。内陸で日差しが照りつけるとかなり暑く、まず荷物を預ける場所を探す。観光案内所で地図をもらい駅近くのバスターミナルで預けられると聞く。この場所がわかりにくくうろうろしたり人に聞いたりしてやっと荷物を預かってもらう。ここは13時から14時まで昼休みで閉まると言う。レンタカーの営業所まで行くバスは、バス停付近にいた公安員が違うことを言うので混乱したが、観光案内書とバスターミナルの窓口で4番のシティバスでAutoCityという所へ行けば良いことを確認。
セッラ山群の岩壁を望むガルディーナ渓谷セルヴァに到着
 いろいろ戸惑って、山に囲まれた古都ボルツアーノの街を見る時間は、ランチタイム+1時間程度しかなかった。イタリア北部南チロル地方の州都とあってマーケットや広場のレストランは多くの人で賑わっていた。エッツィで有名な考古学博物館など歴史的な建物を見て中心部を一周してドゥオーモの広場へ戻る。ユーロ現金を盗まれ、レートの悪いヴェネチアを避けここで両替しようとしたが、どの銀行も市民のIDカードが無いとダメと断られた。いろいろ勝手がわからない国だ。バスに乗り込み運転手に何回も確認してAutoCityで降ろしてもらう。バス運賃は現金払いでなくバスカード必要だがそんなものは無く、運転手の「いいよ」という素振りでタダになった。レンタカーの予約会社はBudgetになっていたが、車のショールームが続く広い建物の中を迷いながら、AVISレンタカーのカウンターにたどりついた。Budgetも一緒にやっているが看板はAVISしか出ていない。日本人は慣れていないからと、日産のオートマ車を用意してくれていた。これはラッキー、ネット予約ではオートマは高価なベンツなどしか無く、ぐんと割安なManual車の値段で済み、左ハンドル+Manual Tranmissionの過酷なドライブの負担は無くなったのだ。1時間ちょっと山間部をドライブしてドロミテの最初の滞在地、ガルディーナ渓谷の奥にあるセルヴァに到着。セッラ山群の岩壁を望む山間部のシンプルな町に来ると、ごちゃごちゃした都会のわずらわしさから解放され、別天地に来た感覚だ。ときおりにわか雨が降り天候が不安定なのが気がかりながら、慣れない国でここまで苦労が多かったがてやっとイタリア・ドロミテの山を歩くステージとなった。

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