シュトゥバイタール 洗練された山小屋を楽しむ
年月日 2019年8月20〜22日
天気 雨のち曇り(20日)、晴れまたは霧(21日)、晴れ午後にわか雨(22日)
タイム Solden(8:37)=Mutterbergalm[山麓駅](11:20/12:20)=Sulzenauhutte登山口[駐車場](12:40)…Grawaalm[滝](14:25/14:35) …登山口(14:50)=Ranalt[Gasthaus Falbesoner](15:40//7:50)=Mutterbergalm[山麓駅](8:00/8:10) 〜[Stubaier Gletscherbahn]〜Jochdohle[山頂駅](8:40/8:50)…Schaufelspitze(9:35/9:50)…Jochdohle(10:20) 〜[Stubaier Gletscherbahn]〜Mutterbergalm(10:50/11:00)=Falbeson登山口[駐車場](11:10/11:25) …Falbesoner Ochsenalm(14:00/14:15)…Neue Regensburger Hutte(16:00//7:00)…Vordere Platten Spitze分岐(9:10/9:20) …Kreutzspitze(10:55/11:43)…Neue Regensburger Hutte(14:10/14:30)…Falbesoner Ochsenalm(15:50/16:30) …登山口(17:50/18:20)=Fulpmes[Aparthotel Krosbacher](19:15)

 エッツタールを離れて隣のシュトゥバイタールに向かう。オーストリアでは高速道路用のチケットが必要で、それを買っていないので一般道をインスブルック市街を抜けていったので時間がかかった。雨模様の悪天候で山々は雲の中に隠れている。最奥のムッターベルグアルムからロープウェイで「やさしく登れる」の本の中でも最も易しい部類のシャウフェルスピッツェ[3332m]を半日で登ってしまう計画だった。しかしこの天候では登る価値は無いだろうと、ハイキングガイドに載っているスツェルナウヒュッテへの登り口に駐車して少し歩くことにした。この辺で道路に近い歩道を歩いている人が結構多い。トラバース気味に登っていき、分岐点から小屋へ登るのはやめてグラバアルム滝へ下る道で車道に戻った。迫力ある滝のそばでは飛沫が飛んでくるほどで、2時間ほどの足慣らしと滝見物ができた。ほど近いレナルトに建つ一軒家のアパート風の宿に泊まる。付近の案内板にはシュトゥバイのセブンサミットが示されていた。さすがにシャウフェルスピッツェは無くて、金原さんの本にあるヴィルダー・フライガー[3418m]や、やさしく...に載っているハビッヒト[3277m]が入っている。買い物は谷の中心の町ノイシュテフトまで行く必要があった。宿の食堂で食事の提供可、郷土料理のクネーデルスープとロールビーフをザワークラウト・ポテトと一緒に美味しく頂く。

シャウフェルスピッツェからムッターベルグ・ルダーホーフシュピッツェ・シュランコーゲルなどを望む
シュトゥバイの主峰ツッカーヒュトル、とんがり山のヴィルダー・プファフ、ヴィルダー・フライガーなど

 翌日は山小屋泊の2日行程で、クノーテンシュピッツェに登る計画。私としてはノイシュテフトからリフトで上がりパノラマルートを歩き、インスブルッカーヒュッテに泊まって登るハビッヒトの方に惹かれていたが、メンバーの実力を考慮してのことで皆さんに付き合うことにした。ロープウェイが3150mのヨッホドーレまで延長され、シャウフェルスピッツェはごく短時間で登れることが昨日判はったし、天候も回復したので、ちょっと忙しいが朝いちで山頂を征服してから本日の山小屋に上がることにした。せっかくここまで来てTop Of Tirolと称されるシュトゥバイの名所を訪れない手は無い。シャウフェルスピッツェ[3332m]の山頂へは踏み跡ができて特に困難は無かった。眼下の氷河スキー場と周辺に拡がるシュトゥバイアルペンの山々を一望できる。北側はムッターベルグからルダーホーフシュピッツェ[3476m]や登山道のあるシュランコーゲル[3497m]など。南側はシュトゥバイの主峰ツッカーヒュトル[3507m]、とんがり山のヴィルダー・プファフ[3456m]、ヴィルダー・フライガー[3418m]など。下山中に2人組が登ってきた他にこの山の登山者に会わなかった。
クロイツシュピッツェ山頂の展望、廻りの方が高い山ばかり
 レナルトから少し下ったロッジ付近の駐車場からスタート。エッツタールと違いこの谷はどこも駐車料は不要。針葉樹の中の林道をショートカットしながら登る。この辺はあまり日本の山と変わらない感じで本当は他に行きたい所があると思うのだが、ある意味では時間に追われるように駆け回るのではなく、時間をかけて麓から歩き通すという贅沢をしていると言える。濃霧が立ち込め何も見えない中を4時間歩いて、ノイエ・レーゲンスブルク・ヒュッテに到着。新築間もない木の香りが漂う4人部屋はまるでホテルのようだ。鶏肉と野菜のパスタの夕食もなかなか美味、今回泊まった山小屋の中で一番と言えるだろう。翌朝は朝から晴れ渡り、小屋のまわりは岩峰群に囲まれてなかなかの絶景の地だった。10以上の行先への時間を記した道標の一番上に、目的のエーストリヒュ・クノーテンシュピッツェ、別名クロイツシュピッツェまで2時間とある。途中フォルデレ・プラッテンシュピツェへの分岐があり、先行していたペースが速い若者はそちらを往復した後、再び我々を抜いていった。所々ワイヤーが設置された急登を登りきると円形の飾りがついた木の十字架が建つ双耳峰の南峰山頂3084mだ。すぐ隣に3101mの本峰が聳えているが登山道は無い。少し行ってみるがクライミング装備無しでは無理と判断して引き返した。他に4人組と単独の若者が来ていたが誰も登る人はいなかった。周りの山の方が皆高くてちょっと欲求不満の山頂だった。
すぐ隣の本峰に行ってみるが途中で引き返した
 下りはヒュッテを見下ろし、正面に谷の反対側のハビッヒトの雄姿を望みながら進む。台地に建つヒュッテの下側は、昨日は濃霧で見えなかったが、急な崖を滝が何本も流れ落ちて壮観だ。急に上空が雲に覆われ激しい雨模様となった。中間の小屋で雨宿りがてら付近の牧場で搾りたてのホットミルクを頂く。登山口に下りついたのは18時近くになった。明日の予定も考慮したうえで適当な宿をネットで探して、谷の下方のフルプメスに泊まることにした。標高が低いもののドロミテ風の岩塔が望め、付近にハイキングやヴィアフェラーテのコースが豊富。もう少し時間があれば何泊かしたかった所だ。街は広くてレストランも沢山ありどこが良いか迷うが、町はずれに下った所のイタリアンに入ると、サラダバイキングもあって値段もリーゾナブル、オーストリアのどこにもあって前回はいやという程食べたウインナーシュニッツェル(ビーフカツレツ)、その大きさがなつかしい。
ヒュッテを見下ろし、正面にハビッヒトを望みながら下る
台地に建つヒュッテの下は急な崖を滝が流れ落ちて壮観

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