5.成都市内の史跡観光と大混雑の峨眉山
年月日 2017年7月22~24日
天気 曇り時々晴れ、にわか雨
タイム 成都熊猫主題公寓(15:05)…錦里・武候祠(15:30/17:35)…衣冠届(18:10/18:16) =[Metro]=成都東駅(18:50/19:30)=[Metro]=人民公園(19:50)…成都熊猫主題公寓(21:00//5:30) =[Taxi]=成都東駅(5:50/7:05)=[城際鉄道]=峨眉山駅(8:18/8:30)=零公里(10:15/10:40) =雷洞坪(11:17)…接引殿(11:40/12:10)~[Ropeway]~山頂駅(12:15)…山頂(金頂)広場(12:30/12:55) …山頂駅(13:07/13:17)~[Ropeway]~接引殿(13:20/13:28)…雷洞坪(13:50/13:58) =峨眉山駅(16:48/18:23)=[城際鉄道]=成都南駅(19:30/19:45)=[Metro]=人民公園(19:50) …成都熊猫主題公寓(20:30//7:08)…天府広場(7:35/7:48)=[Metro]=文殊院(7:52/8:20) …寛窄巷子(9:00/9:40)…成都熊猫主題公寓(10:00)

成都を代表する史跡武候祠に隣接する錦里は大賑わい
 午後の残りの時間に成都市内観光に向かう。宿から比較的近くに見どころの史跡がいくつかあり、まず一番にあげられる武候祠を見にいく。途中でタクシーを拾えばよいかとその方向に歩いていくと、どのタクシーも客が乗っていてつかまらず、おまけに渋滞も激しい。歩いても20分ちょっとだった。すごい人出で、人ごみに流されるように歩いていくと錦里の路地だ。古い街並みを再現した飲食店・土産物が並んでいる。土曜日なので若者のカップルなどが一斉に繰り出して小吃(シャオチー、snack)の食べ歩きを楽しんでいる。大混雑に圧倒されていると、途中に武候祠の入口があり、60元を払って中に入ると、観光客は多いものの多少落ち着く。三国志の英雄を祀る博物館となっていて、内容は理解できないが人物像や古文書など展示がずらり。三義廟の中に入ると高貴な劉備像と左右の関羽、張飛の厳しい武者像が対照的なのが心に残る。中国式庭園や建物を鑑賞しながら一周し、大きな塚になっている劉備の墳墓の前へ。そして再び錦里の雑踏に戻る。タイムスリップした様な街並みが延々と続き、フードコート方式や音楽喫茶、2階の高級そうな料亭などがこれでもかとひしめいている。建物を除くと原宿の若者の雑踏のようで1人で落ち着いて食事ができる雰囲気ではなく、アイスでも食べ歩きしつつ錦里正面の門から外に出る。
 明日は近年開通した高速鉄道を利用して日帰りで峨眉山に行きたいので、残りの時間で成都東駅へ切符を買いに行くことにした。全て指定席でネットでは事前購入ができないのだ。宿でもらった地図を見て、武候祠横街を歩いて開通したばかりの地下鉄3号線の駅を目指す。高級そうな仏具を売る店ばかりがずらり並び、ショーウィンドウに見とれてしまう。地図の駅の位置が不正確で駅がみつけられず、大通りを歩いて隣の衣冠届駅まで15分歩いてしまった。春照路で乗り換えて成都東駅へ。巨大な駅で少々迷いながら行列のできた切符売り場を見つけた。係員は無愛想で中国語しか話さないが、筆談に後ろの人が英語で教えてくれたこともあり無事往復のチケットをゲットできた。距離160kmで片道60元、日本の新幹線と比べると破格の安さだ。列車の時刻が宿のパンフレットとは異なっていたので前日に買いに来て正解だった。地下鉄で人民公園に戻り、途中庶民的な餃子専門店に入った。やはり銘柄は「雪花」の水っぽいビールに、肉入りの水餃子10個を食し、これで25元はお得感あり。アパートの下のスーパーで飲食物をいろいろ買える。中国産赤ワイン(79元)も試しに購入してみたが、部屋で飲んでみるとあまり美味しくなかった。
霧の峨眉山山頂(金頂 3077m)に立つ四方十面普賢と華蔵寺
 地下鉄の始発は7時少し前でとても遅いので、朝一番の高速鉄道に乗るために早朝タクシーで成都東駅へ(33元)。さすがにこの時間は空いていてかなり早く着きすぎた。外から見る駅はコンクリートの巨大な牙城だ。荷物検査を通ると2階が列車を待つロビー。空港のような巨大空間で、20以上あるホームへの改札口がずらり並ぶ。時間があるので広い構内を見学、電光掲示板も空港のように改札や出発の状況が刻々と表示され、各地への長距離列車がほぼ正確に発車している。中国の鉄道がこれだけ近代化しているのに改めて驚く。発車15分前ぐらいに改札が始まり1階のホームに下りると流線型の和諧号(CRH)の車両が待っていた。座席は日本の新幹線と同じような感じで朝早いためか車内は空いていた。成都南駅に停車した後、社内の速度計がほぼ200km/hを示したまま、世界遺産の大仏で有名な楽山駅までノンストップ。そしてまもなく終点の峨眉山駅だ。
 下のフロアーに遊山バスの切符を売る窓口がある。地球の歩き方に書いてあるのと違っていて勝手が良くわからないが、窓口の人は中国語しか話さずえらく無愛想で、いわれるままに料金を払って待っていたマイクロバスに乗り込む。旅館・みやげ物屋が並ぶ山麓の町でバスターミナルがある報国寺は通過して、そのまま山頂方面へ向かうようなので手間が省けてよかった。しかしマイカーが多くて途中からひどい渋滞。そして零公里という所で一旦バスを降りて、風景区の入場ゲートを通ってから同じバスに乗るのだが、自分のミスでトラブって30分もロスしてしまった。バス券(90元)を見せて入場券を買おうとしたら係員がダメと言って中国語でごちゃごちゃ言う。ここまで来て引き返すわけにもいかず粘ると、奥へ行って電話をしたりしてだいぶ待たされ、文句を言いながら185元請求され、やっと入場券を買うことができた。さっきのバスは当然行ってしまったが、次に来た同じようなバスに乗り込む。後で同じ入場券を持っていたことに気づき、185元を2回払ってしまったようだ。さっきのゴタゴタは紛失による再発行の手続きをしていた為だろう。幾らでどの切符を買ったかきちんと確認しておかないといけない。ややこしくて言葉もわからないので多少の失敗はやむをえない面もあるが。
高層ビルが並ぶ成都中心地の天府広場にて
 ゲートの先はマイカーが入らないので渋滞は無く、バス終点の雷洞坪(2400m)から山頂をめざす。縁日のように店が並ぶ狭い参道を歩いて登るのだが、人ごみにはうんざりする。大きなお寺がある接引殿(2540m)から一気に500m登る大型ロープウェイ(往復120元)にも長い行列ができていて大分待たされた。高速鉄道が安いのと対照的に観光地の乗り物の料金はずいぶん高いが、この渋滞で帰りの列車に間に合うか心配なので下りのロープウェイの切符も買う。少し離れた所に速度が遅い別のゴンドラが新設されたようだが、どっちが早かったのかはわからない。山頂駅から15分ぐらいさらに登ると、大きな広場になっている山頂(金頂 3077m)。高さ48mある金ピカの四方十面普賢がどーんと建っていて驚く。参拝者が焼香をあげる華蔵寺、最高点に立つ普賢殿もみな金一色の建物である。雰囲気はちょっと興ざめではあるが、ここはたくさんの人々が目指して登ってくる聖地なのだ。上空は時々青空が覗くもののほぼ雲の中に入ってしまい、有名な雲海に浮かぶ万物頂(3099m)[立ち入り不可]の景観は見られなかった。時々霧の切れ目から山頂直下の絶壁を垣間見れたぐらい。
 登ってきたルートを引き返す。雷洞坪から万年寺に立ち寄るバスにも乗れるが、予想以上に時間がかかったので直接下山するバスに乗った。零公里を過ぎると帰りもひどい渋滞であった。しかし報国寺・万年寺など途中の立ち寄る所に寄らなかったため列車の時間には十分間に合った。混雑がひどかったのは日曜日だったせいもあろうが、日帰りでは混雑した観光地をあわただしく山頂まで往復しただけという印象で、仏教四大名山の荘厳な地にゆっくり浸ることができなかったのは残念だった。かつての参道を山頂まで歩いて登ると、中腹に点在する多くの歴史的な宗教施設を見ることができるのだが、それには山中2泊を要する。
寛窄巷子にも小吃(シャオチー)の屋台が立ち並ぶ
列車の待ち時間に、駅の食堂で快食という中華惣菜バイキング(25元)を頂く。料理の種類は少ないがまずまずの味でお腹を満たすことができた。帰りの列車も停車駅が少なく早いタイプで満席だった。前後の列車は成都まで3時間くらいかかるのもあって高速タイプの本数はそんなに多くない。峨眉山ではフルーツが沢山売られていたので、宿近くのスーパーで桃と洋ナシを買ってみたが、日本産の方がみずみずしさや甘さがずっと上だ。食べ物で期待できるのは中華料理だけだ。
 翌日は、午後のフライトで九塞溝~麗江の観光に出発するので、朝は成都中心部の街歩きに出かけた。知らない街をぶらぶら歩くのもちょっとした発見などあって楽しいものだ。人民公園の中に入ると体操や太極拳や散歩の人が沢山いて素顔の中国を見る。大通りに出た先が市の中心となる天府広場で、オフィスやホテルなどのビル群に囲まれて現代の中国都会の姿を見る。地下鉄で文殊院へ。入園料不要の良心的な境内は寺院の建物がずらり並び僧侶が行き交い、信仰の根深さを感じる。再び中心部へ戻るように歩き出すと、急ぎ足で勤め先へ向かう人々の列はいつもの都会の風景だ。意外と小さい陳麻婆豆腐店の前を通って寛窄巷子まで歩く。寛窄巷子は比較的新しい観光名所で、古い町並みが再現された3本の通りには、庶民的な小吃の屋台の他、モダンなバーや高級な門構えの料亭もあって夜の繁華街にもなっている。涼しげなちまきっぽい小吃を15元で買ってみたが、パイナップルともち米で口に合わない。人民公園まで歩いて10分ほど。宿に戻り、最終日に再びここに戻る計画なので、登山の荷物は預けて身軽になって空港へ向かう。

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