4.二峰 Erfeng(5276m)登頂は断念、湖を眺める海子溝を下山
年月日 2017年7月21~22日
天気 晴れ時々曇り、にわか雨
タイム 二峰Base Camp小屋(7:00)…眺めの良い草原まで(7:30/7:45)…二峰Base Camp小屋(8:10/8:40) …花海子(9:30/9:50)…大海子(10:10/11:22)…海子沟保戸站(12:58/13:13)…日隆(15:40) …戸肆山荘(15:55//750)…日隆=[Bus]=茶店子バスターミナル(12:50/13:28) =[Metro]=人民公園(13:42)…成都熊猫主題公寓Panda Apartment(14:05)

Base Campの少し上の草原から二峰を望む
 例年二峰は特に難しくなく、標高差が大峰より250m多くなる分のきつさが加わるだけ。今年は残雪が多く滑落事故も起きており、ピッケルアイゼンの準備も無いので、コンディションを見て山頂はあきらめるかもしれないと言われる。明日は2日続けてアタックの後、日隆まで戻るという強行軍の計画。体調を悪くしてその後の旅行に影響が出るのも避けたいし、海子溝の湖も見ないで往路を戻ることになる。大峰に登頂したし、思案の末明日は登頂はあきらめ途中適当な所まで往復してから湖を見に行きたいと提案、Alexはそれはいい考えだと言う表情でOKしてくれた。私はあの登りの苦しさから開放された安堵感と未練の気持ちが入り混じった複雑な心境。小屋は同様に粗末なもの、ガスに覆われ時々雨も落ちてくるので、やることも無くぼんやり過ごす。中国人の若い男性2人組がピッケルアイゼン持参やってきて二峰を狙うようだ。でも1人は高度障害で調子悪そうだった。他に登山者はなさそうで、残雪のためか訪れる人は少ないようだ。夕食は炒めた中国野菜、白菜、葱、筍、定番の肉野菜炒め、肉の燻製、スープと種類は豊富。昨日同様取り皿に取ってご飯と食べる中華方式だ。
 未明に2人組がアタックに出発したが、調子の悪い1人はすぐ断念して戻ったようで再び寝ている。早起き不要となるといつまでも寝ていて、出発は8時になった。30分登ると開けた小高い丘で、雪を抱く二峰山頂が眺められ、ここでのんびりして引き返した。ちょっと物足りなかったか。昨日より雲が少なく快晴である。もう1人の中国人は頂上に登れただろうか。帰りに1本だけ咲いているブルーポピーをみつけた(写真はピンボケで失敗!)。大姑娘山など他の報告では沢山見つかっているのに、今年は雪が多く花期が遅れているのだろうか。私のリクエストによる海子溝の湖へは馬を連れた王さんが先導してくれ、相変わらずの花園の中を谷の上流側へ向けて斜めに下っていく。一定時間ごとに馬が草を食べる間ストップしのんびりする。
二峰Base Campから放牧道を下っていくと海子溝の湖が見下ろせる
 道というよりは馬やヤクの通り道のような所を歩くと、谷間の上流側に川幅が広がり複数の池を持つ湿原の花海子が見えてきた。また下流側は最も広い湖である大海子が見える。花海子へ下りつくと、訪れる人もない静かな湿原であった。Alexが丸木橋を対岸に渡り上流側へ歩いていくのでついていくと、四姑娘山がばっちり見えた。真っ白に雪化粧して、末娘はどこから見ても凛々しい姿である。川沿いにトレッキングコースを下ると、大海子のほとりに石造りの民家があり、ここの住人も王さんの知り合い。売店に「相約雪山頂」と書かれた山岳ポスターが掲げられている。ミルクを飲みたいか聞かれ、是非と答える。近くに木の柵で囲った小さな牧場があり20頭ほど牛を飼っている。主はまず牧場で乳を搾り、家の中の薪ストーブの火を起こし、昼食用に大きなやかんや桶でお湯を沸かすのと一緒に、やかんに入れたミルクをわかし始めた。1時間待ってようやく絞りたてのミルクをご馳走になる。なんとものんびりした生活のペースが伺える。家の中には古い樽や食材・調味料が並んでいて、スイスのようなチーズ造りも行っているのは興味深い。
<  湖畔の湿原には名前不明の細長い青色の花がたくさん咲いていた(リンドウ科?)。この時間もトレッッキングの人は見当たらない。Alexは仕事のためか先に下り、湖を眺めながら長い海子溝のコースを王さんと前後しながら進む。川原に多数のテントがはられた場所が老牛園子(3600m)、ツアー登山のベースキャンプになる所だ。沢から離れて登り勾配になり、往路で分岐した小屋に着いた。ここで売っていたランチフードがおいしかったので期待したが、既に完売のようだった。
かなり大型のウスユキソウも多い
タンポポ葉の先端に球状にカラフルに咲くステレラカマエヤスメ(クサジンチョウゲ)

花海子からは四姑娘山を違った角度から見ることができた
下界に近づくにつれ人や馬の往来が増えてくる。尾根から日隆へ下降する地点では王さんと一緒に、往路の階段ではなくジグザグの馬道を下った。滑りやすくあまり良い道ではない。王さんの家の前で荷物を運んでくれた馬と別れ宿へ戻る。張り切って協力してくれた王さんにはぜひチップをと言われていたので、Alexに大体の相場を聞いて200元渡した。シャワーの後、隣の店でビールを仕入れたのは言うまでもない。
 翌朝Alexも一緒に成都へ帰る。8時のバスに乗るべくバスが通る街道へ。この付近にフルーツや飲み物やど品揃えが多い店や食堂が何軒かあったので、宿から10分かかるがここまで来ればよかった。店のおばさんは乾燥松茸が日本の1/3の値段だと薦めるが、中国産はちょっと疑問だし、量が多くてかさばるのでここでは買えない。日本人の男女が同じバスを待っていた。仕事の関係で中国にも詳しい人らしく、今回は個人的な観光でトレッキングは少しだけだったと言う。だいぶ遅れて来たバスは込んでいて、運転手が中国語でごちゃごちゃ言い、Alexが「満席だがら次のバスが来る」と教えてくれた。自分一人だったらこういう時も困りそうだ。次のバスに無事乗り込む。休息時に良く見るとバスの行き先は都江堰になっている。案の定高速を手前で降りて、都江堰の街中のバスターミナルへ向かい一部の乗客を降ろした後、なぜか車庫の機械で洗車をはじめた。その後乗ったまま成都へ向かってくれたので一安心。成都は晴れていて30℃を越す暑さ。茶店子バスターミナルでAlexにお礼を言って別れる。次はぜひ二峰に登りに来てと言われる。大きなバスターミナルにある麺類の店に入り牛肉面(15元)を一杯、例によって唐辛子が入ってかなり辛いが久々の麺類ということもあり旨かった。
 予約した宿に近い人民公園駅まで近年開通した地下鉄1本で行ける。初めてなので切符を買うのに少々手間取り、改札前で荷物検査があって液体物や電子機器を取り出すなど飛行機並みに面倒。でもホームには方向別に終点まで全部の駅名が書かれていて旅行者でも間違える心配無く、地下鉄は慣れれば速くて安く便利だ。予約したのは市の中心部に近くて1泊4000円強のアパート方式の宿。地図に示された辺りは高層ビルが建ち並び、どこから入るのか全くわからず、付近の警備員に予約書を見せて教えてもらう。普通の住人が住む高層アパートの18階の一室が受付で、宿泊用の部屋は別のフロアにばらばらに存在していてそちらに案内された。広いツインベットの部屋にキッチンや食器類も整っていて、快適に過ごせそう。くず餅のような甘味がサービスされ、若いスタッフが部屋の施設や成都の見所など15分もかけて丁寧に英語で説明してくれた。交通や観光案内の英語のパンフレットも置いてあって役に立った。

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