3.ナリチェボ渓谷から山奥の天然の秘湯を目指す
年月日 2019年7月11~14日
天気 前半は雨、後半は晴れ
タイム キャンプ Kopito "Hoof" mountain(//8:00)=コジレフスク(10:15/10:45)=ミリコボ[昼食/買い物](14:00/15:40) =入山口 Pinachevskiy ranger's hut(19:30//10:00)…Promezhutochnaiya campsite(14:10/15:15)…Semyonovskiy ranger's hut(17:20//7:55) …Pinachevskiy Pass(12:15/13:05)…ナリチェボ温泉の小屋群(17:05/17:45)…キャンプ(18:10/18:50)…温泉(19:20/20:05)…キャンプ(20:40)

ナリチェボ自然公園の入口にある簡素な門
 7日ぶりに下界へ向かい小さなコジレフスクの町に下りてきた。オーストリアの2人組も同乗しここでお別れする。この地を個人で山を巡るとはなかなかの”通”である。小さなお店で久々にフルーツにケーキなど平地の食べ物にありつく。相変わらず天候はぐずついていて、往路のような山々の眺めは無い。ミリコボの倉庫のような同じ食堂でランチ、連日の山ごはんから一時解放されスープ・肉料理・サラダなどが腹にしみる。5日分の食料を買い込み、ナリチェボ自然公園の入口にあるキャンプ場へ直行、久々のビールで乾杯はできたが、このタイミングでのシャワーを期待していたのは裏切られてしまった。
 翌朝簡素な門をくぐって第2弾をスタート、ここの案内板も大雑把なものでロシア語のみだ。冷たい雨の中、目指すキャンプ地まで16.5kmの道のり。比較的整備されて歩きやすい道が続く。沢の脇にクロユリが沢山咲いていた。中間のあずまやでは、下ってきた年配の男女6人パーティが焚火にあたっていてしばし談笑。標高は500mにも満たないのに、雨のせいで動いていないと焚火に当たっていても寒い。本日の目標である2軒の小屋が建つ湿原に到着、誰もおらず早速ストーブに火を入れ占拠して中に泊まれることになり有難い。晴れ間もでてきてテントや寝袋を干すこともできた。後から3人組が来て、もう1つのレンジャー小屋に入っていった。
沢の脇にクロユリが沢山咲いていた
眺めの良い湿原の小屋に泊まる

 次の日はやっと天候が回復し、周囲の山々が朝日を浴びて緑と雪渓のコントラストが美しい。緩やかな雪渓上を歩き標高1160mのPinachevskiy Passに登りつくと、反対側の眼下に広大な緑の台地が拡がり、その向こうにも伸びやかな裾野のジェンズール(2156m)や円錐形と双児峰が隣接した感じのジュパノフスキー(2917m)など火山の山並みが続く。涼しい風が吹き抜け虫もいないこの快適な峠で大休止。カムチャツカの自然のスケールを感じるにはやはりこうでなくちゃ。
Pinachevskiy Pass(1160m)から広大な緑の台地と火山の山並みを眺める
しかしこの先パラダイスは終わって再び暑くて虫がうっとうしい道となる。時折観光客を運ぶヘリが飛来する音が聞こえるが、今日の行程は20km以上と長く、行けども行けどもナリチェボ温泉の気配は無い。お花畑を楽しみながら頑張るとやっと前方にしゃれたログハウスが見えてきた。
 レンジャー小屋の付近には宿泊できる立派なログハウスがいくつか建っていてちょっと興ざめ。利用する人は見かけず観光客はすでにヘリで帰っていったようだ。高額なツアーで利用されるのだろうが、暴利をむさぼっているので一般の観光客からはソッポを向かれているのであろうか。キャンプ地までは1km強さらに歩かなければならない。キャンプ地のほうは子供連れなどで結構賑わっていた。でも彼らの様子からは歩いて来たとは思えず、ヘリで飛んできたんだろう。はるばる山奥の秘境まで来た割には、標高は380mしかない。ということは明日からまたかなり登っていかなければならない。テント設営後、早速水着を持って温泉へ向かう。コリャークスキー(3456m)を正面にどかんと望みながら再びログハウスの前へ戻り、沢の方へゆるく下って歩いて30分もかかり、テント泊はずいぶん冷遇されている。天然の広いプールも眺めが素晴らしく、湯加減も良い。はるばるここまで歩いて来たことで、同じ野天湯でも全然価値が違うと思うことにしよう。この時間になると誰もいないので、プールを占拠して泳いだりシャンプーで全身を洗ったり。立派な更衣室も併設されていたが、湯から上がると建物内まで蚊が襲ってくるのが難点。
円錐形と双児峰が隣接した感じのジュパノフスキー火山(2917m)
大自然の中の秘湯ナリチェボ温泉にて

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