1.フライトトラブルダブルパンチ! トリグラフ(2864m)登頂断念!
年月日 2018年7月14~16日,19日
天気 晴れ時々曇り、にわか雨
タイム 成田空港(//16:30)→TK53A→イスタンブールアタテュルク国際空港(22:50//6:50)→TK1061→リュブリャーナヨジェプチュニク空港 (8:12/10:00)=ブレッド湖[Blejsko Jezero](10:25/10:40)=アパート[Penzin Lu Kanc](10:45/12:05) …ブレッド城[Blejsko Grad](12:15/13:15)…Velica Zake(14:10/14:40)…展望台[Ojstrica]611m(14:58/15:10) …山頂[Velica Osojnika]756m(15:37/15:50)…展望台[Mara Osojnika](16:05/16:20)…湖畔(16:40)…アパート(17:45)
クラニュスカ・ゴラ[Kranjska Gora](9:23)=ブレッド湖(10:35/10:45)=ボヒニュ湖[Bohinjsko Jezero](11:24/13:30) ~(船)~ウカンツ[Ukanc]船着場(14:00)…フォーゲル・スキーセンター[Vogel Ski Center](14:10/14:30) =(ロープウェイ)=山頂駅1535m(14:35/15:30)=(ロープウェイ)=山麓駅(15:35/15:40)=ボヒニュ湖(15:50)

 ヨーロッパ各地への乗り継ぎ便が便利なターキッシュエアラインを始めて利用した。ANAと共同運航もしているからまともな航空会社だろうと思っていたのだが、見事に裏切られた。チェックインの長い列に並んでやっとイスタンブール行き機内に乗込んだもののなかなか出発しない。何の説明もないまま、門限の夜11時を過ぎたので飛びたてずこの便はキャンセルだといきなりアナウンス。飛行機から降りて荷物を受け取り、寝袋をあげるから到着ロビーの辺で床にごろ寝して待つように言われた。それ以外は何もしてくれない。昨年のチャイナエアの悪夢の再来だ。先に現地に向かったKさんとブレッド合流する予定だったが、メールで遅れることを連絡する。翌朝トルコ航空の職員はどっか行ってしまい誰もいない。ANAの職員に聞いてもいつ飛べるのか全く不明。何回も聞きに行って昼過ぎにようやく午後4時過ぎ出発との情報をもらう。目的地のリュブリャナに着くのは結局まる一日遅れになるという。
展望台[Mara Osojnika]からブレッド湖とカラヴァンケン[Karawanken]山脈
 深夜のイスタンブール空港でも乗継に何時間も待つことに。大規模な空港だが、混雑しているし移動は歩きのみでFree WiFiもないひどい所だ。フードコートの前で売っている例の硬いアイスを買ってWiFiを使えるようにしてもらった。Kさんから、予定通り山に入れるようブレッドのバス停からタクシーを手配したとのメールを確認。これで何とか一日分の遅れをリカバーできそうだと一安心したのだが、さらなる罠が待っていた。リュブリャナで入国もスムーズにいったのに、最後の最後で何と荷物が出てこない!職員は、後の便に載ってくるのでホテルに届ける、と涼しい顔。友達と待ち合わせて山小屋へ歩いて登るから荷物が無いと非常に困る、と怒ると、じゃあ友達に連絡するから電話番号を教えてくれとか、荷物は今夜山小屋に届けるとかわけのわからないことを言い、こいつらは全然信用できないので、紛失の手続きをして居場所は後で連絡するとした。Kさんに携帯がつながったので状況を説明、靴も衣類も無い状態で山に行くわけにはいかず、他のメンバーは私を待たずに出発となった。1日後から追いかけるという可能性もあるが、時差の影響で2日分を1日で歩くのはきついし、このゴタゴタで気力もわかない。下山後にボーヒン湖のホテルを一泊予約してあったので、そこだけ皆様とご一緒してトリグラフの話を伺うことにする。
 まずはブレッド湖でとりあえず一泊の宿を探す。バス停前の案内所に入ると、あっさり50Euroで近くのアパートを紹介してくれ、付近の地図やバスの乗継など親切に教えてくれた。紹介されたアパートのオーナーさんが迎えに来てくれた。徒歩5分ほど登ったブレッド城のそばで場所は良い。しかしペンションの半地下室で穴ぐらのような暗い部屋で、キッチンの設備があるものの居心地は悪い。夜寒い時の為に夏でも電気ストーブが使えるようだ。ブレッド湖は外国人にもかなり人気の場所ゆえまともな部屋は相場が高いのだ。オーナーさんは観光ガイドで、部屋にブレッド湖周辺の手作りの案内資料が置いてあり、午後はこれを参考にブレッド湖一周に出かけた。すぐそばにブレッド城へ裏側からの登り口があった。11Euroを払って内部を見学、中庭を取り囲む城壁と塔の建物内に中世の博物館、活版印刷所、ギャラリー、ワインセラーなど展示物が多く、一通り見て1時間ほど過ごした。断崖の上からの眺めは、トリグラフの山頂方面は雲に隠れていたが、湖周辺は青空も覗いて、周辺の緑と白い岩肌の丘陵地帯に溶け込む美しい色彩を楽しむ。湖正面の山は航空母艦のように大きな平坦部と切れ落ちた崖が目立ち、湖一周にプラスで立ち寄りお奨めスポットの展望台がある所のようで、あそこまで登ってみたい。
朝のブレッド城とトリグラフ山系
 観光客があえぎながら登ってくる急坂を湖めがけて下って、約6kmの湖畔を一周する散策道に出る。歩きのほか自転車で走り回ったり、中央のブレッド島に手漕ぎボートで渡る人、中には泳いで渡る人も。約半周するとVelica Zakeのちょっとしたビーチと街並みに出る。山歩きに備え、スーパーでパンと飲み物を仕入れるが、外国人向けのレストランに比べて値段がとても安くて生活費がかからないので助かる。湖畔で腹ごしらえして、道標に従って山道に入る。最初はOjstricaという611mの岩が露出した展望台、必ずカタログに出てくるブレッド島とブレッド城を絶好のアングルで望む場所、観光客も沢山登ってくる。次は歩道の途中で右に折れて756mの台地状の最高点Velica Osojnikaへ。こちらへ来る人はほとんどおらず道も心細くなる。樹林の中で展望は皆無、静かな山深さを味わう。メインコースに戻り樹林の中の尾根を進むとMara Osojnikaという展望台、同様に典型的なブレッド湖の景観、Stor(2236m)に代表されるカラヴァンケン山脈が背景にそびえる。若いカップルやグループなどが登って来ていた。ここからの下りは急な岩壁の長い梯子など結構険しい道で観光客向けでない。湖畔の車道に出て2時間の寄り道が終了、なかなか歩き甲斐があった。ホテル等が建ち並ぶブレッドの中心部をのんびり歩いて部屋に戻った。
 時差ボケに航空機トラブルの疲れでレストランへ行く気分でもなく、近くのスーパーで缶詰などアパートでの食料を買ってきた。500mL缶ビールが0.99Euroというのは嬉しい。幸いなことに夜、荷物が届いたので、明日はこの穴ぐらを出ることができる。夜11時を過ぎると日本では朝起きる頃合いで、いつものことだが全く寝れらなくなる。起きて洗濯でもしていたが、電気ストーブの威力で乾かすことができた。翌朝、寝不足ながら湖畔や街中を少し散策、朝日が当たる断崖上のブレッド城とトリグラフ山系の眺めが素晴らしい。バスを乗り継いでクラニュスカ・ゴラへ行って見ることにする。バスの時刻はかなり正確、また料金も日本に比べてかなり安い印象。

 <この間は、2.クラニュスカ・ゴラ周辺ハイキング トリグラフ国立公園北部の絶壁の山々 を参照>

 クラニュスカ・ゴラにて2泊滞在の後、Kさんのグループと会う為にボヒュニ湖へ向かう。時刻表では朝9時のブレッド行きのバスが有るのだが、遅れて来たうえに団体が乗ってきて結構込んでいた。直通ではなく途中で案内されてブレッドへ行く別のバスに乗り換えた。来た時と異なってヴィントガル渓谷方面を通っていったので景色が良かったが時間がかかった。ブレッドからボヒュニへ行くバスも乱れていてちょうど遅れて来たバスに乗り込んだ。Kさんの奥さんが予約してくれたホテルボヒュニはバス停のすぐ近くで、メンバーは到着していないようなので荷物を預けてどこか湖周辺の観光に出かけることに。ウカンツまでバスで行きロープウェイで展望台に上がろうと考えたがいくら待ってもバスが来ない。よくわからないが今日は渋滞か何かでバス時刻が大幅に狂っているようだ。バスは諦めて近くから出る船で行くことにしたが、だいぶ時間を無駄にしてしまった。往復割引の乗船券を買おうとしたら、帰りの船が混むので片道しか売れないが少し値引きすると言われ8Euroを払う。船だと時間はかかるがのんびり山々を眺めながら観光気分を味わえる。
Vogel Ski Center展望台よりトリグラフ山[Trigrav](2864m)を望む
 船着場からテントがひしめき合うキャンプ場を通って10分ほど登るとロープウェイ乗り場で、往復20Euroでチケットを買い列に並ぶと次の便に乗車できた。この日は絶好の天気で、山頂駅の展望台からは快晴の空にボヒニュ湖と雄大なユリアンアルプスの峰々の大展望が拡がっていた。登り損ねた最高峰トリグラフの姿もはっきりこの目に焼き付ける。小トリグラフからトリグラフ山頂へのリッジがはっきり分かり、傾斜はさほど急でもなさそうに見える。全体にこちら(南側)は北側から見るよりなだらかな峰々が続く印象だ。周辺はスキー場のリフトや遊歩道が巡らされ、1日あればフォーゲル山頂(1923m)まで往復でき、また各方面へ縦走できる登山道が続いている。山好きの人ならいくら日にちがあっても楽しめるのだろう。付近を1時間ほど散策して、この後できればサヴィツァの滝へも足を伸ばしたかったが、バスが不確定なので諦めて早めにホテルへ戻る。
 メンバーはまだ到着してなかったが、案内された2人部屋は広々した寝室とリビングと浴室に分かれたスィートルームで、ウェルカムドリンクにワインが用意されていてびっくり。これでも1人当り70Euro程度、1人旅ではなかなか無い贅沢な気分をたまには味わう。ホテル代高騰のブレッドとは雲泥の差だ。夕方3人が無事到着し、ワインで乾杯。名物の黄金の鱒となつかしいウイーンカツレツの夕食で、山談議にも花が咲いた。2日目以降は天候にも恵まれて高山の展望や花をとても楽しめ、小屋は混んではいたが全て寝室に寝場所を確保できたとのこと。登頂のヴィアフェラータも、そんなに難しいことはなかったようだ。行きたかったなあ~、無理しても追いかけるべきだったか。でもここへ来てブレッドやクラニュスカ・ゴラを素通りするのも心残りだしどっちもどっちか。朝食バイキングも種類が豊富、より取り見取りで今回のベストであった。3人は明日休養した後、山小屋3泊のゆったりハイキングを続け、2300mのピークを越えて反対のソチャ谷側へ縦走するとのこと。山をゆっくり堪能する贅沢な計画だ。でも私は日本人らしく、時間が許す限り少しでも多くの場所を訪れようというあわただしい旅を続けることにする。

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