Sequoia & Kings Canyon[セコイア&キングスキャニオン] Cedar Grove[シーダーグローブ] Paradise Valley[パラダイスバレー]
年月日 2012年8月16日
天気 晴れのち一時雷雨
タイム Reedley Edgewater Inn(6:30)=Grant Grove Village(8:08/8:25)=General Grant Tree[グラント将軍の木](8:30/8:45) =Cedar Grove(9:30)=Sentinel Campground(9:50/10:20)=Trailhead(10:30/10:40)…Bailey Bridge(11:20) …Mist Falls(12:20/12:38)…Lower Paradise(13:50)…Mid Paradise(14:23/15:00)…Lower Paradise(15:23) …Mist Falls(16:16)…Trailhead(18:00/18:13)=Centinel Campground(18:25)

落差は小さいが水量の多いMist Falls
 目的地への州道180から少しはずれてReedleyの町に来てしまったので、それらしき方向へと正しい道へ戻ろうとしたが、田舎道は標識が無く右折左折を繰り返したので迷ってしまい、いつの間にか元の町近くに戻ってきてリングワンデリング状態になった。通りかかったおじさんに道を聞くと、何とか通じたが彼は英語が良く話せないらしく、別の人に判らない言葉を話してその人が説明してくれた。この辺は英語も話せない中米辺り?からの移民が多いようだ。そんな場所でも人々はのんびり暮らしていて治安面では全然不安が無い感じだった。しかるべき方向への広い道をとらえ、丘陵地帯になって蛇行する道を延々と登っていくとやっと正しい道に出た。広いアメリカは地図上わずかなズレでも相当な距離になるのだ。
 Yosemiteとは別の公園に入るのでゲートにて再度$20の入園料を払い、地図と新聞をもらう。General Grant Tree[グラント将軍の木]の周辺はLodge, Restaurant, Shopがあり、ここでもスタッフはみな征服姿の公務員である。歴代大統領などの名前が付けられた巨樹を巡って一周15分ほどの遊歩道を歩いてみた。今日は北部のKings Canyon[キングスキャニオン]を訪れてCedar Groveから遥か山の上のJohn Muir Trailまで接続するTrailの一部をハイキングをするつもり。道路は東へ向けてスケールの大きい峡谷を目指して下っていき、その奥にHigh Sierraの雄大な山並みが眺められた。しかし終点までずいぶん距離があり1時間近く走ってようやくCedar Groveという渓谷の最奥部にやってきた。付近には4つのCampgroundがあって場所はあり余っている。全てSelf Registration方式で誰もいない不気味な所もあり、そういう所は避けて、Visitor Centerに隣接して人が多く入っているSentinel Campground[センチネルキャンプ場]のTent Siteを確保した。水道はあるが食料等調達できる店はほとんど無い。近くのLodgeも橋の工事で休業中である。何かと移動に時間がかかってしまいTrailheadから歩き始めたのは10時半をまわってしまい、あちこち巡ってみる時間が減ってしまった。
スラブ状の岩壁が美しいThe Sphinx(2788m)
 とにかくハイキングガイドに紹介されているParadise Valley[パラダイスバレー]を目指す。Trailhead(1535m)の駐車場の先にはPermit Stationという小屋がぽつんと建っているだけ。1泊以上で入山するにはここでPermitをもらわないといけない。中に居たおじさんは私がDay Hikingだというと"That's Good"と一言のみで、下山してきた別の登山者と話し込んでいた。広大なHigh Sierra山域への入口の1つにしては、実に何もない自然のままの場所である。地図ガイド類は事前にWebや書店で入手してくるのが前提だから、案内板を立てたり配布物を置いたりは無用ということなのだ。Kings Riverに沿って幅広で平坦な谷底の道が続いている。両岸にはThe Grand Sentinel(2592m)など岩壁を露出させた山がそびえ立ち、樹木の種類は違うが言ってみれば上高地から横尾に向かうような雰囲気である。Bailey Bridgeという橋の手前で左に道が分岐し、Mist Fallsを経てLower Paradise Valleyへ4.5mile[7.2km]とある。初めて標識らしいものを見た、やはりこういうのがあると安心する。Paradise=天国とはどんな所なのか興味津々だ。ちなみに右はJunction Meadowへ8.6mile、Junction Meadowとは草原の分岐点とでも言うべき何とも味気ない名前だ。同様の場所が多数あるみたいで紛らわしいし、この国の山の地名に関しては概して合理主義で凝ったものが感じられないのも文化の違いかと思う。
 谷沿いの道は少し傾斜が増してきて、時々樹林が切れると日が照りつけて暑い。でもそういう所では両岸や谷の後方にそびえる山の岩肌を露わにした景観がとても美しい。日帰りの若い男女、バックパッカー、ホーストレックのグループを見かけるが、Yosemiteの賑わいに比べると圧倒的に人が少なく静かな山歩きを楽しめる。分岐から1時間でMist Falls(1726m)、段差は小さいが花崗岩のナメを複数にわかれて幅広に落ちている。河原を伝って近くまで行くとその名の通り飛沫が漂っている。滝のすぐ上側も傾斜のある広いナメを大量の水が流れてなかなかの迫力だ。此の先はジグザグの登りもあってしんどい道になる。先行バックパッカーグループに追い付くが、大学生ぐらいの男子が1人、重荷と暑さのせでバテて彼らのペースはとても遅い。後方のThe Sphinx(2788m)がせりあがって見えてきて山頂部から裾まで一条に伸びているスラブ状の岩壁が美しい。
Mid Paradiseからカール状の岩壁を持つ峰々を見上げる
 1時間以上かかって平坦地に出てやっとLower Paradise(2007m)のキャンプ指定地に着いた。キャンプしている人は誰もおらずParadiseという名前からはちょっと期待はずれのただの森の中、ほぼ自然のまま何もない所だ。急な登りから解放されて広い平坦な地形になるというのが名前の所以か。Trailをはずれて河原沿いへ踏み跡に出ると眺めは良いのだが踏み跡はとだえてしまう。さらにMid Paradiseへ30分ほど足を進めて見る。やはり誰も泊まっていない。Backpackerはだいたい上方のUpper Paradiseかもっと上まで1日で進むようだ。右下の河原に出ると周辺の岩山が眺められ、カール状の岩壁を持つ峰々に囲まれている。梓川から穂高を見上げているような感覚か。先の景観はどんなだろうと興味はわくが、時間的にこの辺が潮時とゆっくり景観に浸りながら大休止とした。時折雷鳴が聞こえ雨粒も落ちてきたので、重い腰を上げて来た道を戻ることにする。先ほど抜いたグループのバテていた子も雨で涼しくなるとだいぶ元気になって登ってきたので一安心。時間があればBailey Bridgeの分岐点からもう一方のBubbs Creekに沿った道へも足を踏み入れられたらと思っていたがその時間は無い。私が引き返したParadise Valleyから上部へWoods Creek Trailを登り切って上部High SierraのJohn Muir Trailに出て、Glen Pass(3651m)を超えKearsarg LakesからBubbs Creekに沿った道を下ると、2泊ぐらいで一周して戻って来れそうで手頃な良いBackpackのコースだ。夕方雨上がりのTrailでは標高が下がったこともあってか、蚊など虫の集中攻撃に遭いタオルで必死に防御しながらTrailheadへ戻った。不思議なことにSentinel Campgroundに戻るとあれほどいた虫がほとんど消えてしまい、何らかの駆除を行っていると思われる。

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