Yosemite[ヨセミテ] 北部Tuolumne Meadow[トゥオルミミドウ] Cathedral Lake[カテドラルレイク、Cathedral Path[カテドラルパス]付近ピーク(3050m)
年月日 2012年8月13日
天気 晴れのち雷雨
タイム Yosemite Lake Campground(7:00)=Tuolumne Meadow Campground(8:30/9:30)=Visitor Center=Trailhead(9:55/10:05) …Lower Lake(12:10/12:20)…Upper lake(13:05/13:20)…Cathedral Path…Cathedral Path付近ピーク(14:00/14:10) …Lower Lake分岐(15:16)…Trailhead(16:45)=Tuolumne Meadow Campground

Lower Lake湖畔にて、周辺に丘状のDome型ピークがある
 Yosemite Valleyから離れてNational Park内の北部、Taioga Road[タイオガロード]方面に向かうことにした。Campgroundの混雑は離れた方が改善されそうだし、Harf Domeの14日のPermitionまで別の場所を楽しみつつウオームアップするには良さそうだ。Taioga Roadは標高が高いスカイラインで眺めが良い。2車線完全舗装ではあるがカーブが多くUSAにしては道幅が狭いので運転には注意。沿道にはいくつかCampgroundがありFULLの表示が目立つ。Tuolumne Meadow[トゥオルミミドウ]には大きなCampgroundがあり、一帯は草原状の平坦地で周辺の眺めが良く拠点となる町、Visitor CenterやSupermarketもある。標高2600mもあるので朝はかなり涼しい。Campgroundの入口で8時から当日の受付が始まっていて10人くらいが列を作っていた。他のCampgroundの空き状況も掲示があり、予約制のYosemite Valley内とCrane Flatを除くと、先着順サイトはCamp4も含めてまだ空きがあり、週末が終わると状況は改善されるようだ。私も並んで無事ここのCampsiteをゲットすることができた。料金は1泊$20でPark外の民間施設に比べるとだいぶ安い。テントサイトが300以上あり敷地はとても広い。一番奥の方の場所だったので、車で入るのにも悪路をノロノロ運転で10分ぐらいかかった。森を切り開いたテントサイトの周辺は樹林で囲まれ、プライベートなスペースに落ち着くことができる。別荘代わりに家族で長期滞在する人も多いようだ。クマ対策で各サイトに設置されている鉄製の頑丈なフードボックスに食料をデポしてから本日のハイキングへ出発。
 Visitor Centerに寄ってみると地図などが売られているが展示はこれといったものは無い。Trailhead付近は道路の路肩に沢山の駐車があった。道幅が広く場所には困らない。今日もCampsiteの確保から始まったので遅い10時スタートとなり、Cathedral Lake[カテドラルレイク]の先まで足を延ばすと結構長いコースになるのであまりのんびりはできない。ここはYosemiteを起点とする有名なJohn Muir Trail[ジョンミューアトレイル]でもある。John MuirはYosemiteをこよなく愛し、この地を舞台に自然保護運動を世界に先駆けて発祥させた人物として有名。出だしから登りが続き、暑さもあってペースは上がらない。若者のグループと前後しながら歩く。リーダー風の男性が話しかけてきて、私は初めてだと言うとあれがFairview Dome[フェアビュードーム](2964m)でこっちはCathedral Peak(3299m)などと教えてくれた。
Upper lakeとCathedral Peakの峻峰
 左手にロッククライミングのゲレンデになりそうな岩場のピークが見えてくる。ガイドブックの地図を見ると、Cathedral Peakから張り出す尾根の末端部になるようだ。しばし樹林帯の登りが続いて退屈であるが、有名なTrailだけに朝早く出た日帰りハイカーや泊まりのバックパッカー、馬に乗ったHorse Trekking隊など行き交う人々は多い。Lower Lake 0.5mileの標識がある分岐点から、Lower Cathedral Lake[下のカテドラルレイク]を往復。周囲が開けた荒れ地に出て岩がゴロゴロした歩きにくい道を行くと、多少人手が加わったような土手の盛り上がりを超えて湖畔に到着。白い花崗岩の岩肌を露出した眼前の山々とまばらな針葉樹に囲まれ青空を映す湖面、という光景はカナディアンロッキーのハイキングを思い出す。こんな心なごむ風景に接すれば登ってきた苦労も報われるものだ。標高3000m近いというのに湖で泳いでいる人もいた。分岐に戻って先へ進む。開けた草原状の道を進み、振り返るとCathedral Peakの鋭く尖った姿が目を引く。角度によって形が少しずつ変わって見えるが、教会の塔を連想させるその姿から名づけられたのだろう。登山道は無いのでロッククライミングスタイルでないと登頂できない。John Muirによって初登されたというこの山は、最近日本のTV放送で山岳ガイド同行でザイル確保しての登頂シーンと、そのガイドが山頂で結婚式を上げたというエピソードも紹介された所だ。Trailは湿原の保全のためUpper Lake[上のカテドラルレイク]を迂回して付けられているが、他のハイカーもそうしているので適当に踏跡をたどってUpper Lakeの湖畔まで行ってみる。この付近もCathedral Peakの姿が凛々しく、先にはEcho Peaks(3404m)、後方のMedlicott Dome(3000m)などの岩山も美しい。周辺の草原は紫色ががって花の季節は草もみじに近づいている感じであるが、点々と黄・青・紫色の花も見ることができる。
 上空は雲が多くなって天候はやや悪化傾向か。でも山々の展望は良好なのでもう少しTrailを先に進むことにする。ゆるい登りでCathedral Path(2940m)を超えると右下には小さな池が点在する広い湿原が広がり、後方にEcho Peaks(3404m)という岩峰の連なりが見える。所々お花畑も見られてなかなか良いところだ。TrailはTresidder Peak(3230m)の裾をからむようにゆるく高度を上げていく。平坦になった所、John Muir Trailのこの区間(Yosemite〜Tuolumne Meadow)標高最高点まで来た。左手に岩のドーム状の小ピークがあり、ちょっとした岩場を伝ってこのピーク(3050m)まで10分ぐらい足を延ばして登ってみた。360度の展望で、遠くにはこれまで見えなかったHigh Sierra[シェラネバダ山地]の山々も見え、4000m級の山も含まれるのでまだ雪が残っている。山頂に着いたとたん雷が鳴り出し、あわてて写真を撮った。ガスで展望が悪くなる前に何とか間に合って、ここまで結構ペースを上げて頑張ったかいがあった。
Cathedral Path付近3050mピークからの展望(雷雨になる直前)
 早々に下山にかかる。Trailに出たところで雨足が強くなってきたので雨具・ザックカバーを装着。登りで見た岩峰もガスがかかって一部は見えなくなっている。ただ日本のように完全にガスで見えなくなってしまうことはなく、やはりここは大陸で湿度はそんなに高くないんだと思う。反対から10数名のHorse Trekking隊とすれ違った。皆雷雨など全然気にしない様子で、満面の笑みを浮かべて挨拶してくる。私の格好を見て「完璧な雨対策だね」と言われるが、ほとんどの人は雨具など何もつけず濡れるにまかせている。同じ道を戻るのは雨の中ということもありとても長い道のりに感じる。テント装備を持ったJohn Muir Trail Walkerの若者達と相前後しながら下る。雨は弱まったり激しくなったりで止む気配は無く、皆Tシャツ1枚でずぶぬれで寒そ〜う。日本から来たという青年が居て話を伺う。昨日Yosemite Valleyを出発して途中1泊し今日で2日目、途中で知り合った米国人と一緒に行動してるという。此の先どこまで何日間歩くのかははっきり決めて無い様子。荷物は極力軽量化しているというが、Trail Runnerというほど早くはなく、標準的なBackpackerペースだろう。Tuolumne MeadowにBackpackers用に確保されたエリアもあるようで、ペースを上げて下っていった。車に戻っても雨は止まず、途中スーパーでアルコール類や行動食などを仕入れ、Campsiteに戻りテント内で一杯やってひと寝入り。7時を回った頃ようやく雨が上がって夕日が射し始め、外のテーブルで夕食の支度を開始した。

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