Champedieからローゼンガルテンの山々を展望、ドロミテにお別れ ヴェローナ観光〜帰国
年月日 2013年7月15〜16日
天気 晴れ
タイム Dolasilla Park Hotel=ロープウェイ駅(8:15)=[ロープウェイ]=Champedie(8:22/8:30)…冬季リフト終点の丘(9:10) …Champedie(9:38/9:44)=[ロープウェイ]=Vich(9:50/9:54)=ニグレPass分岐(10:10/10:15)=ボルツァーノ =Auto City AVISレンタカー(11:17/11:32)=[市内バス]=ボルツァーノ駅(11:55/12:31) =[列車]=ヴェローナ駅(14:15/14:40)=[市内バス]=アレーナ広場(14:50)…B&B 3 Jolie(15:30/16:30) …市内見物…アレーナ広場 内部見学・食事(17:50/19:35)…B&B 3 Jolie(20:30//4:47)…ヴェローナ駅(5:00/5:25) =[バス]=ヴェローナ空港(5:40/6:45)→AZ1490→ローマ(7:40/11:50)→AZ782→成田空港(7:00)

最後にローゼンガルテンの山々を眺めてドロミテに別れを告げる
 ホテルの窓からRoda de Vael(2803m)辺りだろうか、ドロミテの岩山が赤く染まる快晴のさわやかな朝を迎える。ローゼンガルテンとは、特に山脈の反対側から岩山の連なりが夕日に赤く染まる姿にちなんだ名前であり、この場所は山に近すぎて部分的に岩峰が聳える感じで山脈が連なる感じには見えない。近代的な設備のCatinattio Funivieというロープウェイの8:15始発便でChampedie(1998m)に上がる。朝早い時間はまだ空いている。カティナッチョというのはローゼンガルテンの主峰ピーク(2965m)の名前であるが、この山域全体の呼び名としてもつかわれるようだ。Champedieは牧場の草原が広がり、山小屋がいくつか点在。ここまで上がって泊まれば、眺めが良くて早朝からハイキングも楽しめたのだが、昨日夕方到着ではそこまでのアレンジはできなかった。目の前にラールセクのGran Cront(2785m)などが険しくそそり立っている。谷の奥にはカティナッチョ主峰やTorri del Violet(2812m)の岩塔などが聳える。今は動いていないスキーリフトが冬の賑わいを想像させる。ここから眺めると岩壁やルンゼの部分などに雪が全く見られない。稜線の日蔭部分にはまだ雪も残っていることだろう、でもこの一週間でだいぶ溶けたんだと思う。2時間程で岩山の真っただ中にあるヴァイオレット小屋(2243m)まで良いハイキングコースであり、さらにローゼンガルテンのリフト駅までヴィアフェラータを交えた縦走ルートもある。でも昼までにはレンタカーを返却したく、今日は付近を1時間ほど散策して山々を眺めるだけにする。
 ハイカーが続々やってくるのを尻目に下りのロープウェイに乗る。下りの乗客は私1人だけ、上ってくる方は満員である。最後のドライブでコスタルンガ峠(1745m)を超え、リフトが架かっているローゼンガルテン山脈の西側やカレッツァ湖(1534m)からのラテマール山脈の眺めで、名残惜しいドロミテの山々とはお別れとなった。昼前にはヴォルツァーノのAutocityに戻ってきた。
アレーナ広場にはピッツェリアのテーブルがずらりと並ぶ
12時をまわると14時まで長い昼休みとなってしまい、その前に返却できたので時間に余裕が出来た。バス停に行くとちょうど6番のバスが来て、運転手にBahnhofに行くか確認してすかさず乗り込んだ。来る時とは違う経路で景色が違うので行き過ぎてないか不安になるが、バス路線の終点が駅だったので問題無かった。接続良くボローニャ行き普通列車に乗ってヴェローナ・ポルタノォーヴァ駅へ。ネット予約したホテルの場所は控えの地図が非常におおざっぱなので良く判らず、とりあえず市の中心となるアレーナ(円形闘技場)までバスで行く。結構混んでいて、料金はカードをタッチする必要があるが運転手は何もチェックしないのでここでもタダ乗りである。旅行者はだいたい観光施設の入場料など込みのパス券を持っている場合が多いということだ。直ぐにそれとわかるアレーナの石造りアーチの前はロータリーと公園の広いブラ広場で市庁舎などの建物が周囲を取り囲んでいる。雑踏の中、重荷を背負っているし暑いし、早くホテルに着いて荷物を預けたい。
 しかしホテルに落ち着くまでにも苦労することになってしまう。バス停からほど近くにInformationを見つけてB&B 3 Jolie の場所を尋ねると、聞いたこと無いが予約控えを見て裏の通り周辺ではないかという。くまなく探しても全然見つからないので、Informationに文句を言ってもっと詳しい地図に予約確認書に記載された住所を地図に示してもらった。10分ほど歩いて地図にある道の付近を探すもやはり見つからないし、近くの商店に居た人に聞いてもわからない。暑いさなか荷物を担いでうろうろさせられうんざりする。もう一度探しながら通りを往復していたら、近くに居た人に声をかけられたが、実はその人も同じB&Bを予約していて場所はここだと教えてくれた。周りの建物と同じような古いアパートの表札に小さく探していた名前が書いてある。彼は誰も居ないので電話をしたら、管理人は別の場所に居て今こちらに向かっているので到着を待っているという。てっきり看板でもあって誰かは居るのかと思っていた。予約した後で到着予定時刻の問いあわせがあったので自分は16時着と回答していた。その約束時間の少し前になってやっと管理人が到着したが、何と子供を連れた若奥さんでここまでバスで来るので時間がかかるとか。さきほど場所を教えてくれたのはUSAから夫婦の旅行者で、彼らのおかげで場所がわかり助かった。一緒に建物入口の鍵、エレベーター、部屋、セルフのキッチンなどについて説明を受けて支払いを済ませる。建物の1フロアに3部屋あってキッチンは共同、3 Jolieという名はそういう意味だったのだ。
野外オペラ「アイーダ」の準備真っただ中のアレーナ内部を見学
1泊45Euroで都市部としては格安であったが、融通が聞かなくて面倒でだいぶ時間も無駄にしてしまった。早めに来たので、まだこれから観光に出る余裕ができたのは正解であった。街の中心に近いのに格安ということは何かあると考えた方が良く、こういうこともあると判ったのは費用を節約するために今後の役にたった。ここの良い所はキッチンが自由に使える点で、明朝は早朝便の為、かなり早立ちにも関わらず朝食を自分で準備できる。
 腹ごしらえをしてからやっと街の観光に出かける。ローマ時代を感じさせる城壁にダブルアーチの穴を開けたブラ門をくぐって再びブラ広場へ。いくつかのピッツェリア・レストランの屋外テーブル席が円弧状にズラリと並び、この時間は空いているし市民も手軽に利用している感じで手頃な感じ。後ほど戻ってきてここで夕食がよさそう、ヴェネチアのサンマルコ広場とはだいぶ違う。目玉となるジュリエッタの家を目指して歩行者天国のマッツィーニ通りに出ると観光客の往来で大賑わい。ジュリエッタの家は思ったより狭くてバルコニー前の広場は観光客で埋まっていた。シェイクスピア小説の舞台とされる2階テラスやジュリエッタの銅像前で胸をさわるポーズを写してもらっている人を見る。大勢の注目を浴びてしまうので恥ずかしくて私はとてもできない。ローマ時代から続くというエルベ広場では、お土産やフルーツなどを売る露店が立ち並び、大道芸人がユニークなジェスチャーを披露して注目を集めていた。エルベ広場にあるランベルティの塔、街歩きでも高い所に登りたがる習性がある私だが、今日は遅くなったので登るのはやめておく。北側の路地に入ると、人も少なくなり教会や劇場の古い建物が並ぶ古都のたたずまいをゆっくり散策して味わうことができる。広い川岸に出るとこれまでの狭い路地から広い空間に出て、遠くまで街の建物の眺めが広がり雰囲気が一変する。ヴェローナはアディジェ川が大きく蛇行した丘陵地帯に造られた街で、この河の眺めも見どころの一つ。それぞれ特徴のある橋が何本かかかっている。中でもスカリジェロ橋が赤レンガの城壁が美しい一番の景観だ。隣接する14世紀に要塞として建てられ今は市立美術館になっているカステルヴェッキオが古城の雰囲気満点。ブラ広場へ戻りアレーナの内部は見る価値があると思い料金を払って内部を見学。野球場と同じ位の広さで歴史を感じさせる石造りアーチの回廊から観客席へ。来月の野外オペラの為にステージの準備が進められていた。
アディジェ川にかかる夕暮れのスカリジェロ橋を眺める
 広場のカフェテリアでパスタ料理とワインの夕食として、食後は夕方の街を散歩しながら駅まで歩く。これで明日の早朝、空港行きバスの時間と駅へ歩いていく道を確かめることもできた。駅から市内バスで3つ目ぐらいで下りると宿へは直ぐである。しばらくするともうひと部屋に若者のグループがUSAの夫婦と一緒に入ってきてがやがやと賑やかになった。彼らも夜到着して苦労したことと思われ、ちょうど来た同宿者に助けられたというわけだ。早朝、冷蔵庫に入っている朝食用の食材をしっかりいただき、5時前に駅へ歩いていく。浮浪者風の人もいてちょっと物騒だ。バスは10分遅れてやってきた。地方都市にしては立派な施設の空港で順調にチェックインを済ませ、ローマ経由の帰りのアリタリア航空便は往きの様な遅れも無くイタリアの山旅の終焉となった。この旅行ではイタリア北部の山岳地帯の魅力にだいぶハマってしまった。イタリアの街中ではいろいろトラブルに見舞われたものの、これに懲りずにまたオーストリアやイタリア中南部も含めて再訪の機会を期待したい。

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