ヨーロッパアルプス登頂レポート
ピッツベルニナ (4049m)

年月日 2001年7月29日(日)〜30日(月)
メンバ Kさん,私
装備 プラスチック登山靴,アイゼン,ザイル,ハーネス
同行者
報告
http://www.asahi-net.or.jp/~MV2S-KTHR/index.htm 「三百名山めざして」
天気 晴れ時々霧/にわか雨(29日),晴れ(30日)
タイム ディアヴォレッツア小屋(Diavolezza)[4:46]…氷河に下りつく[5:13/5:45]…岩場の上[9:22]
…マルコエローザ小屋(Rifugio Marco e Rosa)[12:09//5:58]…頂上(Piz Bernina)[8:02/8:42]
…岩場上[11:40]…氷河終[14:16/14:28]…ディアヴォレッツア[15:08/16:04]=ベルニナ鉄道
=サンモリッツ(St. Moritz)=クール(Chur)

 私が以前サンモリッツを訪れた時は、雪山登山は敬遠してハイキングのみだった。この地域の山は日本ではあまり有名でないが隠れた名山が多く、是非この山域を再訪して最高峰のピッツベルニナに登頂したいという考えにKさんも同調してくれた。前日は気分を変えてポントレジナでハイキングを楽しんでから、ロープウェーでディアヴォレッツアまで上がった。半分観光ホテルのような宿泊施設があり、ベットのある個室で一泊。シャワーは無いが、夕方の山岳展望と早朝から歩きだせるのが魅力。土曜とあって大勢の登山者が泊まっていた。
 翌日はマルコエローザ小屋まで直接のルートを行く。早朝出発したほとんどの登山者はピッツパリュの方を目指していた。パリュを越えて稜線を縦走していくこともできるみたいだが、無理は禁物だ。ペール氷河に下りると先行者は誰もいないのでしばしルート確認する。
ピッツベルニナ(左)とピッツモルテラッチ(右) ペール氷河にて
氷河上にそれらしきトレースを見つけてたどる。後方からハイペースで若者4人組が追いついてきた。装備からして彼らはパリュの岩登りのようだ。その後30人くらいのガイド連れ大パーティーが来た。日帰りで前方のベラビスタのピークへ登るそうだ。我々はゆっくりなので団体に先に行ってもらう。
 フォルテッツア稜に出ると先は岩場になっている。先の団体さんが順番待ちのため、しばし休憩。この岩場(2級ということ)にはヨーロッパには珍しくペンキのルート指示がある。アイゼンをはずして登ったが、高度感があって緊張するところだ。確保用の支点が豊富に設けられている。40分程かけて岩場を通過すると、ベラビスタテラスの雪原に出る。稜線へ向うトレースと分れてほぼ平らにトラバース。この辺で小屋から下山してくる多数の登山者に会う。我々の来たルートの他、稜線上を歩いているパーティーもいる。
 時折ガスにつつまれ天候は少し不安定。クレスタギュッツアの鞍部へ向け下りになると、クレバス帯になり再びアイゼンを付ける。上部に雪塊が覆い被さるように聳え、雪崩にも警戒して行く。ガスの合間から前方にクレスタギュッツアの鋭く尖ったピークが浮び上がった。鞍部でモルテラッチ氷河をひたすら登ってくるトレースを合わせると、まもなく小屋に到着。
 イタリアの小屋なので、これまでのスイスの小屋に比べ開放的な雰囲気。ラジオがんがん鳴らし、ヌード写真があったり管理人の口は悪いけど、親しみやすい感じだ。狭い小屋前でたたずんでいると、ビアンコ稜を登ってきたイタリア?男女の岳人たちが、管理人とベラベラしゃべってそのまま下山していった。その体力にはあっぱれ。日本に比べて山に来る年齢層はだいぶ若い。
ピッツベルニナへのトラバースルート 左側がスパラ稜とスパラピーク
 夕食のメインディッシュは2種類、デザートは3種類から選べて、さすが飽食の国だ。デザートで選んだタルトはボリュームもありこんな山の上で感激。昨日ディアヴォレッツアでも話しをしたドイツの単独行氏が前の席になる。パリュを越え稜線通しで来たので結構遅く着いたそうだ。ドイツ人氏は一人でワインボトル2本も空けてまるでアル中だ。我々は両替し忘れて手持ちのスイスフランが減ってきたのでアルコールを断っていたが、目の前でがんがん飲まれて、ついに私が絶えられなくなってビールを買ってしまった。
 翌朝は風向きが変わり気温がぐっと下がり、快晴で絶好のコンディション。スパラ稜に上がったところから、稜線をたどるルートと右の雪上をトラバースしていくショートカットルートに分かれ、先行者にならって近道を行く。トレースはしっかりしているが、かなり急斜面であり慎重に進む。中間の緩斜面はデプリ跡、その上でシュルントをうまく越えて、急登をこなすと稜線に出る。やさしい岩稜をアイゼンのまま登ると頂上だ。先着者からボンジョルノと祝福を受ける。
 雲ひとつ無い素晴らしい天候、アルプスでもローカルなベルニナ山群。その最高点に立ったという気分を満喫する。登路で下から見上げてきたパリュ山群を上から見下ろすのも然ることながら、360度迫力ある岩山に囲まれ、名前がわからないけど"いい山"が多数あった。遥かヴァリスらしい高嶺が望めるが個々の峰までは判別できない。やがて反対のビアンコ稜(3級)からもパーティーが到着。
ピッツパリュ(右)〜ディアヴォレッツア方面
手前に今回ルートのフォルテッツア稜が見える
クレスタギュッツアの岩峰(左手前)とイタリアの山々
ピッツベルニナ頂上からの展望
 名残惜しい頂上を後に下山にかかる。明日はもうスイスを去る日だ。最後の下りは往路と同じルートで慎重を期す。ベラビスタテラスへの登り返しでは昨日無かった雪崩の跡が見られた。早い時間に通過して正解であった。フォルテッツア稜の岩場では、豊富な支点でビレーしながらスタカットでクライムダウンした。ここは登るより難航した。良い支点があるかわからないが懸垂で下れば早かっただろう。岩場を終えてホッとしたが、その先は腐り雪の下が朝の冷え込みで凍っていて、アイゼン無しだと滑るのでここもスタカット。Kさんが一度滑落して結構テンションかかり、スタカットで構えていて良かった〜。コンテでこうなったら怖いと改めて思う。この後は問題無く、氷河横断したところでザイルもしまって、ゆっくりロープ駅へ登り返した。残りのスイスフランでビール乾杯。ベルニナの頂を見ながらの一杯は最高。

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