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アコンカグア(6959m)登頂4 |
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ベースキャンプ生活編1
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1 広々したキッチンテントで食事
砂ぼこりが舞い風が吹き抜ける単調な河原の道を延々と歩いて着いたベースキャンプ
、プラザ・デ・ムーラ。もっこりした三角錐のセロ・クエルノの岩峰を見上げ、その周
囲の氷河から続くモレーン台地上にキャンプ村が広がっている。荒々しいアコンカグア
西壁と、その左に小さく目指すノースピークの突起。登ってきたオルコネス谷方面はセ
ロ・デドスから続く5000m前後の岩山が立ち並ぶ。キャンプ地の中央にあるレンジャー
テントで受付けを済ませる。アルゼンチン国旗が風になびいている。
ガイドのリトーさんに、ドラム缶を半分にした形の大きなキッチンテント内に案内さ
れる。これから食事の世話になるチーフのルイスおよび愛嬌のあるキッチンボーイのオ
スカルに迎え入れられて、フーゴ(粉ジュース)で一服。全員で木のテーブルにつき
、折り畳み式の椅子に座って食事が出来る。日が暮れるのが午後9時頃で、大体その前
後がこちらの夕食の時間。自家発電の電灯が灯り(はじめのうちやや不調)、高度の影
響がなければオートキャンプ気分(前回報告したようにベースキャンプから上では異な
る)。
ベースキャンプとセロ・クエルノ
売店や有料シャワーテントなどもある
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2 好天続きで水不足気味
キャンプ地からアコンカグア西壁側の谷が、ベースキャンプの水場になっている。
朝は凍ってしまい、日が当たり始めるのが午前9時。午後になると氷河が溶けて水が濁
ってくるので、午前10時から12時位に水を汲んでおかねばならない。オスカルが大
きなポリタンクに多量の水を汲んで、常時お湯を沸かしておいてくれるので、頼むとも
らうことができる。この水場になっている沢は、飲み水以外の利用は厳禁。レンジャー
が目を光らせていて、顔を洗っただけでも注意される。遠藤さんによると、去年は下流
での洗濯が出来たそうだが、私がそうしたらダメだと言われた。水を沢から汲んで、離
れたところまで運んで洗濯する必要があった。
今年は雪の量が少なく水量も少ない。そのために汚染にかなり気を使っているよう
だ。確かに水質が良いとは思えず、極力生水は飲まないように努めた。お湯を飲むと鉱
物質を多く含んだいわば鉱泉水である。ミルクは現地の粉ミルクでもクリープでもお湯
によく溶けずに固まってしまう。飲み物は、現地分はインスタントコーヒーと紅茶が用
意されているが、日本からお茶やカプチ−ノやコーヒー入りココアなども持ってきたの
で種類は豊富。たとえミルクが固まってしまうとしても、現地のインスタントコーヒー
が一番飲みやすく、さすが現地ものは水質に合うのかなあと思った。
3 ルイス(コック)の腕前
味付けがさほど濃くなく食べやすい料理が多かったと思う。到着した日の夜は、鳥肉
入りスープ。あっさりした味付けで、高度の影響で食欲が出ない割には好評だった。朝
は海外で定番のコンチネンタルで、パンかクラッカーと、コーヒーなどの飲み物だけ。
私はパン党でもあるので抵抗はないが、日本食党にはやや辛いところ。次の休養日の昼
食は豚肉と野菜とレンズ豆が入ったスープ。レンズ豆は堅くて不評。全部食べるとお腹
をこわすという噂もあって半分くらい残す。
スープ類の他には、本場だけあって牛肉のステーキが定番。柔らかく山で食べられる
のは感激。あとマトンの煮込み,生ハム,肉入りスパゲッティ,リゾットなどのレパー
トリーがあった。このように肉料理のみなので、魚しか食べないというIさんは苦労し
ていた。はじめ持参したジフィーズやラーメンなどで済ましていたが、見かねてIさん
用にポテトと野菜を煮ただけのスペシャルベジタリアン料理を出してくれた。これは他
の人にとっても魅力的で思わず全員の手が伸びた。特にポテトは南米が原産というだけ
あって、日本のより風味があってずっと美味しい。
4 お酒には困らないところ?
売店ではセルベスタ(缶ビール)を3ドルで買える。日本の山を思えば安いもの。ベ
ースキャンプの高度に慣れてくると、順応訓練から帰ってまずはビールで乾杯。休養日
は昼間からテント前でビール片手に、これから登りたい世界の山々の話がはずんだ。ワ
インが飲み放題という噂があったが、売店には無く、たまに夕食時にプラスチックのジ
ュース容器に入れて出てくるくらい。アルゼンチンの赤ワインはなかなかいける上に日
本ではほとんど入手できない。酒飲みにとってはこれだけだと期待はずれだったろう。
ところが遠藤さん夫妻の酒豪ぶりはなかなかのもので、メンドゥーサで仕入れたらし
いワインはいくらでも出てくるし、ブランデーにウイスキーにジンなど多種多様。お酒
を飲まない人もいるし、高度の影響で飲む量が減っていることもあり、お酒が余り気味
で必要なだけいただく(必要以上に飲まされる?)ことができた。ただ日本酒が無かっ
たのが玉に瑕。私も日本から梅酒でなく日本酒を持ってくるべきだった。
5 お正月はそれらしく
休養日だった大晦日の夜はワイン付きの遅い夕食を取った後、夜遅くまで話し込み、
年越しそば(インスタント)を皆で作った。約半日時間が進んでいる日本では、お正月
をのんびり過ごしていることだろうと思いを馳せる。元旦の朝食も、コンチネンタルに
あべかわ餅付きで、一瞬お正月だという気になる。でもこれから高所トレーニングに精
を出さなければならない為、気は抜けない。
夕焼けに染まるアコンカグア西壁
毎日自然のショータイムが繰り広げられた
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6 何回見ても飽きない夕焼けと星空
ベースキャンプの最も美しいのが、午後9時前に夕日がアコンカグア西壁を真っ赤に
染める時。天候によって毎日色合いが微妙に異なる。この数分の時間は、必ずキッチン
テントから外へ出て、積み重なる岩峰の染まる自然のショータイム鑑賞と、シャッター
チャンスを狙うのが日課だった。
さらにダウンジャケットを着て、テントの外で石の上に座って空を眺めていると、
「いちばん星」の童謡のように、まずシリウスが輝き出し、次に二番星のカノープス、
次にはあちこちに星の数がみるみる増えていく。こんな夕暮れ時の当たり前の自然の営
みも、日本では山でさえ落ち着いて観察する余裕が無く、忘れていた世界を思いだした
様な気分になった。
やがて空が完全に暗くなると、ほぼ連日降るような星空となる。この季節のアンデス
は、高地で乾燥していて、星の観測には世界的にも最適地と言われている。それだけに
大マゼラン・小マゼラン雲や流星などもくっきり。そして夜12時を回るとオルコネス
の谷の方角から南十字星が上ってきて、トイレに起きた時などに隣のニセ十字と一緒に
拝むことができた。南半球の星座ガイドが有れば、より楽しめただろうと思う。
7 温水シャワーと有料トイレ
日中は気温が30℃近くなる日もあるが、夜は氷点下に気温が下がる。乾燥していて
汗をかかないので、風呂が無くてもそれほど不快感は無い。ベースキャンプの一角の小
さな小屋には、温水シャワーがある。午前中に申し込んでおくと、午後3時くらいから
1人5分間ずつ使える。天気が悪いとダメということで、どうも太陽熱を利用している
らしい。好天の休養日にKさん他4名がこのシャワー小屋に出かけた。気持ちよさそう
だったが、私は風邪をひくのを警戒してやめた。この小屋では、10ドルくらい払うと
、簡易トイレットテントの代わりに、もう少しきれいな小屋のトイレが使えるとのこと
だった。しかし我々のテントから少し遠かったこともあって利用した人はいなかった。