アコンカグア(6959m)登頂3
高所順応編

アプローチ〜登頂で紹介した以外の日々は、高所順応の為に少しずつ高度を上げては その高度に滞在することの繰り返しです。B/Cより上は、一度タッチした後下山し 二度目にその高度に泊まるという、順応の基本が徹底されました。

アコンカグア南壁を見上げる

12月29日 快晴
  プラザ・コンフランシア3370m(10:00)…南壁B/Cの下4000m(13:32/14:28)
  …プラザ・コンフランシア(16:20)
 陽気なアルゼンティーナのトレッカーたちが目立つコンフランシアで1日滞在、ここ からアコンカグアB/Cへの道と別れ南壁B/Cへ向かう道を往復した。アコンカグア の最も美しい姿を望む、トレッキングのハイライトコースである。
 左に沢を見下ろしながら高度を上げていく。沢の流れの両岸が岩塩の為白く変色して いる。右にはセロ・アルマセネスの見事な地層模様が見上げられ、正面には褐色のピー クの右側に南壁が少しずつ姿を表してきてわくわくする。左手は氷河となり、所々赤茶 色の氷河湖を見ることができる。道がほぼ平らになりわずか下るようになる付近で、南 壁のほぼ全体が正面に広がる。幾筋も折り重なった岩と雪の壁、その上に丸い緩やかな 北峰と急峻な南峰が横たわっている。壁の迫力とともにどっしり構えた山の大きさに魅 了される。頂上まで壁の高さは3000m、これからたどる道のりに思いを馳せる。この付 近から後方には、頂上部に広い氷河が形成されたチリ国境のロンカルリ(6100m)という 雪山がせり上がって望める。
 コンフランシアへ往路を戻る。メンバー全員ほぼ問題なく、楽しみながら高度を稼ぐ ことができた。キャンプ地のそばを流れる沢の水は、朝は澄んでいたのに帰ったときは 泥の洪水と化していた。気温差が大きく上流の雪解けが急激に起こるためらしい。

12月31日 晴れ(風強い)一時曇り・小雪
  B/C4300m滞在〜散歩
 B/C入りの翌日は休養日。B/Cでは現地ツアー会社が食事を全部準備してくれる (詳しくは次回書く予定です)。昨日到着後フーゴ(粉ジュース)を飲んでから、お腹 の具合が悪い。高度障害の影響もあると見られるが、生水は飲まないことに決めた。他 のメンバーも、胃がむかつくとかだるいとか食欲が無いなど、何かしら不調を訴える人 が多い。それぞれ弱いところに症状が出てくるようだ。
 遠藤さんによると、具合が悪いからと寝ているより、ゆっくり運動した方が早く順応 できるという。調子悪いからと、付近の丘を何度も散歩して回っている人もいた。そう いう人は結構元気な証拠だ。午後天候が回復してきたので全員で散歩、遠藤さんから明 日以降の登山ルートや周囲の山を解説してもらう。アコンカグア頂上がどれなのか、な かなかわからなかった。手前の岩峰の方が高く見えるので、「エッ」と意外なほど左に 小さく見えるのが北峰最高点である。

1月1日 快晴
  B/C(10:25)…コングウエイ岩(11:50/12:10)
  …カナディアンキャンプ4900m(13:45/14:20)…B/C(15:10)
 大晦日の夜はワイン有り,年越しそば有りで満腹、前日は良く寝れなかったこともあ ってぐっすり寝る。アルコールは順応を遅らすと言いB/C初日は絶ってみたが、やっ ぱり欠かせない。
 この日はC1まで行かずに、砂走り大斜面途中の右手の台地上キャンプ地4900mを目 標とした。登るにつれ頭痛が気になってきて、深呼吸を行うと楽になる。食欲のないI さんやお腹が治らないFさん、プラブーツの足慣らしで歩きにくそうなYaさん含め全 員クリア。個人的にはC1まで行ってしまいたい気がしたがあせりは禁物。
 調子の悪いFさんとIさんは、B/Cのドクターのところへ行った。Fさんは お腹の薬をもらったら一発で治ったとのこと。私もその薬を非常用にもらいたいと 思ったが、劇薬の為その場で飲む分しか絶対よこさないとのこと。一方Iさんは食事を 普通にとれるようになるまでドクターストップがかかった。

C1からベースキャンプへ下る
正面の山はセロ・カテドラル

1月2日 快晴
  B/C(9:00)…コングウエイ岩(10:33/10:42)…C1 5200m(13:53/14:40)
  …B/C(15:28)
 Iさんはまだ十分には回復していないが、順応なので無理しない条件で遠藤さんより 行動OKがおりた。昨日は一団となって登った同じ道を、時々パーティと離れて自分で ペースを作ってみながら登る。C1は砂斜面上部の傾斜がゆるくなった所にある為、下 からは見上げられない。昨日分岐したところから、ゆっくりで1時間半かけ全員到着。 深呼吸を繰り返し落ち着いたところで付近を散歩して回り、食料や衣類をデポして下る。 Iさんの食欲が少しずつ回復してきて一安心。

1月3日 快晴
  B/C滞在
 B/Cの高度にはかなり慣れてきて、最初の休養日に比べてだいぶ余裕が出てきた。 明日からは日本から持参した食料(ジフィーズやラーメンなど)を自分たちで炊事する ことになっており、食料の分類整理を手伝う。余った分を昼から調理して食べ満腹。 B/C探検に出かけたり、洗濯する人シャワーを浴びに行く人など思い思いに。その後 テントの前でビールを飲みながら雑談。

1月4日 快晴(風やや強い)
  B/C(9:50)…コングウエイ岩(11:12/11:24)…C1(14:30)〜散歩
 次のステップであるC2タッチの為に、C1まで入って一泊する日。共同装備はポー ターが上げてくれる。ポーターは我々の2倍位のペースで登っていき、二往復くらい難 なくこなすらしい。私は個人装備だけでも、プラブーツやダブルにしたシュラフや羽毛 服などでかさばって、結構重たくなった。プラブーツは初めから履いていく手もある が、Yaさんが歩きにくそうだったのを見て、やはりトレッキングシューズにした。あ らかじめ個人装備のポーターを頼むことができたが、ポーターの人数が少ないため荷物 をまとめたりするのがめんどう。訓練にもなるしやはり自分で持った方が気が楽だ。
 C1は風が強く、テント場の整地から設営・水くみがなかなか大変。落ち着くまで2 時間位かかった。こちらでは白ガスが手に入らないとかで、ベンジンを燃料にしたコン ロを使用する。このコンロは今一つ火力が頼りない感じがする。この夜は、私が過去宿 泊した最高高度を更新することになり、予想通りかなり寝苦しい思いをした。

1月5日 快晴
  C1(9:48)…ニード・デ・コンドル(10:42/10:55)…C2 5800m〜散歩(12:55/13:43)
  …C1(14:40/15:20)…B/C(16:20)
 テントをC1に張ったまま、C2タッチしてB/Cまで下山。C1から上は保温の為 プラブーツを使用。ニード・デ・コンドルから2ピッチでC2に達したが、最後のピッ チは長かったので結構きいた。到着後しばらくは、深呼吸して休んでいることしか出来 なかった。しだいに回復し行動食を食べてから、頂上へのルートを20分ほど順応のた め登ってみる。C2のすぐ上はちょっとした岩場もある急な登りになっている。
 めでたく全員がC2に到達出来て、アタックの為にC2に宿泊する権利を得た。C1 のテント内にシュラフやプラブーツや冬装をデポしてB/Cへ下山。

1月6日 晴れ
  B/C滞在〜Refugio(Hotel)往復
 最終アタックに備えた休養日。やや雲が多かったので、洗濯とシャワーは止めにした。 昼前に7名程で連れだってセロ・ボネットの方向に建っている山小屋(通称Hotel)ま で散歩に行った。中の造りは、部屋が並んでいて確かにHotelという感じ、一泊$50程 で泊まれるとのこと。午後は明日からのアタックに供えて、散歩もせずのんびりと過ご す。

1月7日 雲り(風強い)時々晴れ
  B/C滞在
 悪天候(といっても降水は無し)の為アタック出発が1日延期になった。前回も記し たように、この日は私は風邪気味のような、体がだるく少し熱っぽい症状で、正直言っ て延期になって助かった。暇なのでごろ寝して本を読んだりして過ごす。もう少し体を 動かしていた方が良かったようだ。
 順応で下山してきたパーティから、C1の我々のテントが1張り風で飛ばされたと、 リトさんの知人のガイドからの情報あり(リトさんはここでは顔が広い)。自分の個人 装をデポしたテントだったらと一瞬ヒヤッとしたが、主に食料がデポしてあったテント だとわかる。テントは凧のように飛んでいったのだろうか。遠藤さんが急遽テントと追 加の食料の荷揚げ手配をすることになった。


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