12月25〜27日
シアトル,マイアミ,サンチャゴと3回飛行機を乗り継いで、アルゼンチンの街路樹
が美しいメンドゥーサの町へ。真夏の強烈な日差しがそそぐ。1泊して飛行機の疲れを
癒した後、車で出発。ポプラ並木などが見られる牧草地を抜け、荒涼とした川沿いの草
原を走って、登山口近くのプエンテ・デル・インカのスキーロッジへ。一帯は砂と岩の
砂漠のような乾いた土地で強風が吹き荒れている。行く手にセロ・トローサ(5400m)
が、頂上部に雪渓をのぞかせてそびえる(セロ=CerroはMt.の意味)。
12月28日 快晴
プエンテ・デル・インカ(12:35)=登山口ゲート3000m(12:50/13:00)
…オルコンネス湖(13:10/13:43)…プラザ・コンフランシア3370m(17:15)
車止めゲートは、周囲の砂と岩の山々(〜4000m)を見渡す草原帯で馬が草を食む所。
小さなオルコンネス湖では、目指すアコンカグアが多量の雪を抱く姿に感動。ここから
はアコン南壁上部を見上げることになる。簡単には登れそうもないように見える。この
先もアコンの頂をばっちり望みながら歩く。黄色や薄ピンクの小さい花をつけた刺の有
る乾燥地特有の植物など見ながら、なだらかな登りを行く。地層の横縞が美しい通称
ゼブラ山(正しくはセロ・アルマセネス(5100m)の前衛らしい)を右に見上げ、やがて
台地からの下り口に到着。セロ・トローサの山腹下部にコンフランシアの湧水の流れが
幾筋か見おろされる。キャンプ地は山影で見えず、橋を渡り山腹の道を回り込むと突然
テント村に出た。
ベースキャンプまでは、荷物をムーラ(運搬用に訓練されたロバ=馬)が運んでくれ、
我々は空身なのでこの日は楽々到着。川の水は泥で真っ黒だが、水場は冷たーい清流で
日が照っている間はありがたかった。夜9時頃まで明るいけれども、食事はこちらのツ
アー会社のキッチンのペースで準備後、暗くなってからになった。標高3000m以上とあ
って寒い。夜は星空がすばらしくこれからも楽しめそう。
12月30日 快晴
プラザ・コンフランシア(8:00)…河原に出る(9:30)…河原終点(12:15)
…旧ベースキャンプ小屋跡3900m(14:38/15:08)
…B/Cプラザ・デ・ムーラ4230m(16:27)
ベースキャンプ入りの長い行程、高度障害も出やすいのでゆっくりのペースで行く。
台地上へひと登りすると、前方に広い平らな河原が現れ、しばらく退屈な河原歩き。
日差しは強いけれども風があって乾燥している為、薄手の山シャツでは寒いくらい。正
面には頂上部が5本指のような形のセロ・デドス(5000m)。右手に頂上へ続くリッジを
見上げ、後方にチリ国境と思われるちょっとした雪山を望む。数回ガウチョの率いるム
ーラ隊がほこりを巻き上げて通過。
3回程渡渉(女性には飛び越すのがやや辛い)した後、河原から左岸山腹の道へ。
落石要注意のトラバースあり。正面には広々した氷河と三角錐形に飛び出たセロ・クエ
ルノ(5462m)が近づいてくる。クエルノは角の意味で、2回目のNさんは、B/Cで
はアコン本峰よりもマッターホルン的山容(やや大げさ)が魅力だったと言う。こわれた
旧B/C前にて大休止。この先最後の急登を我々の荷物を背負ったムーラ隊がなんとか
登り切るのを眺める。アコン本峰の西壁を見上げるようになるが、雪のないもろい岩の
積み重なりでこれまでの南壁の印象とは一変する。
最後の急登をゆっくりこなし、モレーン(氷河上の土の堆積)上のテント村全体が見
渡せるようになり、B/C到着。テント数は150〜200位か。レンジャーやドクタ
ーの他、ツアー会社のキッチンや売店、はたまた有料シャワーも有る。高所順応の為に
は体を動かした方が良いと、到着後せっせとテント場作りに励む。アコン頂上は西壁の
岩の連なりの一番左にやや小さめの突起として望める。アコン西壁全体が夕日に真っ赤
に染まるのを眺めるのは、B/Cでの醍醐味の1つ。高度障害については、私は軽い頭
痛程度で起きてるうちは問題なかったが、夜は悪夢にうなされているような感覚を覚え
あまり良く寝れなかった。
アコンカグアベースキャンプ
アコン本峰の西壁を見上げる。高所順応の合間の休日をのんびり過ごす。
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1月8日 快晴(風強い)
B/C(10:05)…C1 5200m(14:00)
今年は好天に恵まれ、1日/週 程度強風が吹き雲が多めとなる以外、ほとんど快晴
の日が続いた。風も弱い絶好の登山日和がやはり1日/週くらいで、あとは風はあるが
まずまずの好天という感じで、登頂の為には好条件であった。
前日は低気圧の影響で風が強かった為、1日遅らせてアタック出発。回復傾向だがま
だ風が強い。高所順応プログラムを消化している為、各自勝手にC1へ15:00までに行
く指示。今朝は体がややだるく皆さんから遅れて登るが、歩くに連れ調子が戻ってき
た。昨日は風邪気味のような症状でパブロンを飲んだのだが、どうも遠藤さんも言うよ
うに休養しすぎて体を動かさないとかえって調子悪くなることもあるようだ。あとはア
タックを前に精神的な緊張も有るかもしれない。
C1まで5ピッチ、富士山の砂走りを思わせる大斜面をジグザグに登っていく。
途中岩が露出したり、トラバースで平らになる場所などで休憩を取っていく。2ピッチ
目は、コングウェイ岩という岩の突起の下で休む。右に見える台地のカナディアンキャ
ンプ(4900m)より高度を上げ、雪どけ水の流れが現れる辺りから右にトラバースしたと
ころがC1。多くのパーティーはさらに上のニード・デ・コンドルまで上がって、そこ
から一気に頂上アタックを目指すので、C1は比較的静かである。
C1からは、グラン・アカレオの砂の大斜面とその上のアコン頂上の岩の突起を
真上に見る。意外に近く見えたりして、高度差とか距離感の実感がわいてこない。
グラン・アカレオの大トラバースを通過しているパーティも確認することができる。
アコンの左はセロ・マンソ(5500m)ののっぺりした山容から氷河のセロ・クエルノ、
B/Cの反対側のセロ・オルコネス(5400m),セロ・カテドラル(5300m),セロ・ボネッ
ト(5100m)と続く。このB/C周りの山は地味だが登ってみる価値は有るようで、
アコンに登れないとき代わりに登ったりするようだ。さらにチリ国境方面へ山並みが続
くのが望める。日没時、付近が赤色に染まるのが見事であった。
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C1の夕暮れ
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日没時の一瞬、付近は赤色に染まる。
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アコンカグアの北側の山域の眺め
ゴルドン・ペニテンテス方面。セロ・キュプラ(5486m),セロ・マノ(5426m),
メルセダリオ(6700m),ラマダ,等。
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1月9日 快晴
C1(9:43)…ニード・デ・コンドル5400m(10:40/10:55)…C2 5800m(12:53)
日が当たるのは9時近くなってからで、それまでは猛烈に寒い。でも今朝は風が弱ま
てくれたおかげでテント撤収も思ったより楽に済んだ。テントなど共同装備はポーター
が上げてくれるが個人装備は自分持ち、寒さ対策(シュラフ2個、等)の為やや荷が重
たい。まずグラン・アカレオの最下部を少し登りほぼ水平にトラバースしていくと、ニ
ード・デ・コンドルの平坦地。ここからはアコン北側の山域(ゴルドン・ペニテンテス
)の眺めが広がる。氷河の奥にセロ・キュプラ(5486m)から秀峰セロ・マノ(5426m)、そ
のかなり遠方にそびえる高いピークはリトさんによるとメルセダリオ(6700m)とラマダ
だそうだ。
B/Cから見上げた稜線の裏側に当たる、相変わらず単調なジグザグ斜面を登り詰め
ると、ベルリン小屋のあるC2。木造小屋といってもテントと変わらない位の小さいも
のだ。一段上がった所の、ごつごつした小さな岩に囲まれて風当たりを避けられるテン
トサイトに陣取る。グラン・アカレオを覗くとまるで砂の滑り台だ。傾斜はそれほど急
でも無いように見え、かの三浦雄一郎さんでなくても冬にスキーで滑れそうに思える。
順応のため高度差150m位登って下りる。ポーター到着が遅れてテント建てるまでしばら
く待ったが、日中は風が無く5800mなんて信じられないくらい暖かった。
今回は参加者全員C2泊までクリア、珍しいということ。夕方までに多数のパーティ
で付近はテントで一杯になった。夕方からは風が出てきた。しかし気温は高めだった模
様で、夜も寒いとは思わなかった。高度の影響でよく寝付けなかったことは確かだ。