東北 禿(カムロ)岳,神室山,栗駒山
【月日】 98年9月12〜14日(マイカー利用)
【メンバ】Tさん,私
【装備】 テント,白ガス,コッフェル,シュラフ
【参考】 アルペンガイド「東北の山」,エアリアマップ「栗駒・早池峰」

【予想外の崩壊バリエーションコースを登ってしまった 禿岳(カムロダケ)】
年月日 1998年9月12日(土) 
天気 晴れ
タイム 自宅(4:07)=浦和IC(5:10)=古川IC(8:46)=鬼首温泉郷(9:50/10:15)=古川高校小屋(11:00/11:12)
…四合目(12:40/12:53)…禿岳(14:17/14:35)…花立峠(15:28/15:32)=(ヒッチハイク)=
鬼首リゾートホテル(15:45/15:53)=(タクシー)=古川高校小屋(16:00/16:10)=吹上高原キャンプ場(16:30)

 テント持参で、東北の栗駒・神室山域巡り に出かけた。 当初予定は、4連休をフルに使って禿岳,神室山,高松岳,栗駒山の4山を狙ったが、同行者の都合 等で3日間となり高松岳は割愛となった。
 早朝川崎を出発、Tさんを拾って東北道を交代で運転、鳴子温泉街を抜けて順調に鬼首温泉に 到着した。先にキャンプ場の様子を見に行くと、道がわかりにくくちょっと迷った。 広々したキャンプ場には既にレジャー客が訪れていた。受付けは戻ってから行うことにして、 初日は付近で短時間で登れそうな禿岳へ向かう。
 国道108号を行き過ぎてしまい、戻って登山口の小さな標識を見つけて里道に入る。 道が交錯してわかりにくく、地元の人に尋ねたりしてようやく車が数台駐車してある中峰登山口 らしき場所に着いた。ここには古川高校山岳部山小屋があり、水場もある。すぐ脇はゴルフ場で 時々プレーヤーが電気自動車に乗って通り過ぎる。ここで車を降りて歩き出す。
 天気が良く、しばらくは日を遮るもののない草原の林道歩きで暑い。目指す禿岳の東面は 急峻な岩壁で迫力がある。林道の終点が本当の登山口、ここまで車でも入れたので20分程余分に
中峰コース下より禿岳を望む
1200m峰とは思えない迫力のある岩壁を見せる
歩いてしまった。何と登山口には「中峰コース危険利用できません」の看板が有った。せっかく だから行けるところまでは行ってみる。地元の高校生と先生位の沢登りスタイルのパーティーが 下山してきた。挨拶したが、特に道のことは言われなかった。小屋の前にあった車はこの人達のものだった様子。
 ブナ樹林帯に入って涼しくなるも、尾根道は大変な急坂。一歩一歩踏みしめて登る。一合目から順に標識 がある。次第にヤセ尾根になり前方に岩場が見える。隣の火ノ沢を隔てて岩壁が連なる禿岳の眺めは、 日本アルプスにも匹敵するような迫力。残雪期であればなおさらであろう。わずか1200mクラスながら、 東北の山は侮れない。
 岩場になるとロープが設置され、一ヶ所火ノ沢側が崩れている所がスリップ要注意。稜線に出ると 尾根上に踏み跡が有る。これで危険地帯も過ぎたと安心したのもつかの間、どうやらこの先頂上までが 危険で通行止めとなっている箇所のようだ。何箇所か左の岩壁側に道が崩れてしまっている。 Tさんは山慣れているとは言えないので引き返そうかとも思ったが、右側に樹林があるのでしっかり 足場を選んでいけば通過できないことはなかった。薮を漕いで尾根を進んで頂上に出る。
 頂上には花立峠からピストンの男性が1人居た。お願いして車に乗せてもらうことにする。これであの難路 を戻らずにすみホッとする。頂上にも中峰コース通行禁止の看板があり、そこから我々が来たものだから コースの状態についていろいろ質問を受けた。親切な単独行氏は仙台の方で、家族と温泉に来て皆が川遊び している間に一人で登ってきたそうだ。尾根道の崩壊は、2年前の鳴子〜栗駒付近の群発地震によるものだと教えてくれた。 頂上からは神室山群や虎毛山などの眺めが良かった。単独行氏によると、登る際に結構たくさんの人が下ってきて、 午前中は栗駒山や鳥海山辺りまで見えたと言っていたらしい。しかし今は霞んでしまって見えない。

禿岳山頂からの展望 虎毛山と高松山,神室山〜小又山〜火打岳と続く
 花立峠へはこれまでとは一変して整備された眺めの良い道。鬼首のスキー場や付近のカルデラ地形 も一望できる。私としては往路はバリエーション的で楽しめたが、Tさんにとっては楽な道があるのに わざわざ大変な道から登らされたことになってしまった。短時間で軽く登れると考えていた私の調査不足は要反省。 すばらしいRV車でスキー場のホテルまで送っていただき、そこでタクシーを呼んで車を回収に行った。 幸いゴルフ場を横切っていく道があったので、出発点までの距離は結構近かった。この日泊まった吹上高原 キャンプ場は、大賑わいの割に施設が貧弱で、付属の温泉も大変混んでいて、あまり快適とは言えなかった。

【今回のメイン、奥深く人の少ない静かな山を楽しめた 神室山】
年月日 1998年9月13日(日)
天気 曇り時々晴れ
タイム キャンプ場(6:56)=西ノ又林道駐車地(8:15/8:40)…三十三尋ノ滝(10:58/11:15)…御田ノ神(13:10)
…神室山(13:50/14:48)…前神室山(15:45/15:57)…駐車地(17:54/18:05)=秋ノ宮温泉(18:40)

三十三尋ノ滝
 キャンプ場からは昨日登った禿岳など 周囲の山が見渡せる。今日も良い天気かと思いきや、トンネルを 抜けて秋田県側に出ると曇り空になった。鳥居をくぐって西ノ又林道に入ると道が悪いので、田圃の脇に 駐車して歩くことにする。近くの農家らしき人が車で様子を見に来て、今日は人がたくさん登っているなどと 教えてくれた。車止めの案内板付近のスペースは車で一杯、早くも頂上に泊まった人が1人下山してきた。
 我々は出発が遅くなり、またほとんどの登山者はパノラマコースを下山するようなので、人に会わない 静かな山を楽しめた。林道脇にツリフネソウがたくさん咲いている。雲りで時折陽が射す程度で、暑くなくてちょうど良い。 西ノ又川から離れ、心地よいブナ林の中を登る。時折ドサと音がして何かと思うと、 イガクリのような大きな木の実が落ちる音だ。Tさんによるとこれは熊が好むマロニエだそうだ。 落ちた実を取った跡も見られるが、はたして熊の仕業か。
 再び沢に出て滝を見ながら休憩の後、胸突八丁にかかる。すぐに不動明王と素晴らしい岩清水がある。 正に胸を突く急坂が続く。ガマズミの赤い実が多い。前神室山方面の眺めが少し開けた、通称熊の昼寝坂付近で休憩。 ついつい長居してしまう。西ノ又コースを下山する二人に会う、この急坂の下りに閉口していた。やがて草原状になり、 湿原にはリンドウが寂しげに咲いている。前方の笹の窓を目指して登り切ると、ガスの切れ目から神室山方面が 見え隠れした。頂上へ大役内川が急峻に突き上げ、思いの外険しい山容を見せている。付近には咲き残りの ハクサンフウロが見られた。
神室山頂上への最後の登り 尾根の右側に避難小屋の屋根が見える。
 ハイマツと潅木とちょっとした岩場がある稜線をたどり頂上に立つ。西ノ又川で冷やしたビールが旨い。 ガスが切れて周囲は一通り眺められたが、残念ながら遠望は利かない。鳥海山はこっちの方かなと想像する。 頂上で御一緒した単独の男性は、テント持参15日までの予定で小又山から火打岳,杢蔵山方面へ縦走だそうだ。 昨日は虎毛山だったとのこと。今年は虎年だし?頂上湿原も素晴らしいので是非虎毛山へ登ることを薦められた。 私を見るようだとTさんが言う。頂上からわずか下の避難小屋を見に行く。ノートを眺めると昨日は15名程 泊まった様子。この日は今の所女性2人のみで水汲みから戻ってきた所だった。
 稜線の道を戻り、尾根道のパノラマコースに入る。稜線付近は少し紅葉が始まっていて、同時にナナカマドの実も見られた。 奥深い山ゆえ時間が遅くなってしまい、Tさんに頑張ってもらいペースを上げて下る。 テント持参の2人組が登ってくる。道の途中でビバークとのこと、別の山からの継続登山だろうか。 何とか日没前に看板の所で林道に出て一安心。行きに止めてあった車はほとんど無くなっていた。 奥深い谷と神秘の稜線の山、神室山は本当に良い山だった。 時差登山?で人のいない静けさも同時に味わえてとても満足。
 今晩はキャンプ場をやめて秋ノ宮温泉に宿を探した。時間が遅いので泊めてくれる所がなかなか見つからなかったが、 温泉保養の宿「太郎兵衛」の親切な親父さんが泊めてくれた。さすがにこれから夕食をお願いするのは無理で、 付近の食堂も終わってしまったので夕食のみ自炊とした。

【温泉と湿原の山 栗駒山と秣岳(マグサダケ)】
年月日 1998年9月14日(月)
天気 曇り時々晴れ(山上は霧と雨)
タイム 秋ノ宮温泉(8:28)=川原湯地獄(8:50/9:10)=須川温泉(10:03/10:25)…昭和湖(11:25/11:30)
…天狗岩(12:35/12:50)…秣岳(13:39/13:48)…須川湖(14:26/14:30)=須川温泉(14:40/15:20)
=厳美渓(16:10/17:03)=一ノ関IC(17:15)=自宅(22:55)

 山の連チャン三日目となり、Tさんの疲労や帰りのことを考え、短めの須川温泉から栗駒山のコースを選んだ。 朝食後、コーヒーを飲んでゆっくり出発。舗装されて快適な観光林道を走り、泥湯温泉と子安温泉を経て、かつての 有料道路(現在は無料)で須川温泉へ。
 朝は良く晴れていたが、東よりの風が強くて山の上はガスがかかっている。防寒具を準備して露天風呂
名残ヶ原 この辺りではまだ晴れ間もみられた。
の横から登り始める。この日は名残ヶ原の登山道が工事中のため、ゆげ山を通って迂回気味に登らなくては ならなかった。こんな天気でも登山者は大勢いて、昨日とは全く異なる雰囲気だ。湿原では晴れ間が出て 始まりかけた紅葉も鑑賞できた。昭和湖まで登るとガスと風雨で寒くなる。引き返したくなったTさんをなだめて、 もう少し登っていく。しばらくはハイマツの中の登りで風を避けられる。稜線に出るとまた風が強くなる。 天狗岩でついにTさんは引き返すという。ここまで来ればほとんど頂上だし、展望も期待できないのでそうする ことにした(私は以前頂上に登っているのでどっちでも良かった)。
 下りはTさんには来た道を引き返してもらって、私は一人で秣岳コースを下山。須川湖まで車で迎えに来てもらう ことにした。秣岳へ続く尾根は誰も居ない平らな湿原が続き、展望は無くてもそれなりに気分が良い。花の季節は 楽しめそうだ。半分走るように歩いて、Tさんより先に須川湖へ着いた。最後の山はあまりパッとしなかったが、 私は秣岳へ行って来れたので、まあ来た甲斐はあった。 広い露天風呂で汗を流してから帰路に着いた。



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