表丹沢 源次郎沢遡行〜小草平ノ沢下降
【月日】 98年5月16日(土)
【メンバ】単独
【装備】 ロープ(9mm),確保装備一式,ヘルメット,渓流靴
【参考】 2.5万図「大山」,丹沢の谷110

年月日 1998年5月16日(土)
天気 晴れのち曇り
タイム 大倉(7:38)…戸沢(8:46)…源次郎沢入渓点(9:16/9:26)…F2(9:32/9:52)…二俣(10:22)
…尾根に出る(11:43/12:08)…堀山下降開始点(12:50)…チョックストンF4(14:05)
…勘七ノ沢F1(15:18/15:25)…林道(15:35/15:53)…大倉(16:47)

【新装備の使い心地を試しに】
 これ以上靴を増やしたくない、とこれまでワラジでやってきましたが、登山教室等では ワラジは推奨しないところが多く、ついに渓流シューズを買ってしまいました。今後教室等へ 参加の前に試してみようと、表丹沢の初級の沢に出かけました。単独行は避けた方が 良いとわかっていながらも、急遽決めたためまた単独で行ってしまいました。今回は買って から半年眠っていたロープ(9mm)と、アタックザックと登山用ジャージも初めての出 番となりました。

【源次郎沢の遡行記録】
源次郎沢入口付近:天神尾根分岐で沢を渡るところで書策新道へ行こうとして迷っている人有り、 ここはややわかりにくい。書策新道に入ってすぐ左の踏跡に入り堰堤を2つ越えたところで沢仕度 をする。
F1(10m):はっきりした滝は無く気づかずに通過。
F2(8m):標識有り。左を巻くように通過。せっかくなので遊ぼうと上でロープ出して懸垂下降、単独行での確保をプルージック で行って、やや滑る水流左を登ってみようとした。垂らしただけの(固定していない)ロープにスリングをプル-ジック結び で引っかけて登るのは、プルージックを引き上げるのに両手が必要という問題があることがやってみて判った (いわれてみれば当たり前だ)。ユマールだったらできるだろうか。今度山道具屋に聞いてみよう。 ここでは後から別の単独行氏が来たので、先に行ってもらうと、水流右をいとも簡単に登って行った。 この人は速くてこの後再会することはなかった。
F3(8m):右側をへつって草の付いたスラブを登ってまたへつる。
F4(8m):垂直に立っているが確保無しで左側の乾いたリッジを登る。
F5(10m):二俣(標高800m)にて右俣側に見える。登れそうだな、と確保無しで取り付くが、途中ビレー 支点のスリングが掛かっている所からの一歩がホールドスタンスが乏しく、下りるに下りれない状態でしばし考え て、フリーソロなのでスリングもつかませてもらってえいやと登った。ガイドの記載通り一時真剣になってしまった。
源次郎沢F5 (10m)
取り付きは簡単に見えるが...上部がきつい。
F6:手前で水が涸れる。この先はF10まで滝に標識が付いていた。
F7:チョックストンの横を登る。二俣になっていて左俣に入る。
F8:ルンゼ状、この上段は斜めに傾いた岩を登り、適度な岩場が連続して楽しい。
F9:上部がきつくて中間ビレー点あり。フリーソロなので慎重に考えてからスリングもつかんで登った。
F10:簡単なものだがここが最後の岩場となった。
めでたく全部の滝を直登した。

【ハンググライダーが舞う丹沢の尾根】
 花立から少しはずれた尾根に詰めて、塔ノ岳をはじめとした新緑の丹沢を眺めながらランチタイム。 尾根をたどると一転して大賑わいの大倉尾根に出る。空も国体競技の多数のハンググライダーで 賑わっている。箱根や富士山をバックに飛んでくるのをしばし眺め入る。この辺はいつも若い人が目立つ。 彼らは行楽地のように人手が多い方が好きなんだろうと思う。

小草平ノ沢F1 (5m)
最後の懸垂下降となった。登るのは右からでホールドスタンスは豊富。
【小草平ノ沢の下降記録】
 大倉尾根を下山 ではつまらないので、堀山ノ家の少し下から小草平ノ沢下降にトライ(沢下り初挑戦)。登ったことのない沢だし、 上から見てクライムダウンできると確信を得られない場合、迷わず懸垂下降とした。 木の幹等の支点を苦労して探して懸垂で下りてから、改めて見上げると簡単に登れそうだったりする。 3回懸垂下降して、チョックストーンの4m滝で4回目の懸垂準備してると、上から人の声。左岸を高巻いている パーティがいて時々小石が落ちてくる。以前自分が起こした落石シーンを思い出して、早くここを離れた方が良さそう と思うが、こういう時に限ってロープがこんがらがる。 この滝を下降した後ロープを巻いていると、別の7人位のパーティが登ってきた。トップの先生らしき女性が 滝の左側を難なくするすると登り、後の人もフリーで続いていた。沢は午後の方が賑わうようだ。
 いくつかの滝を、遡行者の踏跡を頼りに左岸を巻いて下る。ゴルジュ手前のF3は 左岸をトラバースする踏跡に一旦入るが、先のクライムダウンに不安あったので、結局戻って直接懸垂下降 にした。F2は上段はクライムダウンしたが中段以下はやはり懸垂。F1は唯一残置スリングあって、これを 利用してまた懸垂下降。計7回の懸垂下降でやっと勘七ノ沢に合流。

  【勘七ノ沢はやはり違う】
 すぐ上流に見える勘七のF1下まで寄り道。ここまで下降してきた薮っぽい沢に比べると、水量が多く滝も迫力があり、 薮もなくすっきりして、やはり人気ある沢は違うと思わされる。勘七へ行ったのは15年以上も昔でほとんど記憶に ないが、自分の記録によるとF1は難なく登ったとある。林道の出合まで一箇所堰堤を越えるところで 下り要注意箇所あるが、ピトンが打ってあるおかげで安心。ロープを肩に掛けたまま、登山者が大勢休んでいる出合 へ下り着いた。かっこいいシーンだっただろう(自分が思っただけ?!)。

【沢下りをやってみて】
 話には聞いてましたが、初級の沢では下る方がグレードが高いことを改めて認識できました。特にクライムダウンできる かどうか上から見て判断するのはとても難しいです。またこれまでロープ操作は先生かガイドさん任せでしたが、 自分で全てやるというのはとても勉強になります。特に下降支点の取り方は重要で、今回は一度岩にかけて ロープが流れず下から回収できなくなって焦りました。幸い高さが無かったので投げ縄の要領ではずすことができました が、このような支点の取り方は御法度ですね。

国内の山行レポートのメニューに戻る
トップメニューに戻る