谷川連峰の主稜線からはずれたこの山域に以前から興味を持っていて、なかなか足が向かなかったのをついに単独で実行することになった。体調不良を克服後、久しぶりの積雪期テント泊縦走となったが、好天にも助けられて予定通り土樽から二居までの縦走をこなすことができた。登山口となる毛渡橋に早朝到着すると、すでに平標等への登山者の駐車がたくさんあった。タカマタギ方面はトレースがあるにはあるが少ない。最初は坪足で、途中から気温も上がってきてワカンを履いた。ところがワカンのリングテープが一箇所切れてしまい、予備靴ひもで何とか応急処置する。
　棒立山への急登は久しぶりの重荷に苦しんだが、時間的には余裕もあり展望を楽しみつつゆっくり登る。週末とあって数パーティの登山者を見かけた。棒立山で反対からの２人組に会い、タカマタギへ別の尾根から登って日帰りで周回という強者だった。タカマタギ山頂からは反対側から往復する人もいて、トレースが良く踏まれている。次の鞍部で先行２人パーティーが幕営を始めていて、私はもう少し先に平らで良い場所を見つけてテントを張った。無風で満天の星空を仰ぐ快適な一夜となった。
　翌日は、日白山〜東谷山とさほど急なところもなく、谷川連峰の展望に恵まれた稜線漫歩を堪能。少しでも平標山に近づこうと日白山から隣の二居俣の頭まで往復した。その昔仙ノ倉からシッケイ沢をスキーで滑り降りたなあ。ところで日白山頂が朝から賑わっていたのには驚いた。晴天の日曜とあって二居から日帰り登山する人が多く、下山中も若者のグループや家族連れまで次々に登って来る。かつて秘境とも称されていたこの山が、今はポピュラーな雪山登山入門コースになっているのだ。二居峠からはルートが皆バラバラで、再びラッセルで歩きにくくなった。田代スキー場から路線バスとＪＲで駐車地へ戻る。

棒立山から谷川連峰のパノラマ

タカマタギへ続く稜線を望む

眺めの良い稜線でテント泊

二居俣の頭から平標山方面へ続く稜線