山スキー 海谷山塊 前烏帽子岳,吉尾平,焼山北面台地
【月日】 99年4月3日(土)〜5日(月)
【メンバ】単独
【装備】 山スキー,兼用靴,シール,スキーアイゼン,冬テント,シュラフ
【参考】 2.5万図「湯川内,越後大野」,山スキールート図集1,
      富山県周辺の山スキールート解説,岳人97年4月号,他

年月日 1999年4月2日(金)〜3日(土)
天気 曇り時々雪 のち晴れ
タイム 練馬(21:07)=塩沢石打PA(23:28//5:30)=上越市=焼山温泉(8:40/9:20)…昼闇谷(11:34)
…吉尾平テント場(12:25/13:27)…前烏帽子岳(14:10/14:55)…テント場(15:15)

 好天が予想されたため、山スキー天国という噂の海谷山塊へ初めて足を運び、テント持参でうろつくことにした。山域の概要をつかみ、特徴ある山々もいろんな角度からじっくり眺めてみたいので、3日間と長めの日程を取った。さらに欲張って、初日は前烏帽子岳,2日目は吉尾平から鉢山,3日目は北面台地から昼闇山、と毎日ピークハントするプランでしたが・・・・
 途中PAで仮眠しての長距離ドライブで焼山温泉に入る。雪がちらつき、トレースも新雪に消されてルート探しが必要かと思っていると、日帰り装備の3人パーティーが先行で出発。そのトレースをたどることができて助かった。雪は豊富で、出だしからずっとシール登高となる。小さなスキー場から林道をたどり、沢を横断してアケビ平に入る。樹林帯は杉が密に茂って邪魔なので左の小沢の中を登る。
 台地を登り切り、右手は断崖で沢に下りれないので(沢も雪が切れて水が出ている)、しばらく昼闇谷の右岸を登って800m地点で昼闇谷を横断。急斜面のトラバース、下にはクレバスが口を開けていて、バランスを崩さないよう緊張する。対岸の台地へ急斜面をよいしょと登る。しばらくは平らで緊張から解放されるが、また急斜面トラバースで1つ沢を横切る。このコースは初級になっているが、沢の横断箇所については、初級者はスキーを脱いだ方が良いかもしれない。またルート指示は皆無と言って良く、トレースがないとルート探しに苦労するかも知れない。
カール地形の昼闇山
前烏帽子岳からの展望
 先行トレースは沢を詰めて進んでいく。前烏帽子岳を目指すために、右にトレースをはずれ、吉尾平下部の広い平坦地を幕営地に選んだ。深い雪の下でよくわからないが、尾根を巻いて登ってくる林道付近だったようだ。沢の本流は雪が切れて流れが出ている。荷物が重いこともあって、ここまでで結構くたびれた。一服してから、大きく窪んだ沢をブリッジの部分で横断し、前烏帽子岳を目指す。始めは林道の上のような感じ、次に沢を横切って樹林が適度に生えた小尾根へ取り付き、前烏帽子手前の鞍部めがけて登る。シール登高にほどよい斜面をたどり、小雪庇を崩して稜線に出る。少しやせた尾根をたどるとすぐに頂上に着いた。
 雲が多めながら展望がきいた。カールが真正面の格好の良い昼闇山をはじめ、鉢ヶ岳〜放山〜空沢山と焼山・笹倉両温泉など望む。目の前の峻峰、烏帽子岳方面は残念ながら雲の中だ。この先の尾根は、岩峰に阻まれスキーには向かない。天候回復してきたためか、焼山ヘリスキー大会のヘリが飛びはじめて、音が耳障り。
 シールはずし、やせた稜線は慎重に滑降。ほぼ往路を忠実に滑ってテントへ戻る。正面に、断崖上に横長の頂上部を持つ鉢山が姿を現してきた。烏帽子岳から阿彌陀山にかけて絶壁が続き、昼闇山,前烏帽子とぐるり山に囲まれ、日本のバルトロ氷河とも呼ばれる景観だ。上部はちょっと雲に覆われているものの、この景色をおかずにビールが最高。週末なのに全く人の気配無く、大自然にたっぷり浸れるのはうれしい(単独行ならでは)。

年月日 1999年4月4日(日)
天気 晴れ
タイム 吉尾平テント場(5:33)…鉢山コル(7:35/8:38)…テント場(9:04/10:12)…焼山温泉(11:35/12:52)
=笹倉温泉(13:00/13:15)…アマノ平テント場(16:30)

日本のバルトロ氷河の山に朝日が当たる
烏帽子岳〜阿彌陀山の岩壁を吉尾平から望む
 快晴の朝を迎えた。まずは空身で、吉尾平から鉢山の東側のコルまで、雪の締まった沢筋をスキーにほどよい緩い斜面を上がっていく。朝日が岩壁を赤く染めている。昨日の先行パーティーのトレースに再び合流した。登るにつれ左右の斜面が急になり雪崩に警戒していく。
断崖上に横長の頂上部を持つ鉢山
吉尾平上部から望む
 コルに登り着くと、反対側に焼山〜金山〜雨飾山〜鋸岳〜駒ヶ岳と頚城の主稜線が連なっている。目の前には、植木鉢を逆さにした形の、鉢山が聳えている。雪は結構不安定のように見える。昨日の3人組もこのコルから先、頂上へ向かった形跡はない。悪いことに六角レンチを忘れ、アイゼンを兼用靴に会わせていないのでアイゼンが使えない。スキーデポして少し頂上へ向かってみたが、ヤセ尾根で踏跡も完全に消えていて、アイゼン無しでは不安に思え、単独ということもあり、頂上往復は割愛することにした。反対の昼闇山の方へはなだらかな稜線が続き、行ってみたくなるが、こちらからは頂上手前がヤセ尾根になるらしく、アイゼン無しだし、テント場に戻るには行程も長くなるので、やはり明日北面台地側から登ることにする(これが仇となった?)。そうと決まればゆっくり休んで、山々の景観を満喫してから、登ってきたルートを滑降して(快適、快適!)、テントへ戻った。途中男女2人組が登ってくるのに会った。
 紅茶を沸かして一服の後、テント撤収してほぼ昨日のルートに沿って滑降開始。荷物が重いので、ボーゲン/シュテムを中心にゆっくり下る。沢の横断は慎重に。日差しが強く暑いのでバテ気味になる。アケビ平では日帰りのテレマーカーと出会った。
雨飾山と鋸山、後方に北アルプス
鉢山東側のコルより望む
 焼山温泉に下ってくると、ヘリスキー大会で大賑わい、ヘリが大勢のスキーヤー・ボーダーをピストン輸送している。空沢山上部の1500m付近までヘリで運んでくれる。これから北面台地へ登る私も、ヘリで運んでくれると有り難いが、テント持参でどこへ行くかわからない山スキーヤーは丁寧にお断りされてしまった(決まったコースを戻ってくることが条件)。
 自分の車の後ろに駐車され、車が出せないので、温泉でアイスやコーヒーなど食しながらのんびり休む。1時間強待って、ヘリスキーヤーが戻ってきて車を移動してもらう。笹倉温泉の少し上の、除雪最上部まで移動、10台程駐車していた。再び仕度をして、橋を渡ってシール登行で林道を登り始める。日帰りの人、火打を越えてきた人など下ってくるスキーヤーに多数会う。歩きで焼山の途中まで往復したという人もいた。
 重荷で滑降してからまた登るのは、もともときつかった上に、ベタベタの雪,異様な暑さ,部分的に雪が切れた急斜面,と条件も悪く、すっかりバテてしまった。休みばかり取って行く。つづら折れの急登が一段落すると、スノーモビルが走り回った跡に惑わされてルートを遠回りしてしまう。アマナ平の少し手前約1000m地点で幕営することにした。バテて体調も崩してしまい、夕飯も半分位しか進まないまま寝る。

年月日 1999年4月5日(月)
天気 晴れのち時々曇り
タイム アマノ平テント場(6:02)…北面台地末端(7:28/7:42)…台地上部1800m(9:40/10:00)
…テント場(11:08/12:19)…笹倉温泉(13:10/14:18)=能生IC(14:50)=所沢IC(18:30)

 体調は復活しないまま、空身で北面台地を目指す。天候は今日も良好。アマナ平から北面台地へ一段上がる斜面は、朝は雪が堅くてシールで登れず、スキーアイゼンを使用する。今日の体にはこたえた。台地の下部に登り着くと、正面の焼山へ向け遥かに無木立のなだらかな斜面が続き、疲れも吹っ飛ぶ光景。日本ばなれした山スキーの為にあるような斜面だ。昼闇山へは右に反れてトラバースして尾根に出ることになるが、体調悪いので断念し、素晴らしい北面台地を1800m付近まで登って、往路を滑降することにした。
 右にトラバース気味に登ると富士見峠付近に出ることになる。逆コースから滑り込むにはもってこいの所、今回ルートの状況をつかむことができたのも収穫だろう。こちらから昼闇山を見ると丸い平凡なピークだ。火打と影火打が案外険しい斜面を呈している。眺めを楽しんだ後、長いダウンヒルだ。前半は雪がちょっと重いがまずまずの滑りを楽しむ。後半は平らで登りかえしもあってだるい。
 テントを撤収して最後の下りへ。今度はスノーモービル跡には惑わされないようにして、起伏をうまく巻いて登りを避けていく。きのう苦しんだつづら折れ林道も、下りとなると遥かに楽だ。下り着くと駐車してたのは私の車だけになっていた。笹倉温泉で汗を流して、平日の高速を順調に走って帰宅。

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