北海道 山スキー ニセコの山々,手稲山,余市岳
【月日】 2003年12月28日〜2004年1月6日
【メンバ】 単独(フェリー渡航 マイカー)
【装備】 山スキー,兼用靴,シール,ゲレンデスキー,スキーアイゼン,他
【参考】 アルペンガイド「北海道の山」,山スキールート図集2,岳人2001年2月号,
2.5万図「ニセコアンヌプリ,チセヌプリ,手稲山,余市岳」,ホームページ 「楽しい山登り」「北海道の山とスキー」「BASECAMP」「NORTHFIELD IN HOKKAIDO」「YOSHIOの北海道山情報」「北海道アウトドアクラブ GNOME」「chibaの山と山スキー」「熊谷トレッキング同人」「神奈川山岳会」「探酔舎」,他

【北海道山スキーはあせらずじっくり】
年月日 2003年12月28日(日)〜30日(火)
天気 30日 雪(一時晴れ間)
タイム 大洗(18:30)〜苫小牧(13:40)=留寿都(16:00)=五色温泉(17:08//10:15)…アンヌプリ途中950m
(11:00/11:20)…五色温泉(11:40/12:10)…神社の裏山ひと滑り(〜12:45)…林道最高点付近
(13:15/13:30)…五色温泉(13:55)

 北海道でスキーは初めて。山スキーが目的であるが、天候次第ではゲレンデ中心でも良いかと気楽な気持ちで出かけた。フェリー内で登山ガイドのUさんを見かけ声をかけた。五色温泉に4泊して山スキーだという。私も五色温泉へ行くので、知っている人がいると心強い。苫小牧に着くと雪もなく晴れて暖かいので、北海道もさほど変わらないと思う。しかし買出し後、R276でニセコへ向かうと、雪が降り出し道路はアイスバーン、しかも他の車はかなりスピードを上げて走っている。午後4時前に日没で暗くなる。緊張の運転を2時間半続け、五色温泉に着いてホットする。温泉は2箇所あって申し分無い。
 自炊棟(一泊\2800+暖房費\1000)に2泊の予定(大晦日からは満室で断られた)。相部屋かと思ったが小さい個室を用意してくれたので喜んだ。建物が老朽化しているのとストーブが旧式で石油臭いのが難点。現在ではこういうのも珍しく郷愁を感じてしまう。
ニセコアンヌプリ(北西面) 五色温泉付近の林道にて
自炊棟では、部屋前にダンボール入りの食料を山積みして長期滞在者が多そうだ。この混雑では、宿の人は客にまかせっきりという感じ。台所は鍋料理など準備する人でごった返していた。広くて食器類もたくさんあり、慣れると過しやすい所かと思う。Uさんはお客様と、食事付でリッチな新館に泊まっている。
 翌朝まで雪がしんしんと降り続き、新雪40cmは積もった感じ。車でゲレンデへ行く人以外、出発する様子なく、私もこの天気で山に登る気にならず、周辺を軽く巡って足慣らし程度と考える。9時過ぎになると一時陽がさしてきてニトヌプリ方面へ登って行くグループがいた。後に着いて行くのも何なので、Uさんがアンヌプリ方面の予定と言っていたのを思い出し、アンヌプリ方向へのトレースをシールでたどってみた。風が強く雪も降り続いている。 途中スキーの男女が休んでいて、頂上まで行くのか聞かれ「行く気をなくした」と答えた。彼らは下っていった。少し先は尾根が急になり風が非常に強くなる。トレースは完全に消えていて、無理することもないのでこの辺で引き返すことにした。
 短い距離ではあるが、柔らかいパウダーの林間滑降は、これだけでもなかなか素晴らしかった。お勧めは岳人にも載っている、見返り坂からゲレンデに出て頂上へリフトで登り、アンヌプリ北面を滑るコースらしいが、今日はやめておく。五色温泉で一服後、鳥居の所から裏山に登ってひと滑り、さらに倶知安方面へ除雪されていない道路を少々クロカンした。一瞬の晴れ間にアンヌプリ山頂が覗く。時々人の声が聞こえ、今日もアンヌプリ山頂から滑っているパーティーがいるらしい。イワオヌプリ方面から裏山をボーダーが滑ってくるのも見たし、他のシュプールも何本か見た。引き返して露天風呂に入ると、ボーダー仲間が、アンヌプリ山頂から滑ってきたことを話していた。決まったコースなど無い、まさにニセコはバックカントリー天国である。

【ルート探索も楽しめる ニトヌプリ】
年月日 2003年12月31日(水)
天気 曇りのち雪
タイム 五色温泉(8:40)…裏山ピーク(9:25/9:38)…ニトヌプリ(10:57/11:16)…五色温泉(12:28/12:48)
=倶知安(13:38)

 昨夜から雪はやんだので裏山からニトヌプリを目指す。露天風呂丸見えの尾根へ取り付くと、昨日?のトレースがある。急なので時々シールが利かなくなるが、木の枝をつかんで登り切ると温泉の裏山ピークだ。曇り空にニトヌプリの稜線が結構遠く見える。後からスキーの4人パーティーが来た。彼らはイワオヌプリを目指すという。見上げるイワオヌプリに別パーティーが登っているのが見える。
 私は急斜面の登りを嫌ってニトヌプリを目指す。距離はイワオより遠くルート取りも難しいという。幸い視界が利くので、地形図を見ながらのルート決めも楽しみながら進む。しばらくは樹木がややうっとおしい平坦な雪原。ラッセルしながらなのでペースは上がらない。大小イワオの荒々しい岩肌、左遠方に昆布岳らしき突起も望めた。イワオから延びる尾根末端に出ると樹木がまばらになり風当たりが強くなる。
小イワオヌプリを望みながら 急登の後は平坦な雪原をトレッキング
夏道記号は右の沢に下りているが尾根を忠実に進んだ。鞍部からニト手前の1000mピークまで、140mの急登がとてつもなく長く見える。取り付いてみれば案外あっけなく登り切り、ニトの双子ピークが目の前に大きく拡がる。わずか下って最後の登りで頂上。強風が吹きつけ岩陰で風を避けて休む。大小イワオが箱庭のよう、残念ながら右のアンヌプリ頂上は雲の中だ。目を転じるとチセヌプリが素晴らしい斜面をさらけ出してる。
 お待ちかねの滑降、何といってもシュプールが1本も無い新雪斜面の滑りが最高。膝くらいまでのパウダーでとても滑りやすい。天気が下り坂でガスが出て雪も降り始めた。短い好天をとらえて登頂できたのはラッキーだった。あわよくばイワオもピストンできた所だが、それは諦める。最後は登りに使った尾根の西側のカール状の沢を滑って駐車場に出た。中間部の樹林が密で滑りにくかったが、登降には登りに使った尾根よりずっと良さそうだ。今日は山を下りて、便利な倶知安市街に泊まって年を越すことにした。
小イワオヌプリ,イワオヌプリ,雲中のアンヌプリ
ニトヌプリ山頂から望む
チセヌプリ
天然のゲレンデ斜面のようだ

【スキー登頂に適した山 前目国内岳】
年月日 2004年1月1日(木)
天気 曇り(一時晴れ間)のち雪
タイム 倶知安(8:28)=新見温泉(9:20/9:50)…林道ヘアピン(10:25)…新見峠付近(11:10/11:20)
…前目国内岳(12:03/12:20)…新見峠付近(12:38/12:50)…新見温泉(13:25)=倶知安

 新春の初日は曇り空ながら雪は小康状態。ニセコはずれの新見温泉へ向かい、前目国内岳を目指す。五色温泉周辺と違って、温泉客も少な目で山スキーの人は見当たらず、先の除雪していない林道にもトレースが無い。無理しないつもりでとにかくシールで歩き始める。ヘアピンカーブの所で小さな沢を渡って尾根に取り付く。未だ雪が少ないため、わずかなブリッジを踏み抜きに注意して渡る。ルート図に650m付近で沢を渡ると書かれているが、かなり深そうなのでやめて上へ登って行くと結局林道に出て、新見峠の夏道登山口に来てしまった。
山頂に岩場がある目国内岳 前目国内岳頂上にて
正面のだだっ広い山頂を目指して、さしたる急登もなくスキーに程よい傾斜で登りやすい。所々、笹や潅木類が雪の上に顔を出し、積雪は少な目のようだ。
 頂上では風が昨日ほど強くないのでのんびり休めた。眼前には山頂に岩場がある目国内岳が聳え、登行欲をそそらられる。春には日帰りで十分登れるそうだが、今の時期はラッセルや日照時間を考えるとちょっと厳しい。岩内岳の右に日本海、新見峠を隔てて白樺山からシャクナゲ岳あたりのピーク群を眺める。山頂から本日もまたバージンスノーを堪能することができ最高である。林道ヘアピンの所まで、程良い傾斜で下り一方なので、とても滑りやすくスキー向きの山と言える。なのに人の姿は皆無であった(元旦くらいは皆、家に居るのかもしれない)。下山途中からまた雪が降りはじめた。下山後、静かな秘湯の新見温泉で入浴。浴槽は独占状態、露天風呂の他、蒸湯や滝湯もあって面白かった。

【シャクナゲ岳とアンヌプリでニセコの締め】
年月日 2004年1月2日(金)
天気 曇り(一時晴れ間)のち雪
タイム 倶知安(8:28)=チセヌプリスキー場(8:53/9:26)…コル(10:05/10:10)…シャクナゲ岳(10:49/11:05)
…チセヌプリスキー場(11:57/12:15)=ひらふスキー場(12:40)ー第7リフト頂上(13:43)…ニセコアンヌプリ
(14:07/14:18)…ゲレンデに出る(14:25)〜花園ゲレンデ〜ひらふスキー場(15:55)=山田温泉=倶知安

 倶知安市街から朝アンヌプリ山頂が見え、今までで一番天気が良い。今日頑張って、シャクナゲ岳とアンヌプリ頂上を踏んだら、ニセコ巡りも終わりにしようと思う。湯元温泉のチセヌプリスキー場からリフトでゲレンデTopへ。チセヌプリを目指す山スキーヤーやボーダーも居て、既にトレースができている。私は昔、秋にチセヌプリにだけ登っているので、谷を越えて台地に出た所で、左に方向を変えてチセヌプリを巻いてシャクナゲ岳を目指す。こちらは未だトレースが無い。
シャクナゲ岳 3ピークの最高峰は急峻で滑り甲斐がある
チセとシャクナゲ岳とのコルから少し急な斜面を登ると、3つのピークが見えてきて、一番左の最高点を目指す。頂上直下はかなり急斜面となるが、ジグザグにシールで登りきった。チセヌプリ,ニトヌプリと大沼など湿原地帯、白樺山の向こうに昨日の目国内岳方面が眺められた。残念ながら朝見えていたアンヌプリは見えなくなってしまった。
 今日も山頂から自分だけのシュプールを付ける。昨日に比べ急斜面があって滑り甲斐がある。折りしも下から大パーティーが登ってきて私の滑りを披露することになった。他の2ピークを踏んでまわるのも楽しそうだが、今日は忙しいので割愛した。コルの先でシールを付け、少々迷いながらリフトのピーク横の鞍部を乗っ越して、沢筋を滑る。スキー場の整地しない上級コースになっていて、雪が少なくブッシュが出ていて余計滑りにくかった。
 次にひらふスキー場へ向かい、回数券を買ってゲレンデ最上部へ。山頂方面へは、ボーダースキーヤーが列を成して登り、階段状の道ができている。その横をシールでジグザグに登り、稜線に出たところから右へ進むとほどなく山頂だ。ガスで何も見えず、さきほどの列からしてここまで登ってくる人は少ないようだ。風は比較的穏やかな方と思われる。各方向へシュプールが延びている。あまりゲレンデから離れないように沢筋を滑り、ブッシュ地帯をトラバースして第7リフト下部でゲレンデに出た。あとはゲレンデ滑降で、花園の最下部まで滑りリフトで登り返して、ひらふの駐車場へ滑り下りた。巨大なゲレンデであるが、この時間になるとコースの周りで新雪のある所はほぼ滑りつくされていた。

【休養日はゲレンデの手稲山へ】
年月日 2004年1月3日(土)
天気 雪のち曇り(一時晴れ間)
タイム 倶知安=余市=小樽=手稲ハイランド(12:15)ーリフト頂上(13:08)…手稲山(13:25/14:10)
…手稲ハイランド(14:25)=朝里川温泉=小樽

 大雪の予報だったので山はお休みと決め小樽方面へ移動。予報に反し晴れ間が広がり始め、早くも雪の峠は越えてしまったようだ。国道から1000mに満たない低山がいろいろ見え、どれも山スキーの対象になるな、と思いながら車を走らせる。余市、小樽を過ぎ、手稲山を目指す。一番上の駐車場まで上がる。ゲレンデまで離れていてだいぶ歩かされた(駐車無料なのであまり文句も言えない)。リフト1本で山頂、本当の山頂はすぐ近くだが、ゲレンデスキーで歩いて行くと雪が深く結構難儀した。山スキーで来るべきだったと後悔。ガスが切れると、奥手稲山,迷沢山,銭函天狗山あたりまで何とか見えた。晴れていれば札幌周辺の山が一望できるだろう。ゆっくりしていると、人気の無い山頂に山スキーで登ってきた人に会う。リフトを使わずにここまでトレーニングで登ってきたそうだ。この近くにお住まいで今シーズンから始めた初心者という。山スキーの対象には事欠かずこれからが楽しみな事と思われる。今夜は小樽に泊まった。

【ゲレンデからピストンでも侮れない余市岳】
年月日 2004年1月4日(日)
天気 曇り時々雪(一時晴れ間)
タイム 小樽(8:03)=キロロリゾート(8:59)ーゴンドラ頂上(9:50/10:00)…コル(11:10)…余市岳(12:14/12:20)
…コル(12:50/13:05)…ゴンドラ頂上(14:20/14:50)…キロロリゾート=小樽

 1日かけて山に登れるのは今日が最後となった。目指すなら札幌周辺の最高峰で300名山でもある余市岳。ゲレンデから日帰りできる距離にある。キロロゴンドラ乗り場に、朝里岳,余市岳の登山者は届けを出すように書いてあったので、一応パトロールに行って見ると「あれは夏用の表示で、雪山の登山届は警察の管轄とし、スキー場は関知しないことになった」と言う。昨日も遭難騒ぎがあったとかで無理しないように言われる。ゴンドラ頂上に着くと頂上はガスの中で見えない。天候は穏やかな方と判断して行ってみることにする。
 朝里岳から続く尾根はほぼ平坦で飛行場の別名があるとか。幸いなことに除雪の跡がありラッセルがほとんど無かった(これはスノーモビルの仕業だと後でわかる)。周りの雪は深く、ラッセルしていったらとても頂上まで行けなかったと思う。新雪を求めてゲレンデからスノーシューで歩いてくるボーダーもいる。単調な歩きを1時間強で、ずっと平坦だった尾根が急降下して1239mコルだ。スノーシューの3人パーティーが先行、さらに山スキーの2人が先頭を行っていた。コルから180m程は急な登り。そのあとは傾斜が緩くなるが、ガスと強風との戦いとなる。山頂付近は恐ろしく平坦で広くどこが頂上か迷う。ケルンの目印や先行者のトレースにも助けられ、平坦な尾根の末端に三角点標識を見つけホットする。下りも迷わないよう、方向に細心の注意を要する。ゲレンデに近く標高差もわずか300mとはいえ冬期は侮れない山だ。
 急な斜面まで降りてくると、視界も良く5人程のボーダースキーヤーも登ってきていた。彼らにならって尾根東側の深雪斜面に突っ込む。胸までもぐる雪を滑ったのは初めて、パウダーの抵抗を受けながら自在に泳ぐ感覚は何ともいえない快感である。みんなこの雪を求めて通ってきているんだな。途中からトラバース気味にコルへ向かう。ニセコアンヌプリの北面(今回行けなかった)も胸までパウダーだというので、こんな感じなのだろう。シールを付けコルから登り返す。晴れ間に振り返ると深雪のシュプールが良くわかる。定山渓天狗岳や烏帽子岳の特異な岩峰の姿も目にすることができた。左股川の方から登ってきたらしいゴキブリ(スノーモビル)が騒音をまくし立てて通った跡が見られ、気分の良いものではないが彼らのラッセルに助けられたのは事実。平坦な帰路は特に長く感じた。ゴンドラ山頂のレストランでしばし休憩してからゲレンデを滑り下りた。
深雪のシュプールを振り返り見る
コルから余市岳への登り下半部が胸までパウダー
定山渓天狗岳
特異な山容を目にすることができた

【パウダーの山とお別れ】
年月日 2004年1月5日(月)
天気 晴れのち雪
タイム 小樽(8:55)=定山渓温泉(11:24/12:23)=中山峠=喜茂別=苫小牧(15:30/18:50)〜大洗(13:20)

 最終日はゆっくり苫小牧へ移動。午前中は晴れていたので、少し遠回りして札幌近郊の山を眺めながら苫小牧へ向かう。定山渓温泉でひと風呂浴びている間に雪が降り出し、中山峠に登ると吹雪模様で山は全く見えなくなり残念。初日に緊張して走った、支笏湖への国道に出る。帰りはアイスバーンにもすっかり慣れて余裕の運転だ。この時期としては天候に恵まれた方であろうか。これで北海道のパウダースノーにも病みつきになりそうである。

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