四国石鎚山系 赤石山,笹ヶ峰,冠山,平家平,伊予富士,瓶ヶ森
【月日】 2000年10月6日(金)〜10月9日(月)
【メンバ】単独(マイカー利用)
【装備】 登山靴,MTB(マウンテンバイク),その他一般装備
【参考】 アルペンガイド中国四国の山,エアリアマップ石鎚山,FYAMATRK中四国九州,他

年月日 2000年10月5〜6日(金)
天気 曇り時々晴れ
タイム 自宅(20:00)=吹田(22:30)=吉備PA(0:32/4:40)=川之江三島IC(5:58)=大永山トンネルMTBデポ
(7:17/7:28)=筏津(7:45/8:00)…東赤石山(10:22/10:37)…石室越(11:32/11:38)
…西赤石山(12:29/12:48)…銅山越(13:25/13:36)…七番越(15:10/15:16)…MTB(15:34/15:39)
=筏津(16:10)=日浦登山口(16:30)

 石鎚山には残雪期に成就社から登り土小屋まで歩いたことがある。そのときは悪天候で土小屋から先の縦走は断念して瓶ヶ森にだけ登った。伊予富士や笹ヶ峰など大きな山が続く縦走路は気になっていて、今回西日本へ近づいたのを機に再挑戦することにした。縦走といってもマイカー+MTBで日帰りで繋いでややチョンボをした。そのため完全縦走にはならなかった(桑瀬峠〜笹ヶ峰の間を残した)。でもこの山域は車道が山頂近くまで入り、MTBで車に戻るルートが必ず下りになるようにすると、快適な自転車走行という楽しみも増えて有効である。
 マイカーでの四国への道のりは遠く、初日は忙しいスケジュールだった。途中仮眠して夜明け前の瀬戸大橋を渡る。別子山村への山道をたどり、下山目標のトンネル口にMTBをデポしてから筏津の登山口まで戻り、歩き始められたのは8時。豪快な筋状の八間滝を望むと、道は瀬場谷を渡る。ここに釜を持つ滝があり良い雰囲気の沢だ。遡行は難しそうだしほとんど登られていない沢だろう。
東赤石山 山頂からの縦走路は岩稜をたどる
 リンドウの蕾を沢山見ながら、急ぎ足で稜線の巻き道から赤石越を経て東赤石山頂へ。あいにく瀬戸内海の方からガスが流れてきて展望はあまり効かない。雲の切れ目から行く手に岩の露出した尾根が見える。通常は巻き道を行くようだが稜線の踏み跡に入ってみる。岩場でルートがはっきりしない所もあり時間がかかるが、1700mとは思えない高山の雰囲気でバリエーション派には面白い。八巻山を越えると左下に赤石山荘を見る。付近は初夏には高山植物の宝庫だという。さらに不明瞭な踏跡を多少迷いながら進み、石室越で巻き道と合流。
 前赤石山は急斜面の岩場をトラバースして巻いてしまう。この先は危険個所は無くなり、順調に歩を進めて西赤石山。10名程の団体と会う。本日始めて会った登山者だ。鉱山の名残りが残る銅山越で休んでいると急に地面が大きく揺れたように感じてびっくり。寝不足と疲れのせいかと少し心配になる。後で鳥取県西部地震だったと判明。大山では登山者が足止めになったらしいが、幸いこの付近では特に被害は無かった。
 この先しばらくツガザクラ保護のためにロ−プが張り巡らされ景観を損ねている。西山からツナクリ山に来ると前方には明日のコースの笹ヶ峰から沓掛山が大きい。山腹に続く明瞭な旧馬道をたどる。七番越から大永山トンネルへもはっきりした道がついており、忙しかったけれど無事MTBのところに下山。別子山村は商店も無く山奥の寂村そのもの。筏津山荘にも日帰り入浴は無い。銅山への登山口駐車場は広くてベンチとトイレもあり、一夜を明かすには良いところだった。

年月日 2000年10月7日(土)
天気 晴れのち曇り
タイム 日浦(5:51)=MTBデポ(6:18)=大永山トンネル(6:32)…七番越(7:03/7:10)…ちち山別れ(8:44/8:55)
…笹ヶ峰(9:38/10:03)…ちち山(10:28/10:33)…冠山(11:48/11:58)…平家平(12:28/13:15)
…三ツ森峠(14:05/14:10)…三ツ森山(14:34/14:46)…MTB(15:53/15:58)=トンネル(16:12/16:20)
=マイントピア別子(16:43/18:23)=西条(19:00)

 昨日の続きを笹ヶ峰まで縦走、そのあと冠山と平家平を経て一周するように戻ってくる計画。三ツ森峠からの下山地にMTB設置するつもりが、指導票が無くて迷った。
七番越から笹ヶ峰を目指す 上部の稜線は一面の笹原、右はちち山
エアリアマップの赤線位置よりはかなり上流だが、別子ダムに架かる橋を渡って対岸に延びる林道の入口がそうだと見た。トンネル手前に駐車して、七番越までは昨日と同じ道。馬道別れの先、山腹の巻き道に崩壊個所あり。尾根に出ると紅葉を前景に笹原の稜線が美しい。笹をかき分けて進むとちち山別れ。ここから笹ヶ峰ピストンする。ちち山を巻いていく道は、見た目より荒れていて歩きにくい。
 笹ヶ峰は名前の通り一面の笹原で木が一本も無く、待望の大展望が得られた。伊予富士は思いのほか急峻なピークが連なって名前から受ける印象と全然異なる。石鎚山とは十何年ぶりの再会。土小屋から石鎚山と反対に延びる筒上山と手箱山、はるばる縦走してきた赤石連山、これから向かう冠山と平家平、瀬戸内海の海岸線。
 戻りはちち山頂上に登る道を選んだ。ちち山から巻き道に出る道は非常に急斜面だ。冠山の頂上付近はちょっとした岩場、頂上は狭くてパッとしない。平らな笹のプロムナードを行くと平家平。文字通り平坦な笹原が広がり大休止にもってこいだ。銅山〜赤石山〜二ツ岳(法皇山地)の峰々を眺めるにも最高の場所だ。付近で出会ったハイカーは2組。ここも祖谷の平家落人伝説の地の1つだ。
 だらだらと下って三ツ森峠で林道に出る。最後のピーク三ツ森山をピストン。急斜面で長丁場をこなした身には堪えた。登山コースはここで終わりだが、先も踏み跡はあるみたいで四国分水嶺は延々と続いている。
笹ヶ峰頂上から石鎚連峰を望む 伊予富士〜瓶ヶ森,いちばん右に石鎚山が少し覗く
赤石山系(法皇山地) 平家平からは連山が一望のもと
引き返して林道を下ると、無事MTBデポ地点に来た。今日は登りなので、歩くのとあまり変わらないスピードで車へ戻る。新居浜に向かう途中のマイントピア別子に温泉があってゆっくり休憩。
 明日は桑瀬峠から土小屋まで縦走を考えていた。笹ヶ峰で会った登山者から、瓶ヶ森林道は土砂崩れで車は通れないと聞いたので、MTBとタクシーを併用するプランも考えた。しかしどうやら明日の天気は雨の公算が強くなってきて、とりあえず計画は無視して状況次第とし、西条市内で沈殿した。

年月日 2000年10月8日(日)
天気
タイム 西条(4:48)=旧寒風山トンネル(5:58/6:20)=瓶ヶ森登山口MTBデポ(7:05)=よさこい峠(7:20/7:35)
…シラザ峠(8:08)…MTB(9:00/9:14)=よさこい峠(9:47/10:08)=土小屋(10:25/13:00)
=よさこい峠(13:08/13:14)…土小屋MTB(14:14/14:20)=峠(14:28/14:44)=面河渓(15:25)

 高知に向かう国道には立派な新寒風山トンネルが開通していた。曲がりくねった旧国道を登ると旧トンネルはとてもみすぼらしく見える。瓶ヶ森林道は結局、数カ所工事中であるが通行可能。ほとんど舗装されて林道としては快適だ。今日は雨模様なので、土小屋と瓶ヶ森間だけ歩くことにした。ほぼ最高点の瓶ヶ森駐車場付近の、雨を避けられる古いトイレ内にMTBを置き、よさこい峠から登山道を歩いてきた。展望皆無で風雨の中をひた歩くのみ。途中子持権現の頂上へ険しい鎖場の分岐あったがパス。
 瓶ヶ森駐車場では、テント縦走の単独者に会う。今日石鎚を越えて下山だと言いこんな天気にもめげず御立派。走り出すと何と片方のブレーキが壊れてしまった。下りでスピード出すと止まらなくなって危険なのでゆっくり走る。車道を歩いている登山者もいて驚く(向こうもMTB登場に驚いていた)。シザラ峠からは少々きつい登りがある。この区間を終えて土小屋に行くと、こんな天気でも石鎚登山者が沢山訪れていた。車中で暖まったり神社を見たりしてゆっくりする。
 今度はここの休憩所の屋根下にMTBを置いて、よさこい峠から登ってくることにした。多くは車道を歩くらしく登山道は深い笹に覆われているが、ここは忠実に登山道をたどる。帰りの下りはわずか8分で済んだ。残った縦走区間は笹ヶ峰〜瓶ヶ森。桑瀬峠〜笹ヶ峰間は途中に寒風山があるだけなので省略して、残りを明日トライしよう。今日は面河渓に下って、渓谷と山岳博物館など見て過ごした。国民宿舎は宿泊客で満杯で入浴を断られた。スカイライン入口の無料駐車場が、渓谷沿いでカーキャンプに絶好の場所だった。

年月日 2000年10月9日(月)
天気 曇り時々雨
タイム 面河渓(7:00)=土小屋(7:28)=瓶ヶ森登山口MTBデポ(7:52)=旧寒風山トンネル(8:36/8:50)
…桑瀬峠(9:30/9:35)…伊予富士(10:33/10:47)…東黒森(11:13/11:18)…西黒森直下(12:44)
…瓶ヶ森(13:32/14:04)…MTB(14:29/14:32)=トンネル(15:29/15:45)=伊予西条IC(16:37)
=三木SA(20:05/21:54)=粟東IC(23:10)=自宅(0:44)

 石鎚スカイラインは夜間通行止め、ゲートが開くのは7時でだいぶ出遅れた感じ。でも期待に反して小雨模様だ。昨日と同じ場所にMTBを置いて、寒風山登山口まで車で下る。桑瀬峠で笹ヶ峰を目指す登山者と別れて、伊予富士を目指す。なだらかなプロムナードのあと、最後にとんでもない急な登りが控えている。頂上で林道の途中から来たらしい4人組に会う。時折ガスが切れると、笹原と潅木の紅葉のコントラストが美しい。
 車道に出てまたピークに登り、を4回繰り返していいかげん嫌になってきて、やっと瓶ヶ森だ。寒さに震えながらラーメンを作る。前回はここからくっきりと石鎚山を望んだものだが、今回は相変わらず霧の中。雨も時々しぶとく落ちてくる。駐車場から最後のMTB走行、これまでで一番距離が長い。ここへ来て濃霧につつまれてしまい、車に要注意(車からは私が見えないだろう)。景色を楽しみながらの走りができず残念。途中何箇所か上り勾配もあるが、大体予想していた1時間で車に到着できた。あとは高速に乗って、讃岐うどんと夕暮れの瀬戸大橋の景観で四国に別れを告げ、途中仮眠も交えて、深夜に無事帰宅。

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