岡山の山 那岐山,泉山
【月日】 98年12月6〜7日
【メンバ】単独
【装備】 冬山用上下服,皮登山靴, スパッツ・アイゼン(使用せず)
【参考】 アルペンガイド「中国・四国の山」,FYAMATRK中四国九州1678,1687,他

【那岐山〜滝山〜爪ヶ城】
年月日 1998年12月5日(土)〜6日(日) 
天気 曇り時々晴れ
タイム 新宿(21:30)=(夜行バス)=津山(6:08/8:02)=(バス)=高円(8:35)…七曲橋(9:15)…蛇淵ノ滝(9:27)
…大神岩(10:20/10:25)…那岐山(10:57/11:18)…滝山(12:15/12:33)…爪ヶ城(13:27/13:33)
…声ヶ乢(14:24/14:33)…三浦駅(15:30/16:45)=(JR)=津山(17:15)

 出張前に寄り道していく機会をつくり、今まで登ったことがない岡山県の山にターゲット を当てた。天候にはいまひとつ恵まれなかったが、訪れたことのない山域で地元の人に親しまれている 名山を楽しむことができた。
 この時期は積雪も予想され、一通りの冬山装備も準備。デラックスバスの ルミナス号で夜の新宿を発ち、夢心地のうちに津山に到着。出張スタイルから山スタイルに着替え、 付近の旅館(食事無しで1泊\3700と安い!)に宿泊を申し込んで荷物を預ける。"行方"行きの1番バス に乗り込み、城下町の町並み保存地区を見て市街を抜けると、左手に双耳峰の爪ヶ城からなだらかに 続く那岐山系の稜線が望める。雪は全く見えない。天気は良好だが、那岐山の頂上部に 雲が湧いているのが気になる。
 親切な運転手さんが道を教えてくれた上に、登山口への車道の入口となる、バス停で無いところで 降ろしてくれた。しばし舗装道路を歩く。この地方も暖かかったようで、まだ紅葉がきれいなうえ、 民家の瓦屋根も城下町の風情を感じさせて退屈しない。何台か登山者らしき車に抜かされた。 七曲橋の第二駐車場から沢筋の遊歩道をたどると、また林道に出て鳥居があり蛇淵ノ滝と書いてある。 行ってみると、たいしたことも無い小滝であった。鳥居まで戻り、もう少し歩くと林道終点。広島の 五日市山遊会のマイクロバスがあった。
那岐山登山口へ向かう途中の民家 紅葉が美しく、城下町の風情も感じられる
 山道に入るとBコースとCコースに別れる。Bコースは入り口がロープで封鎖されていた(何も注意書き は無かった)。Cコースが最短コースということもあり、素直にCコースを行くことにする。 ヒノキ植林帯の中、営林署講座のたくさんのパネル前を通過。テルモスが空のままだったので、 途中水場を見つけてホッとするが、ポタポタ程度で10分かかってやっと2/3を汲んだ。 大神岩から津山盆地を囲むなだらかな山々を望む。盆地には多くのため池がある。雨が少ない地方 だからだろうか。天候はやや下り坂で頂上からガスが下りてきて、Aコースの丸いピークも雲に見え 隠れしだした。何組みかの登山者に会う。
 ガスの中、尾根を登っていくとしだいに風が強くなる。1240m休憩所のあるピークで草原の稜線に出ると、 もろに風を受けて寒い。水場への分岐と避難小屋を通って頂上へ向かう。頂上はガスの中、ただし風は さほどでもない。りっぱな石の標識がある。雪は全く無しで、持参したアイゼンは無用の長物となった。 先着の県内の中高年女性2名は、少し話をした後、Bコースが閉鎖されていたので下り口まで様子を見に行く といって出発した。私も少し行って見たが、先の行程も長いのですぐ戻ってきた。水場を経て1240mピークへ戻る。 こちらの水場はさっきよりだいぶましで、もう一度汲み直す。

爪ヶ城付近より津山盆地を眺める 周囲の山々の名前は不明。盆地には溜め池が目立つ。
 頂上は団体さんと入れ違いになったようだ。滝山へ進路を取る。なだらかな笹原の道が続き、晴れていれば 気分最高であろう。道につけられた木の段々がとても歩きにくいのが難点か。滝神社への下山道を 会わせるとまもなく滝山に登り着く。誰も居ない。展望も無い。頂上部分だけ原っぱになっていて 休むには好都合。次の爪ヶ城へは途中のコルまで急降下して登り返すのでややハードだ。コルは 両側から道が上がってきている。那岐山系は多くの道があってコースの選択には事欠かない ようだ。地元の集中登山が良く行われる由縁でもある。
 爪ヶ城では登山者1組に会う。頂上の先のピーク(おそらく双耳峰の1つ)から先は、 地形の関係からかガスが晴れ、再び津山盆地と周辺の山を眺めながら下る。勝山方面の星山あたりまで 見えているといいけどよくわからない。蛇行して下る遊歩道がかったるいので、ショートカット らしき道に入ると、下りすぎてしまい、けやき谷と書かれた場所からまた登ってもとの遊歩道に 戻ったので、かえって遠回りとなった。
 公園になっている声ヶ乢で車道に出る。車3台止めてあったが下山してくる様子無し、駅へ向けて 歩きだす。車道はここが峠越えになっていて、はじめ反対へ下りかけ、案内図を見て 間違えに気づいた。地図がないので、車道に忠実に歩くと、途中の村を大きく迂回して遠回りに なったようだ。それでも1時間で因美線の三浦駅に到着、昼間は列車がほとんど無く1時間強 待たされた。近くに食堂も無く、お店でカップ焼きそばとビールを買ってきて乾杯にした。


【奥津温泉〜泉山(ピストン)】
年月日 1998年12月7日(月)
天気
タイム 津山(7:07)=(バス)=奥津温泉(8:10/8:20)…林道間違える…登山口(10:17/10:24)
…泉山(11:38/11:44)…泉山ヒュッテ(12:09/12:40)…井水山(12:47/12:56)
…車に乗せてもらう(14:20)=奥津温泉(14:30/16:05)=(バス)=津山(17:02)

 翌日は残念ながら朝から雨模様。降り方はたいしたことないし、気温も暖かいので、 せっかくだから予定通り行ってみる。目的の泉山は、那岐山と共に津山地方のシンボル的存在の山である。 今回登山口に選んだ奥津温泉は、河原の足摺り洗濯場が名物で、屋根付の無料の 公衆浴場もあって、山奥にしては温泉場という雰囲気がある。 ここから広域林道をたどるのだが、広域林道という看板の道があまりに広い良い道なので、 一つ左側の狭い車道が林道と思いこみ、どんどん奥に入っていった。はじめは普段見られない 藁葺き屋根の民家を見て喜んでいたが、結局方向が違ってきて道が間違っていたことが判明。 今回正確な地図を持っていなかったのが敗因。
井水山頂上にて 那岐山方面の展望スケッチが描かれた看板がある。
 かなりの距離を戻って、途中でようやく始めの広い舗装道路に上がることができた。大神宮原の さびれた牧場の中を通って、やっと登山道の入口の標識に着いた。1時間以上のタイムロスとなった。 ここで直進する道と右折する道に別れる。直進する道は途中崩れていて、両者は先で合流するので 右折が正解であった(帰りに確認)。道標に導かれ、牧場の縁沿いに登る道に入る。あずまやと案内板があって、 この先は樹林帯を直線的に登る急坂が続く。雨のため滑りやすく注意していく。どんどん高度を 稼いで1198mピークで稜線に出ると、反対側から強風が吹き付ける。昨日と同じように稜線は笹原 で展望は良さそうであるが、この天気ではどうしょうもない。頂上を往復。頂上から先に笠管峠 への道が着いていた。
 1198mピークから先へ、泉山ヒュッテ(津山高校山小屋)を訪ねた。もちろん誰も居ない。近年新築されたもので、
奥津温泉 建物も趣のある温泉街
きれいに使用されていた。旧山小屋の歴史や写真など記された資料も小屋に置かれていたので、 昼飯がてら眺める。小屋からひと登りで井水山というピーク、すぐ下に覗き岩がある。頂上には 那岐山方面の眺めの大きなスケッチが看板になっていたので、せめてそれを見て想像することに しよう。この先、養野から女原へ下ってバスに乗ることもできるが、温泉に入れるし、地図がない のでまた間違えることも恐れて、往路を戻ることにした。滑りやすい急降下は木につかまりながら 下る。
 車道手前の沢で靴とオーバーズボンの泥を洗濯し、車道を歩いていると、後ろから来た 車に載せてくれた。近くの村の人で、泉山もよく登るらしい。私の往復したコースが一番急坂で きついらしく、笠管峠か養野からが楽に登れるそうだ。山仕事?の後、奥津温泉の公衆浴場に 向かう途中だったので一緒に温泉に入った。温泉宿のかみさんも入ってきて、 地元の訛で最近の不景気のことなど話していた。平日にこの季節ということもあるが、 温泉にはお客らしい姿はほとんどなかった。近くで新しい大型温泉施設「花美人の里」を建設中、 でもこの山奥にちょっと不似合いではなかろうか。バスの時間まで寿司屋で時間をつぶして津山に戻り、 再び変身!して出張先へ向かった。


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