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広島の山スキー 道後山,比婆山,吾妻山,臥龍山,大佐山,恐羅漢山,阿佐山
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【月日】 2001年2月9日(金)〜2月13日(火)
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【メンバ】単独(マイカー)
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【装備】 山スキー,兼用靴,ストック,シール
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【参考】 2.5万図「道後山,比婆山,臥龍山,三段峡,大朝,石見坂本」,アルペンガイド中国四国の山,
岳人98年1月号,山渓2000年2月号,広島山岳会ホームページ,他
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| 【真っ白な広い丘陵地帯、遮るもの無い展望の道後山】 |
| 年月日 |
2001年2月9日(金) |
| 天気 |
曇り時々晴れ |
| タイム |
自宅(20:25)=辻PA(0:12/6:36)=東城IC(8:48)=道後山スキー場(9:36/10:15)−(リフト)−月見ヶ丘
(10:36/10:46)…道後山(11:40/12:05)…岩樋山(12:25/12:36)…スキー場上部(13:00)〜ゲレンデ〜
スキー場(14:47)=比婆山県民の森(15:45)
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中国地方の西側は未だ私にとって未知の山域。特に広島北部から島根県境はスキー場も多く、山スキーでのピークハントが容易かと思い、連休を利用して5日間のスキーツアーへ前夜マイカーで出発。途中事故渋滞にも見舞われ、あまり距離を稼ぐことできず。まずは広島の山としては、岡山に近い側にあって行程も短い道後山を目指す。道後山高原スキー場に着いてリフトに乗ったのは10時を過ぎていた。
小さいスキー場ながら、学校の課外授業などでそこそこ賑わっている。リフト2本でゲレンデ最上部の月見ヶ丘、無雪期はここまで車で来れる。予報に反して天候が良く、前方に岩樋山の丸いピーク、向って右側の樹林が無い斜面が滑りに良さそう。導標に導かれ登山道に沿ってシール歩行開始。積雪後ゆえトレースは無い。
月見ヶ丘から岩樋山を望む
向って右側がスキー向きの斜面
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樹林帯では積雪1mほどあって、急なところのスキー登行は苦労した。休憩所から岩樋山を巻く道に沿って道後山手前の広い鞍部に出る。かつて牧場として利用され、木が全く生えておらず一面真っ白な草原帯。展望を楽しみながら進み、いちばん奥の3つ目のピークが山頂だ。周囲にさえぎるものが無く正に展望の山。少々風当たりは強いが好天に恵まれたことに感謝。岩樋山付近の真っ白な3つのピーク、その向こうに次の予定である比婆山方面、少し雲がかかり始めている。南には地元では親しまれている猫山の姿、北には名前も知らない鳥取島根県境の山々が続いている。頂上の山名板には蒜山や伯耆大山の名も記されていたが、そこまでは視界が得られなかった。
道後山一帯は真っ白な丘陵地帯
岩樋山付近の3つのピーク、奥は比婆山方面
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帰りは岩樋山へ登って戻る。せっかくだからシールをはずして牧場跡を滑るが、雪質変化が多くあまり快適とは言えない。岩樋山からは、スキー場へ向って左よりの斜面に木が生えておらず、短いけれども良い滑降の場を提供してくれた。行きのトレースに出て、あとは全くスキー向きではない樹林帯をほぼトレースをたどってゲレンデへ戻る。
ゲレンデ用スキーに交換し、余った回数券で何本か滑ってから、次の目的地の比婆山登山口となる県民の森まで偵察に出かけた。スキー場への道は結構悪路であり運転は慎重を要する。県民の森は温泉もあり低料金で泊まれる施設であるが、飛びこみでの宿泊は断られたので、温泉だけ入ってから西城町まで下って一泊した。
| 【神秘的な雪のブナ林とスキー縦走向きの比婆山連峰】 |
| 年月日 |
2001年2月10日(土) |
| 天気 |
曇り時々雪 のち晴れ |
| タイム |
県民の森スキー場上部(9:03)…比婆山御陵(9:36/9:43)…烏帽子山(10:24/10:29)…吾妻山
(11:42/12:05)…烏帽子分岐(13:16/13:25)…池ノ段(14:41/14:51)…立烏帽子山(15:14/15:25)
…県民の森(16:40)=備後落合=高尾の湯=庄原
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比婆山連峰は山スキーに関する記録も多く、今回のメインイベントである。8時半からリフトが動き出し、連休になって人が増えてきたスキー場を後に、比婆山の樹林帯に入る。稜線へ向けては登りやすい所を選んで行く。雪化粧したブナ林が霧につつまれてとても神秘的だ。平坦な尾根の最高点付近が御陵と呼ばれ史跡や墓石があるらしいが、今は雪の下ではっきりしない。
平坦なブナ林が続き視界もトレースも無く、右に左に迷いながら進んだので時間がかかった。烏帽子山との鞍部まで下ると、指導標がありこの先は尾根がはっきりして迷う心配が無くなる。烏帽子山は比婆山と対照的に樹木が切れて展望が良い。ちょうど霧が晴れて目前に吾妻山を望む。吾妻山へ向けての登りは筋状に草原帯になっていて、まるで天然のゲレンデだ。目を転じると比婆の御陵が深い樹林に包まれ、その一帯だけまるで周りから手厚く保護されているようだ。
吾妻山(左)と比婆山(右)
吾妻山付近は天然のゲレンデでスキー/ボード向き |
シールはずして吾妻山の方角へ意気揚揚と滑りにかかると、いきなり密な樹林に阻まれた。大膳原に出るまでの下りは、樹林が濃く急斜面もあり、スキーには難行であった。鞍部からは一転して吾妻山頂上まで広い草原を快適に登るようになる。残念ながら再びガスに包まれ雪も激しく降ってきた。吾妻山から滑ってきたボーダーがスノーシューで登り返すのと前後して吾妻山頂上へ。上部はシール登行にはややきつい斜面であった。風雪の頂上に、休暇村から登ってきたボーダー2組。天候回復の兆し無いので大膳原への滑降開始。視界があれば本当に快適な所だが、濃霧の中ルートからはずれないように少し慎重に下る。
烏帽子山への登りかえしは再び難行の道。登山道に沿って山頂を巻いて御陵への鞍部に出る。
池ノ段から立烏帽子山へむかう稜線
この辺も山スキーに適した山々
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新しいスキーや歩きのトレースが何本か着いていた。ブナ林の中でテント泊の人も。御陵を越すとブナ純林の中、気持ち良いゆるい下りが続きペースも上がる。天候も回復してきて、目標の立烏帽子山まで手が届きそうになってきた。池ノ段へやや長い登りを終えると、頂上で犬と歩いてきた人に会う。吾妻山と比婆山が再び顔を出してくれた。立烏帽子山へ向けては、障害物の無い斜面をシール着けたまま直滑降。最後の登りで、比婆山連峰の最高峰でもある立烏帽子山に立った。竜王山や毛無山など南側の眺めが良い。
シールはずして滑降開始。といっても急斜面を少し下ると休憩所のある林道に出る。無雪期はここに駐車して楽に登れる所だ。迷わないように林道を滑った。ノロノロ運転でも1時間ほどでスキー場手前の車道に到着。天候がちょっと不安定だったのが残念だったが、長くて変化のあるコースを堪能できた。比婆山連峰は評判の通り、西日本では貴重な山スキー向きの山であった。付近は商店など少ないながら、下山後の食事は落合ドライブイン、入浴は民宿でもある秘湯、高尾ノ湯がお勧め。
| 【ブナの自然林が残されている臥龍山】 |
| 年月日 |
2001年2月11日(日) |
| 天気 |
晴れのち曇り |
| タイム |
戸河内IC(9:35)=登山口(10:26/10:45)…臥龍山(12:39/13:22)…登山口(14:04/14:20)
=大佐スキー場(15:00/15:30)−ゲレンデ最上部(16:00)…大佐山(16:08/16:18)…スキー場(16:30)
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朝は多少ゆっくりしたのが災いして、戸河内IC出口で大渋滞に巻きこまれた。ここは広島や九州方面のスキーヤーが一斉に訪れる所らしい。千町原の登山口へむかう町道は除雪されておらず、町道の入り口に車が数台止めてある。登山者やクロカンを楽しむ人達だ。出発できたのは10時半をまわってしまった。朝は快晴に恵まれたのに少し雲が広がってきた。
10分程で橋を渡り、車道を右に反れて牧場跡をたどると、末端に登山口の目印がある。先行の歩きトレースもあり、登山道に沿って登って行く。
臥龍山頂付近のブナ巨木
南西尾根側の背の高いブナ
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沢沿いの道は何箇所か渡渉を強いられる。横着してスキーを履いたまま渡ると、シールを濡らしてしまうという大失敗! その後雪がまとわりついてえらく重たい。シールを付けている時の渡渉は要注意という教訓だ。
中盤はブナやトチノキの中の単調な登りが続き、すがすがしい気持ちにさせられると同時に、下りも楽しみだ。林道の終点から最後の登りになると、急坂になりスキーでは厳しくなる。登山道からやや右よりに逃げることで何とかスキーを履いたまま登りきった。頂上は平凡で展望も今一つだった。しかし南西の平坦な尾根をたどると、背の高いブナの巨木が続いて、これまでと違った様相に見とれてしまう。鞍部は展望台となっており、深入山などを望む。広島最高峰の恐羅漢山は雲の中の様だ。登山者は結構多く見かけたが、スキーは私だけであった。
下りはほぼ登ってきたコースをはずさないように滑降。樹林が濃いので滑りには今一つというところだ。登りの失敗に懲りて、渡渉の際はきちんとスキーを脱いだ。付近のめぼしい山の中で、臥龍山はスキー場の開発から逃れた数少ない存在。登山者が私のスキーを見る目も心なしか冷たく感じられ、この山にはスキーは歓迎されなかったのかもしれない。
きょうは各スキー場は大混雑の模様。少し大回りして大佐スキー場へ向かい、時間も時間なので何とか駐車場の空きに入れた(料金\1000)。この連休は48時間連続オールナイトとのこと。ゲレンデは大佐山直下まで延びている。上部のリフト終了前にぎりぎりでリフト最上部へ。シールで8分登ると大佐山頂上、楽々ピークハントの山だ。さきほど登った臥龍山が、夕暮れの近づいた雲天の空にぼんやりと浮かんでいた。仮眠室もあるスキー場が今夜の泊まり場となった。風呂に入れないのと少し騒々しいのを我慢すれば、山の中で便利な企画であった(がはたして儲かったのだろうか)。
| 【縦走コースが楽しい広島の最高峰、恐羅漢山】 |
| 年月日 |
2001年2月12日(月) |
| 天気 |
曇り時々晴れ |
| タイム |
大佐スキー場(6:38)=恐羅漢スキー場(7:39)−ゲレンデ最上部(8:48)…恐羅漢山(9:02/9:22)
…旧羅漢山(9:49/10:15)…恐羅漢山(10:42/10:48)…夏焼峠(11:48/12:04)…砥石郷山(13:00/13:24)
…夏焼峠(14:09/14:15)…牛小屋ゲレンデ(14:40)〜スキー場(16:28)=戸河内(17:06)
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狭い山道で内黒峠を越えてスキー場に向う。一方通行時間帯が設定され対向車の心配は無い。大きなスキー場は何箇所かのエリアに分かれていて、そのうち山頂に直通する国設スキー場に入る。2本のリフトで頂上直下まで登ってしまう。シールで10分強登るとあっけなく山頂。まだ誰もいないが、ボーダーが遊んだジャンプ台の跡などあってここもゲレンデの一部だ。展望は北側の臥龍山と深入山をはじめ周辺の眺めが良い。
恐羅漢山頂上からの展望
臥龍山(左)と深入山(右)
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まずは隣の旧羅漢山を軽く往復。概ね平らで部分的に急な所があり、ずっとシール付けたままだった。山頂の大岩に上がると、南側の十方山や安芸冠山などの視界が広がる。戻る途中ボーダーに出会い、私のスキーのことを訊かれた。彼は以前山スキーをやろうとしたが、滑りが面白くないので山ボードに転向したという。新雪悪雪など山の滑りはボードの方が滑り易いと言い、山でもスキーの人は減ってしまい寂しい。でも樹林帯ではボードは厳しく、そういう所はやはりスキー(クロカン,テレマークも)だろう。
恐羅漢山に戻ると、何組か若いボーダーがゲレンデから登ってきていた。次はツアー本番で、北側の砥石郷山を目指す。何本かのシュプール跡もスキー場側へ下って行き、あとはずっとバージンスノーだ。尾根上は樹林もそんなに密ではなく、シールをはずして概ね快適な滑りが楽しめた。夏焼峠でシールを付ける。砥石郷山へは急登やヤブ気味の所あって、思ったより苦労した。細かいピークをいくつも越えてやっと末端の山頂へ。ゲレンデに占拠された恐羅漢山を振り返り見ると、誰一人登ってこないこちらのピークとあまりに対照的だ。
帰りは1166mピークでシールをはずして、最後の滑りを楽しむ。夏焼峠から牛小屋ゲレンデへ登山道に沿って下ることができる。途中ゆるい登りが多く、ここもスキーにはしんどい道だ。ゲレンデコース横を少し登ってから、広いゲレンデを端から端まで横断するような形で、出発点に滑り降りることができた。
| 【東北の山のように広大な阿佐山塊、しかしスキー向きとは言えず】 |
| 年月日 |
2001年2月13日(火) |
| 天気 |
曇り |
| タイム |
戸河内(5:09)=瑞穂ハイランド(6:30)ーゲレンデ頂上(8:22/8:27)…阿佐山(9:13/9:40)
…旭ゲレンデの先[折返し](11:04/11:20)…瑞穂ゲレンデ(12:10)〜スキー場(14:10)=瑞穂IC(14:15)
=栗東IC(19:36)=四日市東IC(21:05)
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地形が平坦でゲレンデの開発が進んだ阿佐山塊は、スキーなら楽に登れそうかと考えて、最終日に足を向けた。瑞穂ハイランドバレーから、長いリフト1本でもう阿佐山北峰の頂上だ。残念ながらガスの中である。主峰の阿佐山南峰を軽く往復、と考えたが甘かった。尾根は樹林が濃く、ヤブスキー状態でなかなか進まない。ゲレンデコースが尾根筋からはずれる場所から、私と同じように南峰を目指した先行者形跡あったがすぐに断念したようだ。今日もバージンスノー。鞍部に近づくにつれやぶは薄くなり、南峰への登りは何とか山スキーらしくなる。頂上まで1時間近くかかってしまった。樹林に囲まれた頂上には、中継所の施設があった。展望は期待できないが、広くて大人数のハイキングには良いところ。
三ツ石山から天狗石山へ続く阿佐山塊
阿佐山北峰直下のモミの森から望む
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シールはずして、鞍部まで樹林の合間を何とか滑って戻る。今日は家まで帰るために早めに切り上げるつもりだが、またヤブからゲレンデに出るのも嫌なので、シール付けてから試しに北峰を左に巻いて進んでみた。途中でこれまでの細かい雑木林からモミの森に変わり、木の間隔が離れて進みやすくなる。視界も広がり、折りしもガスが晴れて三ツ石山から天狗石山へ続く平坦な山塊を望むことができた。このあたりは東北の山の雰囲気が感じられる。ものは試しに進んだこのルートは大正解だった。
やがて北峰からの縦走路に出ると、昨日までのシュプール跡があり、それに導かれて三ツ石山方向に進んでみた。地形は平坦ながら樹林が結構密で視界は利かず、右に左に木を避けながら進むので、思った程には距離がはかどらない。旭テングストンスキー場のリフトが上がってきている所で、北峰と三ツ石山とのやっと中間ぐらい。先行シュプールは先へ続いているが、遅くならないようにこの辺で引き返す。北峰から最後に瑞穂ゲレンデの大滑降と思いきや、選んだコースが悪く狭い急斜面に露岩あって四苦八苦。ゲレンデ板に交換してもう1本まともに滑ってから帰路についた。
そんなわけで広島の山々は、必ずしも山スキー向きとは言えず、無雪期の方がやはりピークハントには楽である。でも普通の低山として登ってしまうのではなく、冬季はそれぞれ異なった魅力がある山々であった。ゲレンデリフトが利用できるのもメリットだ。また付近の三百名山である三瓶山は、地形がスキー向きではないと思い今回は割愛した。
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