南アルプス 鋸岳縦走 (西朋登高会)
【月日】 99年10月9日(土)〜11日(振)
【メンバ】 Y,U,O,私
【装備】 5人用テント,9mmザイル,登攀具,シュラフ,炊事具,ランタン,食料
【参考】 アルペンガイド,エアリアマップ,FYAMAALPバリエーションハイキング中部,他

年月日 1999年10月9日(土)
天気 晴れ(一時霧)
タイム 新宿(23:50)=辰野(3:40/4:53)=伊那北(5:20/5:25)=(JRバス)=戸台口(6:10/6:25)
=(村営バス)=丹渓新道口(7:15/7:33)…角兵衛沢入口(8:50/9:10)…大岩下岩小屋(12:15)

 今年は久々に西朋登高会に私が復活し、一回目は奥多摩の沢、そして今回は嬉しいことに 昨年WASTER CLUBで企画したものの断念した、鋸岳縦走に参加する機会を得た。どんな風に山行を 行っているのか楽しみである。この日は三連休で好天予想とあって、登山が趣味の人はいっせいに 山へ向かったであろう。満員の夜行列車からスーパー林道バスへ、乗り継ぎはスムーズに行って、 丹渓新道が横切る場所でバスを降ろしてもらう。
 鋸岳の険しい山容が登高意欲を沸かせる。若い人と一緒で付いていけるかと思いきや、 皆さんは荷物が重くゆっくりのペース、私は軽量化装備のため楽であった。共同装備のほとんどを 持ってもらっているので助かる。
 丹渓山荘から戸台川沿いの一般道はあまり整備されておらず、途中何箇所か渡渉を強いられた。 飛び石できる場所を探したりあきらめて靴を脱いだりで時間を食う。出合を通り過ぎないように
大岩下の岩小屋 岩清水の涸れることがない絶好のテントサイト
地形図をながめながら行くと、角兵衛沢入口には二つの標識があり鋸岳への登路を示している。 圧迫されるように急な、これから登らねばならない角兵衛沢を見上げる。ここで本流の 最後の渡渉、飛び石で岩が滑り水の中にドボンしかけた。
 樹林の中の単調な登り3ピッチで大きな絶壁の横に出る。Niftyのレポートからはこの辺が 大岩と思われたが、エアリアマップの間違った記述に惑わされ少し先へ行き過ぎる。 Y氏が戻って偵察して岩小屋を見つけてくれた。登山道から少し外れて見つけにくいが、 岩壁の基部に岩清水がしたたっていて、オーバーハング岩の下の平坦地に3張り程張れる。 この季節でも水が涸れず、中アも眺められて素晴らしい場所。
 早く着いたので一杯やってから昼寝タイム。その間に5人パーティと単独者が登ってきて3張り となった。Uが持ってきたランタンのおかげで夜も明るく過ごせた。準備してくれたなつかしのペミカンに よるチンジャオロースも美味。かつて西朋はインスタント食中心だったが、食べ物の新たな 開拓も毎回趣向を凝らしている様子、もちろん失敗談もあり。ワンゲルOBの会員は、定年退職した方から 学生まで幅広い年齢層でつながっていて、なつかしいメンバーの近況や会社の状況の話に熱中した。 学生のメンバーがなかなかまとまって集まらないのが最近の悩みだ。

年月日 1999年10月10日(日)
天気 晴れ
タイム 大岩下岩小屋(4:50)…角兵衛コル(6:47/7:07)…鋸岳(7:23/7:33)…鹿窓(8:30)
…第二高点(9:21/9:54)…六合(12:09/12:28)…甲斐駒ヶ岳(14:21/14:39)…七丈(15:58)

 少し寝過ごしたが三張りの中では一番に出発。ヘッドランプを頼りにガレ場を登る。 二股を右へ入るというアルペンガイドの記載が気になって、二箇所ほど右のルンゼに入るの か迷うが、いずれも左で良かった。スフィンクス岩のシルエットと朝日を浴びる中アに気分爽快。
鋸岳山頂から続く岩稜の縦走路
中央が第二高点、左は甲斐駒、右奥は北岳
途中テント場を何箇所か見かける。コルが見えてくると大きな岩がゴロゴロしてルートが 不明瞭になるが、再び踏み跡が出てくる。コルでハーネスを装着。
 鋸岳山頂へは高度感ある稜線をたどる。特に困難な箇所無く頂上に到着、誰もいない。 北ア,白山,中ア,恵那山などくっきり晴れ渡って見える。行く手の縦走路は切り立った岩場上に 危なげに続く。尖った北岳と甲斐駒、対照的におおらかな仙丈と北部三山の好展望台でもある。
 気を引き締めて第二高点までの最難所に突入する。最初の難所は小ギャップの懸垂下降。 頼り無げながら固定ロープもあって、登りならば右側のリッジをザイル無しでも行けそうだ。 続く樹木の混じる急登,ナイフリッジと岩場が続き慎重に行く。山梨側(ここは北東が山梨側、 南西が長野側で普通の感覚と逆なのでややこしい)の巻き道から岩場の稜線に 這いあがると、ギャップになって行き詰まる。どうやらここが鹿窓の真上らしい。長野側のルンゼを 先行パーティーが慎重に下降しているのが見える。あのパーティーは私もお世話になったガイドさん (釜無側から入山)のものかと思っていると、「ルート違いますよ〜」と下から声がかかる。 あの声はやっぱりそうだ。今回は9人パーティーと盛況の御様子。
第二高点(左)と鋸岳(第一高点)(右)
第二高点の下りは険しく見えるが道はしっかりしている
 巻き道のところまで間違って登ってきた岩場を下降、浮き石が多くいやなクライムダウンだった。 巻き道をたどるとすんなり鹿窓の前に出る。見事に小さくくり抜かれた穴から仙丈が覗く。不思議な造形に 全員驚きの声をあげた。鹿窓内部は浮き石だらけで落石に細心の注意を払う。その先急な岩場を、 固定ロープにも頼ってクライムダウンした。ここは懸垂で下ったほうが無難とも思われる。 次第にルンゼの踏み跡がはっきりしてくる。最後尾のY氏が左に岩場のバンドをトラバースしていく ルートを見つけそっちへ行ってみる。足場はしっかりしているが高度感あって緊張する。無事尾根を 廻り込むことができた。先行のガイドツアー隊はもっと下から別のルートを廻って、第二高点へ 登っていって既に見えなくなった(彼らのペース早くてこの後ついに追いつくこと無かった)。
 大ギャップからのルンゼに出ると上から女性二人が落石を起こして「すいませ〜ん」と言いながら 懸垂で下りてくる。後ほど、かの女性のみの山岳会Bの方々と判明、大ギャップからなるべく稜線伝いに 直接第二高点に上がろうとして断念したらしい。我々はルンゼの左側を少し下降して第二高点に 上がる踏み跡に出た。ここには指導標も有って、樹林帯の急な道を登っていくと第二高点に着く。 逆コースだとNiftyでも議論あったように、このバンドのルートは非常に見つけにくいと思う。 (少なくとも計3種類のルートがあるということだ。鹿窓をくぐらずに巻き道を進んで大ギャップへ 懸垂下降するルート、我々の通ったバンド、ガイドツアー隊の通った下のルートでおそらくエアリア マップに記載されているもの)。 このコースを引き締めているバリエーション的な難所も終了し、第二高点で展望を満喫ながら楽しい ランチタイムを過ごした。鋸岳(第一高点)は丸いドーム状の岩が突き出した形、
六合から甲斐駒への登り 紅葉と花崗岩の岩肌が美しい
鹿窓のギャップから巻いてきた第三高点のピークの上は思いの外平らで、ここからはそれほど難所には 見えない。逆コースの登山者にも3組ほど会う。その中に偶然海外トレッキングのツアーリーダーで お世話になったKさんに会った。彼は相変わらず写真を取りまくっていて、一番若いUがさりげなく 被写体になった。
 第二高点からはガレ場を急降下、道はしっかりしている。下ってから振り返ると結構険しく見える。 六合までやぶっぽいコメツガの樹林の道を行く。今までの岩場やガレ場よりこの方が南アルプス らしさが感じられる。六合にて尾白川本谷を遡行してきた二人組に会った。この二人がY氏の大学 ワンゲルの後輩と判明。この世界は狭いものである。山岳会Bの方と前後しつつ、甲斐駒への登りを 頑張る。紅葉と花崗岩の岩肌が独特な雰囲気を感じさせる。途中1箇所岩場有り、固定ロープを使わないと ややきつい。
 ついに甲斐駒頂上までやってきた。困難な縦走のあとにピークを踏むのは感慨もひとしおだ。 鋸を振り返り、富士や鳳凰などを愛でる。北沢峠からの登山者ラッシュもそのピークは過ぎていたので、 落ち着いて一息着くことができた。下山は予定通り黒戸尾根とする。北沢峠でなくこの尾根を登る 登山者も相変わらず多いのには感心する。明石沢奥壁(こんなとこフリーで登るなんて信じがたい) など目指すらしきテント村を過ぎ、鋸より険しい垂直の鎖場を、丈夫な鎖を頼りに下って、 七丈のテント場で本日の長い行程を終えた。

年月日 1999年10月11日(振)
天気 晴れ
タイム 七丈(5:10)…五合目小屋(6:08/6:20)…分岐(8:02)…横手駒ヶ岳神社(10:04/10:26)
=(タクシー)=韮崎(10:55)

 朝焼けの富士を見ながら懐かしい黒戸尾根の下降を続ける。私が18年前来たときは七合目が 無人で、五合目小屋に管理人が居たが、今は七合目小屋が新しくなり五合目は無人になった。 五合目より下部は危険な岩場も無くなり、単調な下りを続ける。日向山から大岩山への稜線を望み、 道もあるようなのでいつか行ってみたいと思う。分岐から横手口へ下ることにして、水場から 山腹を平らにからめて、再び道が下るようになるとまもなく駒ヶ岳神社だ。バスはしばらく 無いようなのでタクシーを呼び、早めの帰京となった。

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