インドネシアの旅 火山登山・名所巡り・失敗談 今回はたくさん撮った写真がほとんど没になってしまい、写真なしでの報告になります。 8/10 NH855便 羽田→ジャカルタ    独立記念塔など市内散策、ジャカルタ市内泊(Citi M Hotel)  人口は世界第4位、1万数千個の島から成り国土面積は日本の約5倍で、最近TVでも話題にされ急発展 を続けている国、そして日本と同じようにプレートの境界に位置して3000m級の火山も多数。こんなインドネ シアの様子を生で垣間見つつ山登りを楽しもうと出かけた。9月ぐらいまで乾季なのでトレッキングに適した シーズンだ。  ジャカルタは大都市で道路渋滞が激しくあまり魅力が無い所だが、せっかくなので一泊して都市の様子も 見ていく計画だ。空港を出るとすぐ女性が日本語でタクシー呼び込みがあり、良く考えずに乗ってしまう。 高速代含め40万ルピー(この時点で1円=128ルピー程度)はしょっぱなから相当ボラれたと後でわかる。高速 を使うとだいぶ遠回りして目的のホテルに向かうのだが、渋滞しても1時間はかからずに到着。道路はバイ クの洪水がすさまじく、運転は割り込みや車線無視に警笛を鳴らしまくり非常に乱暴、最初はびくびくだっ た。みんな慣れたもので事故は見かけない。ネット予約したホテルは、少し辺鄙な場所であるが\2000代で TV・エアコン・シャワー付き、清潔でまともな所。とにかく物価は安く、お札の金額の桁が違うので金銭感 覚が麻痺してしまう。  夕方、比較的近くのモナス(独立記念塔)を散策、広大な緑地に入口が1つだけなので外周をかなり迂回 して歩く。人々は日中の暑さを避けてジョギングやピクニックなどのんびり楽しんでいた。次にモナスに隣 接するガンビル駅へ鉄道を見に行く。高架線のガード下が駅構内で日本の地方駅みたいだ。切符を買わない とホームに入れず、待合所は地元の人や観光客でごった返していた。東京付近を走っていたような電車がガ ード上を走るのが見られ、日本の協力で都市の鉄道の普及が進みつつあるが、まだ利用しにくい感じだ。 元々鉄道は遠距離中心で時間もかかるので、駆け足の旅行者には不向きだ。駅構内にあるレストラン街で夕 食に定番のナシゴレンを食べる。スパイシー?と聞かれ喉が乾かないようにそれは無しで頼む。イスラム教 が主流のためかどこにもビールが無いのが寂しいが、かわりに好きなフルーツを選んでミキサーにかけた生 ジュースを頂く。インドネシアの食事、健康的で味付けもなかなかいける。日も暮れてモナスをはじめ周辺 の大統領官邸など美しいイルミネーションを見ながら歩いてホテルに戻った。 8/11 GA0430便 ジャカルタ→ロンボク島    セナル村泊(Rinjani Trekking Center)  日の出前から大音声でコーランの歌を流しているイスティクラルモスクを見に行ってみる。アジアでは最 大級といい早朝から中を見学でき、受付にいた僧侶風のおじさんに日本人か?と聞かれ親切に中を案内して もらうが、後から5万ルピーと言われる。これでは寄付は任意でなくて強制だ。5時過ぎから動き出す新交通 システムバスウェイにICカードを買って乗りこみ、一番の観光ポイントである旧市街のコタに行き、歴史的 な建物と跳ね橋などを散策、駆け回りではあったがオランダ植民地時代の雰囲気を味わう。ICカードが無駄 になってしまうのは記念とする。ホテルへ戻って朝食。バイキング形式で洋食の他にライス系もあってなか なか満足、この国の米はアジアではとても優秀で白米でも十分食べられる。空港までのタクシーを呼んでも らうと、評判が良いと言うブルーバードタクシーが来て、メーター料金と高速代含めて来た時の1/3の金額 だった。ガルーダインドネシア航空でロンボク島へ2時間ほどのフライト、ランチの提供あり、時々雲の上 に火山が顔を出していて期待が高まる。時差が1時間あり東西に伸びる国の大きさを実感。  3日間のトレッキングを申し込んだRinjani Trekking Centerのドライバー、プツさんの出迎えを受ける。 マタラムの市街地を通りぬけていくと、ここもバイクの洪水で人が多く、離島という雰囲気は感じられない。 山間部に入ると道幅は狭く村人がデモ行進のように列をなして道路上を大手を振って歩いていて渋滞のノロ ノロ運転。独立記念日の行事だそうで、来週8/17の前後は国中でいろんなお祭りが続くそうだ。トレッキン グ手配会社のある登山口のセナル村まで3時間以上もかかった。メールをやり取りした代表のクスさんに会 う。小さな事務所1つだけだが山の案内図が大きく掲げられ簡単な説明を受けた。クスさんは若くてひょう きんもの、アララット山の時のガイドと同じ乗りだ。ポーターや食事など全て込の費用185US$を払う。3時 間もの送迎込みでこの値段は何という安さだろう。裏の簡素なホテルに一泊。クスさんに夕食に良い所がな いか訊くと、いっしょに食事をするんだね、Thank You! Thnak You!という調子。しばらくして近くのホテル にあるレストラン行きメニューなど説明してくれた。マヒマヒという魚料理がお勧めといい笹の葉をとんが り帽子にしてくるんだナシ(ご飯)が付く。ビンタンというインドネシアのビールをやっと飲むことができた。 魚は新鮮だしビールもなかなかいける!クスさんも別の料理を注文したが家族と先に食べたから少ししか食 べられないと言って私に分け与える。私も腹いっぱいで食べきれず最後に勘定は全部私が払うことに。良く わからないがこういう人たちなのだと思うことにする。レストラン隣席にいたフランス人夫妻は明日から2 日間で山頂を狙うと言っていた。 8/12 センバルン村登山口で国立公園入山手続き    プラワンガン2(RIM-II)(2700m)へ登りテント泊   昨夜は雨模様だったが朝は青空が広がった。熱帯の乾季の天候は大体こんなものらしい。朝食は定番の1 つバナナパンケーキとコーヒー(フィルターで濾さずに豆が沈んでいるので味がきつい)。同行メンバーはシ ンガポールのエルトン(20歳)とフランスの鼻が高い女性マチルダ(30歳)で、私以外トレッキングは初めてと いう。3日間コースは特に2日目が初めての人にかなりきついかと思う。ガイドはバンコークといい、年は 若そうだが背が低めでおとなしい感じ。トラックに荷台に装備・ポーター2名とともに乗りこみ、別の登山 口センバルンラワンに向かう。こちらの登山口がメインでツアー会社・商店・宿泊施設も豊富。リンジャニ 山頂までここから2日間で往復できる。国立公園管理所で名前・パスポート番号など記入して簡単な入山手 続きを済ませる。今回夜間登山が多いので必需品だったヘッドランプを忘れてしまった。ガイドの案内で付 近の店で購入。懐中電灯にベルトを付けた間に合わせ程度のもので、ベルトがはずれやすい粗悪品だったが、 電池はPanasonic製で自分の頭に合うようにベルトを付けかえると何とか使えそうだ。  多くの登山者で賑わう草原状の緩い登りを行く。最初からかなりのペースで飛ばすので荷物は軽いものの ついて行くのが大変、初心者の2人は黙々と歩いている。何本かの沢周辺の岩場が景色に変化を与えてくれ る。日が照るととても暑いが、ガスが流れて日が遮られるので助かる。あずまやのある広い休憩場所が下か らPos1,Pos2....と名付けられ、Pos2でシートを敷いてガイドとポーターがその場で昼食を調理してくれる。 お客様用の椅子まで担ぎ上げてくれた。各ツアー会社がみんな同じように広場じゅうでランチタイムをやっ ている。この日はチキンで、その後も焼きそば・カレー・スパゲティなど割りとあっさりしたインドネシア テイストで楽しませてもらった。豆に直接お湯を入れたこちらのコーヒーはきついので飲み物は紅茶。デザ ートはパイナップル・マンゴー・オレンジなど生のフルーツだ。  Pos3の先は急坂となり、火山性のザラザラした砂で滑りやすい。各自のペースでばらばらにプラワンガン 2(火口壁の尾根クレーターリム RIM-2)に16時過ぎに登りついた。初日から標高差1600m位の登りはちょっと こたえる。登頂ツアーのテントが尾根にびっしり、10分ぐらい先に進んでやっとスペースを見つけた。男性 と女性用2張の大きいテントと寝具も準備してくれ余裕だ。最初はガスで何も見えなかったが、夕方には霧 の晴れ間に火口壁から続く山頂や眼下のカルデラの湖とスンケレアン山(2919m)などの外輪山が垣間見えた。 ポーターが到着していないのでテント内でうとうとしていると、すっかり暗くなってから夕食ができてきた。 明日は午前2時出発予定なので早々に寝袋に潜り込む。 8/13 リンジャニ山頂(3726m)でサンライズ、プラワンガン2へ戻りスガラ・アナッ湖(2000m)へ下る    反対側のプラワンガン1(RIM-I)(2641m)へ登りかえしてテント泊  軽食を口にして軽装で出発したのは2時50分、1時間ぐらいは誤差範囲というのがこの国の時間感覚か。 天気は良さそうで満月と星空を見上げる。先に出発したグループのライトが点々と連なっている。出だしの 急登でエルトン君はナイキのランニングシューズなのでずるずる滑って苦労している。靴が悪いと蟻地獄に なるのだ。マチルダも高度の影響でペースが上がらない。急登を終えるとカルデラ湖と外輪山、島の海岸線 や街の灯りが月夜に眺められる。この先は火口壁の尾根に明瞭な道が続き登山者も多数。2人のペースが遅 く休んでばかり、ガイドが先に行ってもいいというので他の登山者に混じって緩やかな尾根を進み、最後に 再び滑るザレ斜面の登りを踏ん張る。山頂直前で日の出を迎え、頂上着6時25分。眼下に外輪山と中央のカ ルデラ湖と噴煙を上げるバル山(2351m)、海の向こうにバリ島のアグン山、反対方向にスンバワ島など完璧 な展望であった。狭い山頂は大混雑で写真を撮るのも順番待ち状態。30分ほど遅れて他のメンバーも到着、 日の出の時間帯が過ぎると皆下っていくので、山頂も空いてきてゆっくりできた。  下りは荒々しい火口壁や噴煙を吹くバル火山の姿を眺めながら各自のペースでゆっくり下る。途中登山者 慣れした猿の群れを見た。食べ物を与えると体の大きいボス猿が小さいのを追い払い奪い取っていく。餌が 少ないのかここの猿は気性が激しい。テントに戻ると遅い朝食を提供してくれ、1時間ほど休憩。ここでの 生ゴミは猿がきれいに平らげてくれる。高度差1100mの山頂アタックを終えても、さらにカルデラ湖へ600m 下り再びリムへ600m登りかえすという試練が待っている。ジグザグにつけられた道を急降下しすると、樹林 帯の緩い起伏を繰り返し何回か沢を横切り、この辺は日本の山にも有りそうな雰囲気。裸足で駆け足のポー ターが往来がするたびに道を譲るために立ち止まる。カルデラのスガラ・アナッ湖畔に到着して大休止のラ ンチタイム。キャンプや釣りを楽しむインドネシア人たちの姿も見られ、子供達が木につるしたハンモック で遊ぶ姿が無邪気だ。午後になると雲が湧いてきてしまうが、霧の晴れ間に頂上アタックの際に見下ろした バル火山を見る。200年程前にできた新しい火山で麓のいたる所で噴煙を上げて迫力の姿を見せてくれる。 次は10分ぐらい谷へ下った所にあるホットスプリングスへ。豪快なお湯の滝壺は天然のプールと化して大賑 わい。水着を置いてきたのは大失敗、私は服を着たまま手足と顔をつかる程度。他の2人は荷物はコンパク トなのにしっかり野天湯セット持参で泳いでいた。  お楽しみの後は600mのきつい登り返し。顔なじみになった別のグループと相前後して進む。何故かフラン スとUSAのトレッカーが多いが、冒険好きのお国柄なのか。樹間から時々覗く湖の眺めを励みにスンケレアン 山へ向けて急な登りの後、途中から道は左へトラバース、細かい上下のある長い道のりを経て17時過ぎにや っとRIM-1に到着。既に所狭しとテントが張られ、山腹を10分ほど先に進んだ所に我々のポーターがテントを 張って待っていた。ここまで来れば緊張もほぐれ、夕食時にはメンバー3人で打ち解けて、お酒は無かった が身上話や旅行の話などがはずんだ。 8/14 セナル村へ下山    JT 955便 ロンボク島→バリ島デンパサール    バリ島クタ泊 (Kedin's Inn)  7時20分に出発、今日は標高差2000mの大下りだ。眼下の緑のじゅうたんを目指して滑りやすい急降下、先 行の遅いパーティーは追い抜いて行く。標高を下げるとほとんどジャングルの中なので、往路の草原に比べ て展望がないものの涼しい道で熱帯樹木の鑑賞もできる。Pos1は空きスペースが無くさらに下った露店の並 ぶ登山口付近で最後のランチ、スパゲティを茹でて作ってくれた。私は飛行機の時間が気になるが、ガイド 氏は間に合うよとのんびりしている。地元の若者がオジェッ(バイク)や馬で下までxxルピーでどうかと盛 んに声をかけてくる。公園事務所のあるセナル村車道終点に12時20分着。迎えの車で5分でクスさんの待つ ツアー会社に無事戻った。登頂証明書を頂きコークで乾杯。  帰りは送迎車に3人同乗、この後はギリ三島でのんびり過ごすというエルトン君と途中のバンサル港でお 別れ。港からバリ島へ船に乗っても2時間だが、1日2本しかなく今日の便はもう無い。フランスへの帰途 につくマチルダさんとは空港でお別れとなった。私はバリ島へ格安のライオン航空を予約していた。 E-Ticketには1時間半前までに空港に来ることという脅し文句が書かれているが、1時間前に空港着でも余 裕であった。この国では国内線は少なくとも30分遅れるのが常識のようだ。  バリ島のグラライ空港は観光のメッカだけあって、伝統文化芸能の装飾に覆われ雰囲気がまるで違う。空 港の外もショッピング街の趣、メータータクシー乗り場は無く、日本語でしつこく声をかけられ時間も遅い ので20万ルピー払って乗ってしまう(またしてもボラれた)。宿泊地のクタはすぐ近くであるが渋滞が激し い。タクシーは観光客やサーファーが闊歩する繁華街を抜けていき、場違いな所に来たかなという印象。し かしネット予約した宿は、ポピーズ1という汚くて狭い裏通りにあり、エアコン無し・シャワーの温水無し で一泊朝食付き\2000以下ながら、中庭のプールを望むバルコニー付でリゾートの雰囲気も味わえる面白い 所だ。フロント横にツアーデスクがあり、おじさんが早速「社長!」と声をかけてきて、明日朝からトレッ キングの迎えが来るまでの間、60万ルピーでタナロットなどの見どころをまわってもらうことにした。コン ビニやレストランも多数あり、ビールにも困らない。バリ島は普通のインドネシアとは別の世界だ。 8/15 午前中 タナロット寺院、タマンアユン寺院の観光    テガラランの棚田を見て、バトゥール湖畔のトヤブンカ泊(Bali Sunrise Villas)  「社長!」が口癖のツアーデスクのおじさん運転でタナロット寺院とタマンアユン寺院をまわる。市街地 はどこも渋滞で車の移動には思ったより時間がかかる。日本語も英語も中途半端なので観光的説明はあまり なかった。タナロットは朝から多くの観光客でにぎわっており、実際に訪れてみるといくつもの断崖の景観 や周辺の寺院群を巡ることになり、写真で見るよりスケールが大きく見ごたえがある。本家となる孤島の寺 院へは、干潮ではなかったが海に入って島に渡りお布施を納めて聖なる湧水にも触れることができた。この 断崖上の寺院へ上ることは真のヒンズー教徒でないと許されない(最近日本のTV番組で特別に上に登らせて もらった放映があった)。このあとタマンアユン近くのコーヒー園に寄ってくれ、園内見学・各種紅茶の試 飲、何より日本で幻のコーヒーとも言われ1杯三千円以上するというルアックコーヒー(ジャコウネコが呑 み込んで糞として豆のまま排泄したものを取り出す)を〜500円で飲めたのが収穫。檻で飼っているジャコウ ネコや豆を燻したり挽いたりする道具も見せてくれた。普通のジャワコーヒーと味はそんなに変わらないが、 比べると香りは深くてまよらかで飲みやすい。おみやげに100gの豆を50万ルピー程で買った。  海鮮レストランで昼食をとったので、約束の14時に遅れてしまったが、Bali Sunrise Trekking and Tours からの迎えの車が宿で待っていた。トレッキングを先に申し込んだのでやむを得ないが、渋滞の道をまだ同 じ方向に戻ることになり効率が悪い。ウブドの先テガラランに立ち寄り、棚田の景観を楽しむ。棚田は至る 所で見られるのだが、ドライバー氏はここが一番だと言う。谷を隔てて反対側の急斜面へ広い視野で見られ るのがここの特徴か。彼はこの町に住んでいるらしく地元のひいき分もあるようだ。車はキンタマーニ高原 へとぐんぐん高度を上げる。この付近にもルアックコーヒーの看板を見かける。道路は外輪山上に出て、ち ょうど夕立も上がってバトゥール湖のカルデラと登山予定のバトゥール山・アグン山、外輪山のアバン山 (2152m)も顔を見せてくれた。さらに30分、カルデラに下り田舎道を走って18時にやっとトヤブンカのヴィラ に着いた。数部屋程度で規模は小さく今回申し込んだトレッキング手配会社が所有、朝食付一泊50万ルピー で今回の旅では一番贅沢な宿。周囲は静かな山村で、熱帯植物に囲まれた重厚な離れの部屋、バスルーム等 の設備は新しくて快適。周辺にはもう少し大きいホテルもあるが、客は少なそう。小さくて小汚いワルン (地元の人も利用する安い食堂)を見つけて入り、中の人が食べていたのを指さして同じチャプチャイ (中華風野菜炒めで、野菜の味噌煮込みという感じ)・ライス・ビールは無くテーブルに置いてあるカップ 入りの水。超安上がりなのにお店の見た目からは信じられないほど美味しかった。 8/16 バトゥール山(1750m)登山、山頂でサンライズ    温泉スパに行き、午後は明日に備え休息、トヤブンカ泊(Bali Sunrise Villas)  ヴィラの食堂に午前3時半に集合し紅茶とスナックの軽食、送迎車で到着した人を含め20人ぐらいがトレ ッキングに集まった。標高差700mの往復であり、観光客でも参加できるレベル。4人に1人のガイドが付き、 水とランプが支給され4時過ぎにホテルから歩いてスタート。私はイギリスとUSAの若い女性のグループに入 る。はじめ里道が入り組んでガイドが居ないと迷ってしまう所。進むにつれ1つの登山道に合流していき、 別のツアーなど大勢の人が入り交ざって登るようになる。例によって早いペースでぐんぐん上がり5時40分に 山頂着。服を着込んでベンチに座り日の出を待つ間、山頂周辺の様子を見に行くと数件の山小屋で飲み物や 軽食を売っている。さらに噴気が上がり熱気がこもる細い道が続き5分ほどで最高点付近まで来た。この先噴 火口の周囲を歩けるようだがツアーなので引き返す。噴煙のためほとんどの人は小屋の先へは行かないよう だ。登っている間は満点の星空だったが、山頂に着く頃から雲が湧いてきてきれいなサンライズは見られな かった。時折霧の切れ目で薄日が差して外輪山の一部が幻想的に輝く程度。茹で卵とパンの朝食Box支給有り、 7時にはあきらめて下山開始。  隣のもう一つのピークを経て尾根どおしに下ると、山頂を覆っていた雲の外に出て、カルデラとアグン山 の展望が得られた。このまま展望皆無かとあきらめていただけに、これでこそ登った甲斐があったと喜ぶ。 カルデラの一部が黒くなっている場所が最近の1926年の噴火跡らしい。この時被災したキンタマーニ村が外 輪山上に移転したそうだ。ガイドにインドネシア山旅の経過を話すと「あなたは強いから明日のアグンさん も大丈夫だよ」と言われた。  ヴィラでシャワーと2度目の朝食を頂き、せっかくなので一服後近くの温泉施設Toya Devasya Natural Hot Spring & Camping Resortへ行ってみる。フロントの若くて元気なお姉さんが割引券12.5万ルピーを発 行してくれ、友達の若い娘とバイク2人乗りで送ってもらうという嬉しい体験をするが、場所は昨日のワル ンの目の前でものの1分で到着。広い露天が5つと温水プールがあり、湖と対岸のアバン山やバトゥール山 も眺めながら骨休みでき、ちょっと高いが来てみる価値はある。昨夜と同じワルンで定番の1つナシチャン プルのランチ、ご飯にお店独自の惣菜を付けたこの国のおふくろの味である。アグン登山に備えて夜までヴ ィラで寝るつもりだったが、民家の鶏の鳴き声やバイクの音が気になってあまり寝られずガイドブックを眺 めたりして過ごす。夕食はヴィラのレストランで湖の魚料理、日本だとニジマスの出番だが、もっと脂がの った大きな魚でうまい。夜10時に迎えの車でいよいよ聖なる山アグン登山へ出発。 8/17 アグン山(3140m)登山、山頂でサンライズ    クタへ戻りビーチや街の散策、クタ泊(Kedin's Inn)  ブサキ寺院参道の前でガイドと待ち合わせ、帰りも同じ車なので不要な荷物は置いていく。アグン山はバ リヒンズー教では世界の中心、ブサキ寺院もバリヒンズーの総本山という位置づけで、バリ島では最も神々 しい場所ということになる。寺院入口の割れ門はこの時間当然閉ざされている。ガイドのバイクで寺院群の 左側に続く車道を上がり、30もの複合寺院のうち一番奥に位置するペングベンガン寺院が登山口。入口から 200mぐらい上がったので少しでも標高差が減るのは助かるが、それでも1900mぐらいの標高差を上下する計算 だ。このブサキからのコースは長くて一番大変だが、最高点に立つ為にはここを登る必要があるということ。 登山口に駐車場と露店があり、水・行動食・ヘッドランプを受け取ると早速出発。何とガイドと私の1対1、 これでガイド代はバトゥール山と大差ないのでえらくお得料金だ。他の登山者もちらほら見られ、先行者を 追い抜いてぐんぐん登っていく。私はSlowly Please!を何度口にしたことか。平坦になった広場で最初の休 憩。中央の大木が御神木らしく、笹の葉を四角の箱に折って花と線香のような草を燃やしたお供えを置いて 祈りを奉げている。各地の寺院でも信心深い人々がこの方法でお参りしているのを見てきた。  登山道は一本調子の登り、学校の団体登山らしき子供たち・ガイド登山の外国人・家族で登山などさまざ まなスタイルの人たちで賑わっている。疲れて超スローペースだったり道端に寝込んだりしている人も多く みかけた。自分はまあ順調に登っていき、3時過ぎに岩壁の下に祠が立つ場所に出た。この先は樹林帯を抜け て岩場になるらしく日の出までの時間調整でここで大休止の人が多い。自分の高度計は2600mを超え先は見え てきた。岩場といっても大したことはない。クレーターリムに沿った登りで展望も広がり背後にはバトゥー ル湖のカルデラが月や街の明かりに照らされてくっきり見える。いつのまにかガイドは少年と若い女性と一 緒に行動している。後で彼の息子と妹だと聞く。さすがガイドの血筋だけあって強い、自分は彼らのペース では歩けず時々待ってもらう。  4時35分にピークに登り着きこの辺で日の出を待つ人も居たが、最高点はまだ先で火口壁沿いの平坦な細い 道をさらに進んで4時50分に頂上に到着。まだ到着している人は少なく、これから人で一杯になるので座る場 所を確保。日の出を待つ間じっとしていると冷えるのでできるだけ着込み、テルモスの紅茶を頂く。この先 は急峻な崖で確かに反対側からここまで登れる道は無い。山頂の標高は3140mとされているが、一説では 1963年の大きな被害を出した噴火で山頂部が消失して低くなったと言われ、自分の高度計も3000m強の値を示 していた。その後は静寂を保っていて現在噴煙は出ていない。6時過ぎの日の出の時間帯は狭い山頂は超満員 であったが、リンジャニ山の方角から登ってくる太陽をしっかりお迎えした。山頂の聖なる岩に祈りの唄を 唱えている人も居れば、一段下からドローンを飛ばして上空から撮影している人も。先ほどまで晴れ渡って いたバトゥール山のカルデラ付近に日の出直前から急に雲が湧きだして昨日と同じ状況、地形によって朝日 が当たるとカルデラ部分に霧が発生するようだ。西側のカトゥール山(2096m)やバトゥカル山(2276m)などの 山なみやバリ島北東部の海岸線の眺めも堪能して6時40分に下山開始。一方的な下りなので早い早い!この場 に及んで「あなたはとても強い。これだけ早く歩けるお客さんは珍しい」と言われ、それならもう少しゆっ くり登っても良かったか。無線で会社のボスと常に連絡を取り合っていた。2時間半で登山口まで下ってし まい、首尾よく迎えの車も到着していた。  ドライバーにランチに寄って行くか訊かれ、今回の行動食は貧弱で腹も減っていたので賛成する。独立記 念日の祭礼中のブサキ寺院を横目に山を下って案内されたのがレレン・アグン・レストラン。雲が湧いてき てしまったが正面にど〜んとアグン山が聳えている場所。こんな立派な所でなくても良かったのにと思いな がら、牛肉料理とビールを注文。ナシ(ごはん)とデザートのフルーツも持ってきてくれたが、請求書はビ ールだけでランチ代はツアーに含まれていたようだ。隣にコーヒー農園があったので入ってみると、タマン アユンと全く同じパターンで説明を受け、紅茶の試飲はパス。ルアックコーヒーをまたおみやげに100g買っ てしまった。ビールも入ってうとうとしてるうちにクタのポピーズ1通りに戻ってきた。すっきりした青空 で強い日差しが照りつけている。明日のフライトまでは、水着を着てプールやビーチでのんびりし、夕食前 に付近の散策をするなどして過ごした。 8/18 JT 923便 バリ島デンパサール→ジャワ島スラバヤ    ブロモ山へ車で移動、チェモロラワン村泊(Yog Bromo Homestay)  バリ島とのお別れにクタビーチ沿いに歩き、ディスカバリモールで民芸品や衣類・ゲームセンターなど見 て一周する。ここにもルワックコーヒーを売っていて少量ずつ3種類粉にしたセットを買った。これでは幻 のコーヒーではなく値段が高いだけだ。ショッピングモールから空港までメータータクシーだと8万ルピー で済んだ。次の目的地ブロモ山を目指してジャワ島スラバヤへ航空機で移動。スラバヤのエアポートタクシ ー窓口でブロモ山の上まで行きたいと訊くと、はじめ100万ルピーと言われたが隣のカウンターが70万ルピ ーに値下げしたので、バス乗継ぎの手間も省けるのでOKした。市街地で慢性的な渋滞に加えトレーラー横転 事故の渋滞が加わり、またこの運転手は山道に入ると慣れていないらしくかなりノロノロ運転で、トータル 5時間もかかって日も暮れた18時30分にやっと最奥のチェモロラワン村に到着。人を見るたびにジープに乗 らないか?バイクは?と声をかけられ、自分は歩いて行くとひたすら断り続ける。目の前が登山口という粗 末な宿に一泊。値段が\2000以上は高いとネットのコメントは不評だったが、早朝からブロモ山に登るのに 便利という理由で予約した。近くのホテルのレストランは混んでいたので、屋台とワルンのミーアヤム(チ キンラーメン)+ナシ+串焼き肉などを食す。付近の商店で行動食と飲み物は手に入るが、アルコール類は お預けとなった。 8/19 プナンジャカン山(2770m)登山、山頂でサンライズ    クレーター砂の海からブロモ火山(2392m)へ、火口一周    JT 923便 スラバヤ→ジョグジャカルタ    ジョグジャカルタ市内泊(Casa Raffles Guesthouse)  早朝3時に、地球の歩き方を見ながらサンライズの名所であり外輪山の最高峰プナンジャカン山へ歩いて 向かう。ほぼ観光地化していることもあり、ツアーではなく単独で自由に廻る計画。畑や民家の間を縫うよ うに登っていくと露店が並ぶ車道の終点。ここまで車、バイク、馬で来る人も居る。広い道を歩いて登ると 展望の良いSERUNI POINTと書かれた展望所があり、日の出を待つ人が多い。ここで道が終わっているように 見えるが、岩の露出した急坂を一段上がると山道が続いている。急に人が居なくなって少々不安を感じつつ 登っていくと、別の展望台に着き再び人が増えた。山頂まで車道が通じて、ほとんどの観光客はジープで日 の出を見に来るので、駐車したジープとバイクの洪水状態。露店の並ぶ階段を上がって山頂に登ると1000人 以上は居ると思われる大混雑。登りの所要は1時間40分だった。人をかき分けて山頂を一周してみるが、これ では人の頭ばかり見ることになるので、先ほど通過した一段下の展望台へ戻る。ここで快晴のサンライズの 山々を堪能することができた。広大なクレーター内に円錐形の4つの火山が連なり、中でも噴煙を勢いよく 吹き出すブロモ山と同じく活動中のジャワ島最高峰スメル山(3676m)が強烈な印象を与える。朝日とともに 霧が流れる光景も幻想的。ガイドブックやポスターで必ず見る有名な風景だが、生で見て地球のエネルギー を感じるのは感動もひとしおで、これだけ多くの人が詰めかけるのも納得。  引きかえして次はブロモ山へ。クレータリムを下って平坦な砂の海に出る。広大なクレーター砂漠の真ん 中を一人歩いて行くのは、景色もなかなか変化しないのでちょっと辛抱を要する。往来するバイクに何回も 声をかけられるが、先に登ったペナンジャカン山をはじめ外輪山の岩肌や正面にお椀型をしたバトッ山 (2440m)など眺めつつ30分ほどで砂漠の横断を終えて火口に上がる山道の下に来た。ジープや馬で来た観光 客に混ざって最後の階段を上がると噴火口を見下ろせる火口壁に出る。噴煙の間から黒い火口湖の水が沸騰 して吹き上げているのも観察でき迫力満点だ。すり鉢の地獄穴へ観光客が落ちないように、少し下側で監視 員が見張っている。近年も噴火を繰り返していて、2010年にも活動が活発化して多量の火山砂をまき散らし たそうだ。私は噴火口一周に挑戦。時計回りに半周弱のピークまでは良く踏まれた道で観光客も歩いている。 隣のクルシ山(2581m)方面にも踏み跡が続き、これまで見えなかった別の噴火口跡を見下ろせる。この先わ ずか1パーティが歩いているだけなので、20分ぐらい休憩しつつ様子を見て続行。風向きにより煙が流れて きたり灰が降ってきたりでガスをあまり吸わないように注意。いちばん高いと思われるピークを過ぎてから が難所で、尾根幅は蟻ノ塔渡りで足場は蟻地獄のように崩れやすく、細心の注意を払って進む。1時間でス リリングな火口一周体験を終えて、ツアーでは得られない自己満足感に浸ることができた。  火山のふもとの寺院へ下り、もう砂漠を歩くのは飽きたので帰りは2.5万ルピーでオジェッ(バイクタクシ ー)に乗り10分で宿に到着。全身の砂をシャワーで流して一服、今日は時間に余裕があるのでバスでスラバ ヤへ戻る。この時間になると雲が湧いて山は見えなくなるので、早朝の行動が必須である。まずはベモ(小 型乗り合いバス)でプロボリンゴへ。満席になるまで乗客が集まるのを20分程待って出発。料金は3.5万ル ピーだが、とても窮屈で揺れるのでいくら安くてもこんなのに長時間乗るのは勘弁だ。プロボリンゴでは荷 物を受け取ったら他の外国人客と一緒にすぐにバスターミナルへ移動すれば良かったが、ペモ運転手にスラ バヤへ行くと言うと、ここで待っててと言われ小さな事務所に入って、空調付デラックスバスの切符を買わ された。これは典型的なごまかしの手口だとガイド本にも書いてあったのに後で気づく。ベモの運転手が悪 徳業者だったのだ。バス会社もグルだといい、何か無線で連絡した後歩いて行くとすぐにスラバヤ行デラッ クスバスがやってきて乗り込むとすぐに発車。車内でスラバヤまでの料金を確認するとガイド本通り3万ル ピー。自分の感覚からしてこの値段があまりにも安すぎることもあるのだが、私は10倍以上の金額を払っ てしまった。乗客が他に2人しかいなかったので、私が大型バスをチャーターしたようなものだったかも。  途中で高速道路に入り順調に2時間でスラバヤのバスターミナルに到着。時間があるのでスラバヤの町を 少し見ようとタクシーで旧市街のジュンバタンメラ橋へ行ってみる。付近はコロニアル風建物が並んで風情 があるが、中華街の門をくぐってチャイナタウンの方へ歩いてみると、迷路のような市場で人と車とバイク があふれていた。旧市街はアラブ人街へと続くらしいが、良くわからずうろうろして橋の付近へ戻り再びタ クシーを拾い、今度は高速に乗らずにジャガルタに次ぐ第二の都市のビル群を眺めながら空港へ行ってもら う。渋滞がひどく1時間かかった。スラバヤ市街見物は単なる暇つぶしになってしまい収穫何も無し。さら に追い打ちをかけるように空港でカメラをなくしてしまった。入口の荷物検査からターミナルの店で食事を しようとして気づくまでの間で盗まれたらしい。ブロモ山成功の後は失敗続きで、特に沢山の写真を撮った のでそれが無いとなると大ショック、すっかり元気をなくしてしまう。 8/20 ジョグジャカルタ市内観光    ジョグジャカルタ市内泊(Casa Raffles Guesthouse)  最後の訪問地ジョグジャカルタの宿は一泊朝食付き千円代の特別価格で、内容はユースホステル内の個室。 若者の声が響いたり蚊が入ってきたのが難点だが、応対はまあ親切でエアコン・冷蔵庫・バスルーム付でこ の値段なら許せるか。夜は近くの通りに屋台が並び、ナシチャンプルやミーバッソ(肉や魚の団子入りスー プ)をはじめとした定番メニューを若者がずらり歩道に座って食っている。通行の邪魔だし、この中で一緒 に食事をする気にはならない。午前中に市内の王宮やタマンサリ(水の宮殿)などを歩いて観光、ガムラン 演奏と名物の影絵も披露されていた。名物のベチャ(自転車タクシー)も一度乗ってみた。後ろから自転車 で押す構造なので、2〜3万ルピー払って街を眺めながら楽に移動できるが、自分としては気ままに歩く方が 良い。  午後は目抜き通りのジャランマリオボロへ。食料や衣料品バーゲンなど目当ての地元の買い物客で大 混雑だ。鉄道の発着するトゥグ駅まで行くが、ホームに入れないので面白くない。近くのソスロウィジャヤ ン通りで、やっと何件かツアー会社を見つけた。2010年の噴火で火砕流による災害も派生したムラピ山 (2911m)へ、夜10時出発で北側から登頂する手配も可能であったが、明日の夕方の便に乗るには時間の余裕が 少ないので、一般的なボロブドゥール観光ツアーを申し込む。15万ルピーで早朝から3か所廻ると言うお得 なツアーだ。この辺の安宿に泊まった方が何かと便利だった。再びマリオボロ通りに出ると車をシャットア ウトして仮装パレードが始まり沿道は多数の見物人で埋まっていた。自分も暑さの中を歩くのはやめて夕方 まで見物。ガムラン風の演奏と踊り・結婚式・軍隊・大蛇の舞など素朴ながら趣向を凝らした演出を楽しむ。 独立記念日の週末行事として行われているそうで、多くの市民が気軽に参加してそのパワーを感じることが できた。 8/21 セトンブの丘からムラピ山(2911m)・ボロブドゥールの展望とサンライズ    ボロブドゥール遺跡とプランバナン寺院の観光    SJ235便 ジョグジャカルタ→ジャカルタ    NH856便 ジャカルタ→羽田(翌朝着)  朝4時に迎えの車で出発。ツアーはトランスポートのみで、入場券を買って内部の見学をする際は自由行 動で解説は無い。だから格安なのだ。他にフランスの男性2名が参加、彼らは今後鉄道を使ってブロモ山へ 行くとのこと。最初の展望の丘は、駐車場から10分位階段を登って早朝の景観を見に行く。朝焼けのムラピ 山とムルバブ山(3142m)、霧に浮かぶボロブドゥール遺跡、周辺の熱帯樹林に覆われた山々や棚田の風景が 楽しめた。ちょうどムラピ山の噴煙付近から太陽が昇ったので、光が遮られて強弱が揺めく現象が見られた。 このあとパンとフルーツの朝食が付き、食べ納めでインドネシアのラーメンを追加。あっさりした中華味で 日本人の口にも合う。  次は目玉となる有名な世界遺産、9世紀の謎の仏教遺跡ボロブドゥール。最初行列ができているローカル 用の入場券売り場へ行くと、外国人用は別にきれいな受付があってペットボトルの水1本サービスされるが 料金が1ケタ違っていた。世界的な基準にあわせるとこういうことになるのか。あず頂上部に登ると、林立 するストゥーパという釣鐘状の覆いの内部に仏像が納められている。攻撃によるものなのか頭部が焼失した 仏像が見られ痛々しい。ムラピ山と別の方向に美しい円錐形のスンビン山(3371m)も望むことができた。ス トゥーパは天上世界を表現していて、その下側の4階層には俗世界から天上へ上り詰める仏陀の物語を延々 と表した彫刻が並んでいる。回廊をぐるぐる廻って見学するがあきれる程のスケールの大きさだ。  次はもう一つの世界遺産、ジャワヒンズー教シヴァ神殿が中心となるプランバナンへ。四方向に異なる神 々が祭られて、ボロブドゥールとは構造や神々が異なることを理解。敷地内にある小さい仏教寺院も歩いて 見て廻る。修復もままならずかなり破壊してしまった様子がわかる。一方全く不似合いな遊園地や劇場が共 存していて、家族連れなどで一日ゆっくり過ごせる所にもなっている。出口の手前に小さな博物館があり、 その先は土産物屋が延々と続く迷路を抜けないと外へ出られない。これはボロブドゥールも同じであった。 ジョグジャカルタ市内でもみかけた四角の箱に入った食べ物を見つけ試食すると、中は日本の「ひよこ」の 様な餡で外側は何層ものパサパサした皮の独特な食感のおまんじゅう。中身はいろんな種類がありお土産に 数箱買う。あとで調べるとジョグジャカルタ名物のお菓子「バッピア・パトック」と言い、箱に書いてある 番号はお店のある通りを示すとか。相当に多くの店が独自の味を競っているということだ。  13時30分に宿に戻り、ゆっくりシャワーを浴びて帰路に着く。ジャカルタへの国内線が1時間遅れて荷物 もなかなか出てこなかったり、関東地方に台風が接近していたりで最後までひやひやさせられた。失敗がい ろいろあったが登山自体はとても順調に行ったと言える。アジアの途上国と火山という2つの要素は強烈な 印象となり、またいろいろな国を訪れたいという思いを新たにした。