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積雪期バリエーション 俎ー山稜〜谷川岳(西朋登高会)
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年月日 |
2003年3月21日(祝)〜23日(日) |
メンバ |
O君,N君,私 |
装備 |
ピッケル,アイゼン,ワカン,プラブーツ,スコップ,テント,ビーコン,ゾンデ,スノーバー, ザイル,ハーネス,無線機 |
参考 |
2.5万図「水上,茂倉岳」,岳人98年4月号,岳人99年4月号,他 |
天気 |
21日 晴れ,22日 曇り(午後一時霧),23日 晴れ |
タイム |
水上(9:45)=仏岩トンネル(10:00/10:20)…赤谷越…やせ尾根[ザイル](13:50/14:10)
…阿能川岳肩(15:00)…テント場(16:10//5:25)…小出俣山の肩[頂上往復](6:07/6:45)
…川棚ノ頭…オジカ沢ノ頭(11:20)…肩ノ小屋(12:45//5:24)…谷川岳…一ノ倉岳(6:50/7:05)
…茂倉岳(7:35)…土樽駅(10:45)
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山岳会の若い2人に同行させてもらった。水上駅に集合してタクシーで入山口の仏岩トンネル手前へ。積雪はたっぷりある。先行者のトレースが有った。尾根までの短い急登はラッセルと踏み抜きに苦労する。尾根に出てからは比較的緩い登りになるが、時々踏み抜きがあるのでワカンを付けた。天候はすこぶる上々、樹林ごしに真っ白な谷川連峰が見える。ヤセ尾根になると垂直な岩場を5mほど下降する所あり。下が切れ落ちてヤバそうなので、ザイルを出してワカンのまま通過。このあたりから、ハングライダー台になっている上州三峰山の断崖が良く見える。
三岩山を越えると幅広の尾根で、オキとトマの耳を見ながら鼻歌まじりで歩く。阿能川岳の肩に登りつくと山頂の一角という感じですばらしい展望が広がる。これから縦走する俎ーは垂直に切り立った岩肌を見せて迫力満点である。小出俣山から川棚ノ頭を経て俎ーに続く尾根の向こうには白一色の万太郎山や仙ノ倉山が覗いている。下りきった鞍部で先行パーティーが幕営していた。ここまで彼らのラッセルに結構助けられた。我々はもう少し先、急登になる手前あたりで、左に風を避けられる台地状のスペースで幕営した。
翌朝は曇り空ながら視界は得られた。何とか天候が持ってくれればよいが。せっかくなので小出俣山の頂上を往復、昨日のパーティーより先行して稜線を歩き始める。右手の谷川方向は垂壁と雪庇なので、ほぼ左の赤谷側よりにルートを選んで行く。
小出俣山(左)から俎ー縦走路と谷川国境稜線
右に高く万太郎山、中央の左奥に仙ノ倉山が覗く
| 川棚ノ頭(左)と俎ーのナイフリッジ(右)
阿能川岳の肩から明日のコースを望む
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クラストしてきたのでワカンからアイゼンに履き替える。左の赤谷川源頭は広々した斜面が広がり、雪の状態も良いので危険な所は無かった。核心部のナイフリッジも、見た目程の困難さは無くザイルを出さずに通過できた。
俎ーのヤセ尾根を振り返る
曇ってきて視界が悪くなってきた
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危険箇所を過ぎてホットすると左の赤谷川源頭の広い斜面が目に飛び込んでくる。この景観が雪や沢を嗜む登山者を魅了してきたのも頷ける。最後の登りをふんばるとオジカ沢の頭。上空の雲行きは怪しいが、まだ俎ーのリッジが見えており、ここまで天候が持ってくれて感謝。
この先の国境稜線は問題ないはずであったが、オジカ沢の頭からの下りは結構やせている。私は疲れも加わりペースダウン、後続パーティーにも追いつかれる。彼らは今日中に天神尾根を下山とのこと。肩ノ小屋に着くと天神尾根からの山スキーやボードの人も居て冬山らしからぬ賑わいだ。
先着の叔父さんが除雪しており窓から小屋内に入ることができた。翌日は蓬峠まで行く計画で、もう少し先で幕営の予定だったが、天候が下り坂だし私の調子も悪いので、小屋テンでここに泊まることになった。午後私が昼寝している間、他の2人は2時間くらい小屋の入口の除雪に励んでいた。暗くなる頃小屋に到着した人もいて、一ノ倉尾根や一ノ倉沢の岩場を単独で登ってきたなどと話していた。
茂倉新道の尾根を下山
オジカ沢の頭(左)の右奥に俎ー山稜が覗いている
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凄い人は居るものである。
最終日は再び青空が広がったが、蓬峠まではきついので茂倉新道を下山することにした。一ノ倉沢の岩壁を覗きつつ行くと、確かに1人の足跡が下から登ってきていた。稜線の通過は特に困難は無かった。一ノ倉山頂で一服、避難小屋は完全に雪の下に埋もれていた。茂倉岳から尾根をぐんぐん下降する。真っ白の山肌に朝日が当りコントラストが素晴らしい。国境稜線越しに昨日越えた俎ーも見えて感激だ。途中テント泊の1人に会う。彼も昨日バリエーションから登ってきたらしく下るだけだそうだ。樹林帯に入ると雪が柔らかくなりワカンを付ける。真下に高速道路を見ながら、2人よりだいぶ遅れて高速トンネル脇の車道に下りついた。やはり若い人の体力にはかなわないことを痛感させられた。
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